かわティブログ 「発達と教育」と「生徒指導概論」

  平成24年度後期のシラバスは10月3日にあります。

問と回答:発達と教育A (水) 110525 子どもの才能は・・ 討論 と 発達障害とことばの相談  前半

2011年05月25日 | Weblog
質問と回答:発達と教育A (水) 110525 子どもの才能は3歳、7歳、10歳で決まる! 討論

1. 川島先生はBの議題についてどう思いますか?
  答:「B.親は,なぜ子どもの脳を鍛えたいと思うのでしょうか,あなたが親だったらはどうですか」の項目・・・ですね.私も自分の子どもが小さな頃に,子どもの脳を鍛えたいと思いました.それは,自分の子どもの持っている能力をできるだけ十分に発揮させてやりたいからだと考えたからです.親としては,誰でも持つ希望?だと思いますが・・・

2. 私は集中力がなく、課題などやらなければいけないことがあっても他の事に気が散ってしまったりします。何かいい解決法はありますか?
  答:そうですか,私も同じです.私は気が散ったり乗らないときは,こだわらずに、すぐに他のことを始めます,それは平行してやることもあります.例えば,この質問を書いている途中で,食事を作ったり,本を読んだり,掃除や洗濯をしたりなど同時にできることをしています.

3. 川島先生の考える脳科学と心理学の違いは何ですか?私にはあまり違いがよくわかりません。
  答:確かに,重なっている部分がたくさんあります.というのは,心理学は人間のことをすべて扱うので,いろいろな領域があり,脳に関連する心理学は脳科学と重なり,社会や人間関係についての心理学は社会学や精神医学を重なるというようにです.心理学は,学際的な学問だと言われています。

4. 先生はどうやったら片付けができる子が育つと思いますか?
  答:片づけをする必要のあることを,ひとつひとつルールを決めて教えてゆかないとできません.一言で,片づけといっても,いろいろな場面での片づけがあると思います.


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質問と回答:発達と教育A (水) 110525 発達障害とことばの相談 子どもの育ちを支える言語聴覚士のアプローチ 前半

5. これは読んだ方が良いよ、読んどいて損はないよっていう小説ありませんか?ジャンルは何でもいいです。
  答:そうですね.外国に行ったときなどに源氏物語などの古典や歌舞伎についてなど訊かれたことがあります.読んどいて損はないという小説は,わかりません.

6. 先生は特別支援教育をどのように定義づけていますか?
  答:この本にも書いてあるのと,同じようなことを以前から考えていました.それは発達心理学を学んでから,障がいを持った子どもが生まれるのは確率の問題ではないかと考えるようになりました.すなわち,いつ誰が障がいを持って生まれてくるのかは確率であり、誰でもが持っている確率だと言うことです。さらに、後天的にも障がいになる可能性もあります。ですから,同じ時代を生きる人間として,障がい者は社会全体で支え合うのは当然だと考えています.

7. 現在この本に出てくるような試みが少しずつ行われているが、特別支援教育は徹底することはできるのでしょうか?
  答:難しいことかもしれませんが、可能性としては,世界全体の知的な教育のレベルがあがり,誰でもが,この授業で読んでいるような本を読み,理解することができるようになれば可能だとは思いますが・・・

8. ・独創的な発想はどうすればできるようになると思いますか?
  答:それは,知識をたくさん身につけることです.何も知識のない状態からは,独創的であっても生産性のない発想しか生まれません.独創的というのは,非常に多くの可能性の中からアイディアを探すのと同じです.ですから、独創的な発想をするためには、その対象としている領域以外の知識も含めて、いろいろな知識を身につけるのがいいのです。

9. 腹式呼吸が、ストレスの対処や心を落ちるけることに有効なのはなぜですか?呼吸の仕方でそこまで差があるというのが不思議でなりません。
  答:確かに、腹式呼吸の効果は、そんなにはっきりとしていませんが、座禅でも使われる「調息調心」は心理学でも研究が行われています。多分ですが、呼吸を整えることで、酸素の正確な供給や、知らす知らずに生ずる緊張に対する心理的なリラックスが行われるのではないかと思います。また、その他に姿勢や運動をしようと言う意欲が生ずるためではないかと思いますが・・・どうでしょうか。

10. 先生はどうして現在の専門分野に興味を持たれたのですか?
  答:私は、父や母のしていた幼稚園の園長になるために、発達心理学を勉強しようと思ったのがきっかけです。ですから、専門は始めは、幼児・児童心理学でした。

