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日本代表のこと・・・329

2016-03-21 00:01:37 | サッカー(日本代表、W杯等)

 事例紹介コラムです。
 なでしこジャパン低迷の検証シリーズ第2弾です。集めた情報ですが、大体落ち着いたようです。佐々木監督は昨日正式に退任会見を行い、新しいなでしこジャパンへ向けて進み始めました。でも今回の惨敗はやはりリスペクトすべきですね。手元にいくつかある情報を順番に抜粋して紹介していきます。ちょっと長いですが、当ブログ的にはまとめられたと思っています。まずは、宮間選手の名前があったショッキングなタイトルの日刊スポーツの記事です。
   
【日刊スポーツ:凋落なでしこ】
なでしこ澤引退で分裂敗退 宮間と若手に溝
 昨年末の澤選手引退ニュースの時期に今回の敗退の予兆。佐々木監督は「誤算。リオに連れていくつもりだった」とコメントし、「ポスト澤」として昨年のW杯カナダ大会でブレークした宇津木選手は体調不良で選外。川村選手も中国戦で敗戦につながる痛恨のバックパスミス。プレー以上に大きかったのは、精神的支柱が抜けた穴。澤は、主将の宮間と若手選手の間を埋められる無二の存在。宮間選手は気が強く、自分にも他人にも妥協しないタイプで、「厳しすぎ。みんな萎縮しちゃって、何も宮間さんには言えない」と若手選手のコメント。宮間からは「甘すぎる」という見方になり、溝は深かったと。
 両者の潤滑油として働いていたのが澤選手を失ってから初めての大会で、大儀見選手などとも選手間のバランスは崩壊し、頂点からの、必然の瓦解。露呈した深刻な「澤ロス」という極めて難しい宿題が浮上。
無謀ぶっつけ策に新戦力の良さ消す常連組
 初戦オーストラリア戦で、日本は面食らう。予想に反して、オーストラリアが蹴ってこない。「高さと屈強な体を生かし、ロングボールとクロスを放り込んでくる」と佐々木監督は分析し、直前合宿で対策に時間を割いて練習。しかし、オーストラリアは前線からの激しいプレスと細かいパスワークを展開。ボランチの宮間選手は「映像で見たものと全く別のサッカー」と戸惑い、ボールの奪いどころとして狙われる。合宿での練習と違う、無謀なロングボールの攻撃で競り負け、戦術のブレに選手達は混乱。昨年のW杯カナダ大会の頃から、今までと違う戦術を試すようになり、「何をしたいのか分からない」と選手は理解に苦しむ状態。
 佐々木監督が愛着を示してきた4-4-2システムは研究し尽くされ、今予選で破たん。韓国戦で、ぶっつけ本番で宮間選手をトップ下に上げる4-2-3-1に変えたが、5バックへの変更を進めていた最中に失点。中国戦もロングボールに固執して自滅。「つないだ方がいい」とパスを回し始める選手も出るなど、中途半端な準備が現場で混乱。
 '11年W杯の優勝組には、自分たちのサッカーに強い自負があり、足元の技術が高い若手が来ても、常連組は、あえて特長を消すように長いパスを出し、走らせ続けたことがあり、その若手は「ボールがもらえない」と悲観し、確立されたスタイルは硬直化。
協会が招いた“冬”監督に甘え続けた8年
 ロンドン五輪後の佐々木監督は、日本協会との契約が満了したが、長期政権を懸念した協会が体制刷新を図ったものの、後任も決められない事態。後任を調整したがいずれも破談し、続投の意思がなかった佐々木に、慌てて続投を要請。再契約したが、一時期の求心力はない。選手だけでなく、なでしこリーグとの溝も徐々に拡大。なでしこリーグのクラブとのコミュニケーション力は明らかに低下。
 それでも佐々木と心中するしかない協会は、違った形のサポートとして最終予選の自国開催を実現したが、裏目に作用。逆に大きなプレッシャーと化し、初戦から極度の緊張感が支配。
 土壌の問題。佐々木監督の就任から予選前までの計120試合のうち101戦が海外で、国内は19戦だった事がその象徴。「行けて当たり前の空気と極度のホームの重圧と期待につぶされた格好であり、注目度が段違いの東京五輪への課題。過去の功績は色あせないが、世代交代で後れを取っており、冬の時代が到来すると一般的に予想され、再スタートのベースの維持と再建の保証はないと締めくくっています。
   
