リスペクトコラムです。
基本的に毎晩観ているテレビ東京(TSC)のWBC(ワールドビジネスサテライト)ですが、少し前に鹿島さんの話題が出ました。メルカリが親企業に入ったという事で話題になりましたが、その流れを受けた特集でした。Jクラブがこういうビジネス番組に取り上げられるのは稀で、過去にはマリノスさんくらいしか思い出せない。さすが鹿島さんという感じです。
【メルカリなぜJリーグに!? “鹿島改革”の舞台裏密着】
「アントラーズの伝統と歴史を非常に大事にして、テクノロジーを使った改革でさらに価値を上げたいとしてスタートしている」という小泉社長のコメント。小泉社長が明らかにしたのはITを活用した改革の方針。手始めにメルペイをスタジアム全店舗に導入。
「私たちとアントラーズ、このスポーツビジネスを推進していきたい。」と、7月にJ1鹿島の経営権の取得を電撃的に発表。本業とのシナジーが少ない事業の整理を進める日本製鉄などから株式61.6%をわずか約16億円で譲り受けた。フリマアプリの最大手として急成長を続けてきたメルカリ。創業者の山田進太郎氏と二人三脚で経営してきた小泉社長自ら、アントラーズ運営会社のトップに立つ。小泉社長は、営業収益を5年以内に100億円に伸ばし、チーム力を強化すると公言。自らにプレッシャーをかけている。
週2ペースで都内からJ1鹿島のクラブハウスに向かう小泉社長に密着。メルカリ会長との二足の草鞋を履く生活。クラブ社長に就任後、SNSで積極的にクラブの裏側等を積極的に投稿。鹿島ファンのフォロワーも急増し、評判は上々。2時間かけてクラブハウスに到着。早速最も重要視している広報戦略会議に出席。
「メルカリ側の試合日の取材に対するスタンスが(鹿島のそれと)大きく違う。(メルカリ側は)事前に詰めないまま取材を受けてしまうパターンが多い」とクラブ広報社員から、ネガティブな発言をされる。「あれもやりたいこれもやりたいと言われた時にそれに応えようとして、競技とのバランスが悪くなるのをどうコントロールするかが問題」と返答。
この会議は広報担当以外も10人近く参加していたが、小泉社長と担当者ので4人だけになった事で、本音が飛び交うようになったとか。「全然プロセスにかける時間が変わり、意思決定のスピードは速くなった」との広報社員のコメント。
また、小泉社長が導入したのが、メルカリでも活用されている、Slack(ビジネス用のチャットアプリ)。「一度に多くのメンバーと共有できて仕事の進みが早くなる。」小泉社長はIT企業のスピード感をクラブ運営会社のスタッフにも地道に浸透させていく考えだとか。
Jリーグ屈指の人気と実力を誇るクラブ。始まったばかりのメルカリ流改革は、常勝軍団を更なる飛躍に導く事ができるだろうか。IT企業のコンテンツ戦略とスポーツビジネスは相性がいいので、今後もこういう事例が増えていくだろうと締めくくっています。
J1鹿島小泉社長公式ツイッター:https://twitter.com/koizumi
という内容でした。ビジネス、つまりスポンサーや経営者目線で観ればそれでいいと思いますが、Jクラブの支援は三位一体のもの。ここに行政とファン・サポーターの存在もあり、一方だけの目線だけでは簡単に順風漫歩になるとは言い切れないと思います。メルカリの経営権の取得時も鹿島サポがこう反応したという話も聞くし、町田さんの事例を見ても経営者目線だけで進めても事は上手く運ばないと、個人的には思います。
鹿島さんが今後順調に5年後に100億円の営業収入を達成し、タイトルを獲り続けているのかといえば、そんなに甘くないのでは。どうしても我々素人が思うのが、スポーツ文化の構築の色よりも経営の追求の色が濃く、調子が悪くなったら経営から撤退するのではないかという懸念です。それは町田さんに対しても同様です。
当ブログでは、「親企業のある市民クラブ」(親企業のない企業チームというのもあるようですが)というキーワードをよく口にしますが、メルカリもサイバーエージェントもそうなれるかどうかではないかと。柏の日立製作所、川崎さんの富士通はそういう存在で、成績と共に地域に素晴らしいスポーツ文化を構築している(鹿島さんもある意味今までできていたのでは)と思いますが、今後どうなるかですね。あと、100年続くクラブというキーワードもありますが、鹿島のメルカリ、町田のサイバーエージェントが100年後も今の立ち位置にいるのかなとも個人的に思っています。そういう懸念を払しょくするように今後頑張って欲しいと思います。
あと、いくらオーナーと言っても、広くて長い視野で観れば「公共財の管理人」という見方もしております。「私物」ではなりません。三位一体の支援者から認められなくなったら、引いてもらわなければならなくなるでしょう。それがIT企業など通常の民間企業との違いです。26年のJリーグの歴史の中で、いろいろなオーナー企業がありましたね。
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