11. 子どもが発達障害の場合、早めに対応したほうがいいのですか。また、具体的な対応としてはどのようなものがありますか。
  答:もちろん、早く診断できるのであればそれがいいと思います。というのは、発達障がいとそうでない子どもへの対応が異なるからです。

12. STはPT・OTに並ぶリハビリテーションの職種とありましたが、今後信州大学医学部保健科にSTの養成学科はできるのでしょうか。川島先生はどうお考えですか。
  答:さあ、それはわかりません。というのは、言語聴覚士になるための養成施設は、現在では医学部に置かれることがほとんど無く、医療系の専門学校で行われているからです。でも、将来はわかりませんが・・

13. ADHDの子どもたち(特出した能力がない場合)が将来できる仕事とは何ですか?自立して生きていくためにはどうしたらいいですか?
  答:それは、子どもによって異なりますし、どのような教育を受けたかによっても異なると思います。また、その症状(重さ)によっても異なります。ADHDの子どもたちの中には、高校の段階までに訓練されると特別な配慮なしに一般企業での就労が可能になる場合があるからです。


14. 先生は普段、障害をもった人とどのくらい接する機会をもっていますか?
  答:今は、たまに、幼稚園などで自閉やADHDの子どもと遊ぶくらいです。以前は、附属養護学校に関わっていたこともありました。

15. 爪をかむ、という癖は何か理由があってしているものなんでしょうか?
  答:一般に良くいわれるのは、爪をかむ子どもは、ストレスがあり、その背景として親の過干渉、放任、厳格なしつけなどによるという意見があります。しかし、確かに子どもは、爪をかむことで、その場面で緊張が低減することはあるかもしれませんが、その背後にある理由は、何か一つのことに断定出来るとは限らないと思います。ですから、特別な理由が無くても、爪をかむことはありますし、それほど気にすることではないと思います。


16. 本文にも書きましたが、私はあまり人に好かれない性質のようで、果ては犬とかにも良く吠えられてしまいます。先生は多くの学生に慕われているようで羨ましい限りですが、先生は『人に好かれる人』と『好かれにくい人』の一番の違いはどこにあると思われますか?
  答:そうですか、私は、特に、そんなに人に好かれているわけではありません。ただ、嫌われたととしても、こちらからは人を嫌いにならないようにはしています。というのは、心理学の研究で、嫌われることを避けない、気にしない人が好かれると言うことがわかっているからです。

17. 本文にありましたが、私は最近、よく自分の頭で考えていることを口に出してしまっていることがよくあります。そして周りにいた人からの目線が少し痛いです。先生もつい独り言をしてしまうことはありますか?また独り言が多くなったと感じたのはいつ頃からですか?
  答:人は、何か考える時に「言葉」(言語)を使って考えます。ヴィゴツキーという人は、そのような考える時に使う言語を「内言」、他の人と話す時に使うのを「外言」と名付けました。ですから、考えている時に独り言を言うのは不思議なことではありません。ただ、それが、口について出るかどうかであり、誰でもがしていることだといえます。「内言」の発達については、ヴィゴツキーという人が、子どもが課題に取り込んでいる時に独り言を言うことを発見しました。ですから、言葉を使って考え始める幼児期から、そのような独り言が始まると考えられます。

18. 前回の討論で、"考えることは本能か"ということについて、議論しました。"本能"と"理性"は、両方考えるという行為ですが、相対しているように思えたからです。例えば、「食べたい」と思うことは本能であるが、「今日は夜遅いからやめておこう」と思うことは、本能を抑制する、理性という行為です。そこで私たちの意見としては、考えるという行為全てが"本能"というわけではない、ということになりました。前回の課題図書の筆者は、"考えることは本能である"と述べています。どちらが正しいのでしょうか、また、先生はどちらの意見に賛同されますか?よろしくお願いします。
  答:確かに、わかりにくい問題ですね。しかし、脳の機能を考えると、わりとすっきり理解でします。それは、「食べたい」というような、本能という言葉に対応する考えは古い脳(大脳辺縁系)から出てくる欲求を基本をしています。それに対して、「今日は夜遅いからやめておこう」というような本能を抑制する考えは、新しい脳(大脳新皮質)によって生じてくると言われています。ですから、この質問での、”考えること”は、”そうしたいと考えること”とそれに関連して”どうすればよいのか”の2つが混じっていると言えるでしょう。