 これらの記事を読むと、まるで宮間選手が戦犯のようにも思えますが、実際は一人で重圧を背負いこんだ立場です。代表引退を表明せず、「代表というのはそういう事を口にできる存在ではない」と口にしていますが、主将かどうかは別に新しいなでしこに選ばれるのではないでしょうか。
 こういう記事もありました。「メディアが書かない本当の戦犯」という日刊サイゾーの記事です。岡山県民としては面白くない内容の記事ですが、一つのマスコミの論調として抜粋して紹介。

【メディアが書かない本当の戦犯とは】
 ポイントは2つ。1つ目がオーストラリア戦。オーストラリアは、日本のビルドアップにプレッシャーをかけてきたが、ここでサイドバックとボランチが起点になれなかった。その状況を宮間主将が打開しようとして狙うが、ミスが増えてリズムを作れないまま敗戦。2つ目が韓国戦。上尾野辺選手が中盤の底でリズムを作り、横山選手の動きが良かったが、どこか宮間主将の調子が上がらず。セットプレーが機能しないまま、後半に入って、若い選手たちがスタミナ切れして勝ちきれず。
 メディアは名前を挙げないが、宮間主将のパフォーマンスが悪かったのは間違いなく、中盤のオフェンシブのポジションで使った佐々木監督にも問題。あのポジションでは、キレが必要になり、宮間選手をボランチの位置に下げるか、途中で交代する手もあった。宮間選手を固定する一方で、連携が必要になるボランチやサイドバックを固定できなかったために、2戦目で良かった川村選手が3戦目ではまったく機能せず。ベテラン選手のコンディションが上がってこなかった事は、短期決戦での命取り。
 実際に、4戦目のベトナム戦では宮間を外し、フレッシュな選手が躍動して大勝。相手がベトナムはオーストラリア以外にはいいスコアで健闘しているチーム。
日本のメディアは、アンタッチャブルを作ってしまいがち。今回の結果が教えてくれたのは、たとえ功労者であろうと、批判する時は批判するべきという事。メディアやファンがしっかりと批評しなければ、日本代表は強くならない。予選敗退が決定してしまった今、厳しい批評を行うこともひとつの愛ではないか。チームのマンネリ化というよりも、対戦国の戦術に負け、かつチーム内でパフォーマンスが上がってこない選手がいたために、相手国の戦術に屈することになったのでは。
日刊サイゾー該当記事:http://www.cyzo.com/2016/03/post_26950_entry.html

 悔しい内容ですが、確かに宮間主将が輝いていないなという印象があったのも事実。過去にも宮間選手のコンディションが今イチと言われた大会があった覚えがあります。そこでふと脳裏をよぎるのが、所属している湯郷ベルの最近の不調。今回のなでしこの不調とイメージがかぶる時があります。簡単には言えませんが深い部分だと思います。日経新聞ではまた別の側面からの分析が載っています。「決定力不足解消できず」という記事と、「盛者必衰のサイクル」と書かれた記事。以下、抜粋して続けて紹介。

【決定力不足解消できず】
 なでしこは細かな約束事が多い。相手を2人、3人がかりで追い込む守備の動き方やポジショニング。ベテラン組なら自動的に機能できるが、若手に交代するとフィットするまで時間と手間がかかる。「攻守にアクション」を標榜する佐々木監督の戦術はハードワークをこなすスタミナが必須。その点でも組織に活力を注入する若手が欲しかったが、若手の抜擢は余りなくチームの老いが進行。
 守備からリズムを作る「全員守備」のチームで「全員攻撃」は未完のプロジェクト。1人で攻め破れるスペシャリストを女子サッカー界がこの4年間で育成できなかった事が根深いかだい。パワーとスピードで劣る条件で得点を得るという課題は、佐々木監督の言う「深さ」ではないかと締めくくっています。
【盛者必衰は偉大なチームの宿命】
 世界大会の決勝に3回連続で出るような代表チームが高齢化していくのは、勝てば勝つほど栄光の戦士は温存されるのだから、ある意味で自然なこと。ベテランを温存しても勝てず、無理に若返らせても勝てないという盛者必衰のサイクルになでしこも入っていたのではないか。偉大なチャンピオンチームは偉大な選手とともに語られ、なでしこジャパンは澤がそれに相当。そんな存在が去れば、穴は簡単に埋まるものではなく、むしろ大きな反動に襲われて立て直しに何倍も苦労するのが普通。栄光を極めたメンバーにトウがたち、チームの耐用年数が尽きたことは分かっていても大きな敗北を喫するまで、監督を変え、選手を変え、チームを変えることはできない。それは偉大な代表チームの宿命。
 日本の女子選手の身体能力を考えると、守備ラインを低く構えたカウンターサッカーで「守る人」「攻める人」をくっきり色分けするような戦いを志向しても限界があるのでは。1人より2人、2人よりグループ、グループよりチームで。共同作業が得意な持ち味を生かす、11人全員が攻守に参画するスタイルをさらに発展させていくしかないと思うと締めくくっています。

