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監督、GMの力量27

2016-02-17 00:01:18 | サッカー(Jリーグ(J1・J2)・国内)

 事例紹介コラムです。
 Jリーグ開幕を告げるゼロックススーパーカップがいよいよ20日(土)に開催されます。年間チャンピオン(という呼称も何年続くか)の広島さんと、天皇杯王者のガンバさんの対戦。冠スポンサーである富士ゼロックスの公式HPの中に「トップリーダーに学ぶ『勝利のチームマネジメント』」というタイトルで、2人の監督に松村卓朗氏というコンサルタントがインタビューする形でコラムが書かれています。以下、抜粋して紹介。
     
【長谷川監督】
・リーダーとしての姿勢: ブレない哲学で道を示しながら、覚悟と実行力でチームを牽引
・リーダー論1: 結果にはこだわる、その一方で選手もお客さまも楽しいことが理想
 Jクラブの監督は、短期間で成果を出すということ以上にリーダーとしてチームに説得力をもたらせることはないので、結果には、とことんこだわりたい。目標を掲げ、絶対に達成するんだという意識は強く持つ一方で、選手にとっても見ているファン・サポーターにとっても「楽しいサッカー」をするのが理想。
・リーダー論2: リーダーはブレてはいけない、チームを信じ自らで決断
 勝てないからといって他の強いチームのやり方を真似ようなどとリーダーがブレている方が、よほどマイナス。ガンバ大阪は間違いなくJ1で優勝できる力を持ったチームであり、信念を持ってチームを引っ張り続けることがとても大切。
・リーダー論3: コミュニケーションは自ら取るが、選手と食事に行くようなことはしない
 意識的にこちらから話しかけていくことも少なくないが、コミュニケーションのために選手と食事に行くようなことは絶対にない。監督が公平さを失うことは、選手のモチベーションを下げてしまう。

・チーム作りに対する考え方:強いチームは連動によって機能する。そのために、ロボットは作らない
・チーム論1:重視するのは「チームとしての相乗効果の最大化」、メンバーの共通理解がチームを底上げ。
 チームワークさえ機能すれば目標達成は後からついてくるし、連動によって機能するチームが強い。守備は連動なので、チームのベースを作るためには守備の強化が不可欠であり、守備の強化は弱点強化という意味ではなく、チームの共通理解を作るという意味で極めて重要。
 「楽しいサッカー」が理想なので、ロボットは作りたくない。特に攻撃で、チームには大枠だけ示してその中で自由と自立に任せたいと思う。ロボットを作りたくないからこそ、「こういうサッカーをするんだ」というチームの共通理解が重要です。
・チーム論2:マンネリを超えるマンネリ。大切なのは、変革より継続
 絶対にJ1で優勝を狙える戦力だと思っていたので、意識変革などを特に求める必要もなく、具体的な課題を提示し、ソリューションを明確にし、そして一つひとつの成果を積み重ねるだけ。マンネリだろうが何だろうが成果が上がるまで「続けること」の方が重要。

【森保監督】
・リーダーとしての姿勢:後方からサポートしながら、チームの連携を生み出す
・リーダー論1: 知らず知らずにチームが一つにまとまることを目指す
 チームに対しては、方向性だけを示したら、あとは「皆でやっていこうよ」というスタンス。目標をピンポイントに絞るのではなく、目標自体に一定の幅をもたせて、選手・スタッフが自由に活動しながらも、気づいたら一つの方向に向かってまとまりたい。前に出て引っ張るというより、後ろから見守りながら緩やかに動きを誘うイメージ。
・リーダー論2: 結果だけにこだわらず、選手の成長を手助けしたい
 結果だけにこだわりすぎるのではなく、このチームにいたことで、選手個人が努力して伸びて、将来の成長に繋がれば良いと思う。このチームにいたから成長があったという場を提供したい。選手の成長を手助けしたいという気持ちが強い。

・チーム作りに対する考え方:個の成長を通じてチームの成長を促す。監督の仕事は観ることから。
・チーム論1: 選手一人ひとりが成長し、チーム全体で理解し合うことが高度なチームワークを生み出す。
 チームの成長というのは選手個人の成長を通じて促進されるもの。チームメイト同士で互いに支え合って協力することが不可欠。選手一人ひとりが努力して成長し、互いに理解し合うことが、高度なチームワークを醸成。チームより優先されるものはなく、チームの和を乱すようなことは許されないので、チームの和というのは最も優先すべきこと。
・チーム論2: 「観る」ことで、選手の変化に気づいてあげたい
 監督の仕事は観ることから。よく観ているのは選手の顔の表情で、日々の変化を注意深く観る事によって、コンディションやモチベーションを理解。あくまでも選手が持っているものを100%引き出してあげたいという気持ちから選手を観察。
・チーム論3: 「優勝」の前に、まずは「残留」
 ことさらに目標の重要性を強調する必要は全く無く。むしろ、目の前のことに集中し、やらなければならないことを着実に積み上げた先に、自然と目標が見えるようにしたい。自分は、目標を何段階かで設定。ゴールは「優勝」ですが、シーズンの最初には同時に「残留」も掲げる。残留をいつまでに確定させるかを設定することで、さらなる高みの優勝という目標に繋がる。
・チーム論4: 監督は人の心を預かる仕事。今だけ強いのではなく、サッカー界に残るチームを作りたい。
 傍目では変わっていないようなことでも、決して現状維持ではなく、必ず何かしらのバージョンアップを達成。ベースは同じでも、質を向上させる設定を行い、苦しみながらも乗り越えているつもり。これを愚直にやり続ければ、気づいた時には相手がついてこられなくなる。
 監督は、選手達の努力と成長の過程を、よく見ていて評価してあげなければならない。J1広島は、選手を育成しながらチームとしても強くなることが至上命題。チームは今だけ強ければ良いものではなく、自分「いなくなってもこのチームに考え方だけは残り、受け継がれていくもの。そして今やっていることが、将来のサッカー界に残っていく。

 という感じでした。違うタイプ、違う内容でありながら、2人ともリーダーとしての柱は一致しているような気がしました。ガンバさんは3冠、広島さんは4年で3度優勝と実績は申し分ありません。この2人はできるべくしてこのような成績を残したのではないでしょうか。
 ちなみに、日本代表監督候補として、何度か名前が挙がったようですが、Jの監督と代表監督はまた違うと思います。当ブログで大昔から口にしているように、世界を知らなければ世界で戦えないと思います。2人ともまだ若いので、ある程度Jクラブで経験を積んだら、指導者としての海外移籍をされてはどうでしょうか。さて、スーパー杯はどっちが勝つのでしょうか。
富士ゼロックス公式HP該当ページ:http://www.fujixerox.co.jp/company/event/fxsc/interview/index.html?cd=fb009

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