 ここでは、どの選手がどうのという論調ではなく、チームそのものについて論じられています。「盛者必衰」とは歴史マニア的には平家物語に出てくる言葉で、その平家は滅んじゃいました。なでしこは滅んではいけません。フェニックスとなって、また頂に到達しなければいけません。
 そして、追ってきた存在が追い越したら、今度は追われるのは当たり前という読売新聞の論調と、意外な舞台裏があり、本当の戦犯論について語っている東スポWEB。本当にいろいろと情報が出てくるものです、以下抜粋して順番に紹介。

【読売新聞】
 アジアのレベルは向上し、今や世界のトップクラスと言われるように他国の強さが向上。昨年までと打って変わって、ベトナム以外すべての国がプレスをかけられてもDFからポゼッションを維持できるチームに変貌。ボールを奪取しても相手ゴールまでは遠く、フィジカルの強い相手に中盤でボールロスト。今までの日本を逆にやられている感覚。フィジカルで勝るチームが技術と戦術で追いついてきたらという恐れが今回現実化。
【東スポWEB:選手選考に外圧】
〔なでしこ崩壊の舞台裏〕
 '11年ドイツ女子W杯の優勝で、1試合100万円に設定されていたテレビ放映権料が一気に数十倍に高騰し、なでしこバブルが発生。高額の放映権料を支払うテレビ局は金額に見合った視聴率を稼ぐため、チーム側に少しでも話題になることを要求。更には代理店などとともに、選手選考についても要望。'12年のヤングなでしこでブレイクした田中陽子選手を、翌年のアルガルベ杯で抜てきしたのも、代理店等の要請があったと言われており、'14年アジア大会の選手選考でも同じような外圧があり、佐々木監督は親しい関係者に「自分の思う通りにできない」とコメントしたとか。
 女子サッカー人気が高まる中で、日本協会の収入も急増し、過去の赤字の削減や、育成世代代表の強化費増の恩恵もあった一方で、噴出した様々な弊害。これらが絡まり合い、なでしこジャパンを崩壊へと向かわせたも言えると締めくくっています。
東スポWEB該当ページ:http://www.tokyo-sports.co.jp/sports/soccer/516401/

 選手選考に外圧というのは穏やかな話ではありませんね。実は日本代表チームでも時々耳にする話です。過去の話でどこまで本当なのか不明ですが、本田選手がどうのと言っていました。ここではカリスマ性のある外国人と、日本協会に近い日本人監督の差異かもしれません。まあ、結果が出ていない時は大体そういう選手構成なのかもしれません。スポンサーは金は出しても口は出さないという文言を契約に加えるべきかも。
 佐々木監督お疲れ様でした。当ブログで時々口にする、某黄色いチームのネル監督の第二次政権構想(あくまで個人的妄想です)のように、佐々木監督もいつか第二次政権もあるかもしれません。まだまだ全然お若いし、その可能性はあります。ただ、進化しなければならないという前提では、絶えず新しい指揮官の元、チームは成長すべきであり、もう一度佐々木監督が登場する事は望ましい事ではないかもしれませんが、結果を考えたら今後もどうしても名前が出てくる事でしょう。これでなでしこジャパンの総括ネタは終了しますが、新しいチームとして蘇生する事を期待しています。

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