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日本サッカー協会の話題33

2015-02-21 01:14:44 | サッカー(日本代表、W杯等)

 事例紹介コラムです。
 今日、web Sportivaを観ていたら、「不明朗な人事、商業主義…日本サッカー協会の問題点」というショッキングなタイトルの記事を見つけました。「日本サッカー協会をめぐる5つの問題点」という記事ですが、今回は特に「商業主義」というキーワードは当ブログでもしょちゅう出てくるもので、とても興味を持ち、読み込みました。以下、抜粋して紹介。
      
【日本サッカー協会の問題点】
①国際性の欠如
 代表監督選びは最も重要な位置を占めており、選考の失敗を防ぐためには、探す側の国際性、世界性が不可欠だが、今の日本サッカー協会はそうした要素を満足に備えているとは言えない。
 世界の津々浦々にまでネットワークを持っているかが勝負の分かれ目だとされ、情報自体は世界中から流れてくるが、日本には自ら足を使い、常に探し求めていく組織も人材も無く、外交官不在の状態。その中心となる技術委員会の中に、世界を見渡せる目を持った人は皆無で、常時、専門職として動いている人も存在せず。代表監督探しを協会という組織ではなく個人の力に頼るやり方を続けていると、人も組織も育たず、協会そのものに国際性が生まれない。

②ファンの知る権利に答えていない
 サッカー協会は、登録料という名の「税金」を、サッカー人口を構成する人々から、無条件で徴収する仕組みを築き上げた特殊な団体。アギーレ監督の解任時の違約金について、大仁会長は「守秘義務があるので、それ以上は申し上げられない」とコメントしているが、少なくとも登録料という名の「税金」を収めている人たちは、知る権利があるのではないか。そもそも契約金や契約年数も非公開。
 守秘義務と知る権利。他の競技団体なら前者が勝ってもいいが、サッカーの場合は知る権利が勝るのではないか。サッカーに携わるメディアは、もっと知る権利を盾に、協会と対峙するべきではないか。

③不明朗な人事
 今まで日本サッカー協会の会長は密室人事で決まってきたが、従来のやり方は不透明だとするFIFAから強い要請を受けたために、大仁現会長の後任を決める次回からは選挙制度を導入。国際活動禁止処分を言い渡された日本バスケットボール協会のことを冷笑する資格が日本サッカー界にはあるのか。原専務理事も、犬飼前会長も、大仁会長も元三菱で、大学の先輩後輩だったり、三菱重工時代の監督と選手の関係にあったり、不明朗な関係ではないのか。
 ザックジャパンを作った原専務理事は、ブラジルW杯で惨敗しても、アギーレ監督の八百長疑惑による解任でも結局処分は何も下されず、大仁会長、原専務理事の去就について、協会の密室かつコネクション人事が、騒動の根底にあることが、ここで改めて浮き彫りになったと言える。
 
 現在のサッカー協会はコネクションで成り立っており、協会の職員募集も、つい最近まで、一般からの公募は受け付けていなかったほど。そうした風通しの悪さ、閉鎖的な社会が強化の足かせになっていると言われても仕方がない状況。
 FIFAの指導の下、大仁会長の後任は、選挙で選ばれる事が決まっているが、これを機に、サッカー協会の体質も大きく変化して欲しい。協会の体質と日本サッカーのレベル、代表チームの成績とは密接な関係にあると思える。

④商業主義
 「6月にW杯予選が控えている。時間がない。アギーレを疑って解任するわけではない」とアギーレ監督を解任した大仁会長の説明だが、6月に始まるW杯予選は敗れる可能性がほぼゼロの相手であり、時間がないと言って慌てようとする大仁会長は不自然。これが解任の本当の理由ではないことを、逆に簡単に推測。
 スポンサーの顔色をうかがった末に臭いものにフタをしたのが本音であり、多くの国民が認識しているのではないか。芸能界で起きた出来事なら理解できるが、サッカーはスポーツ。日本代表戦はテレビ放映ありきでなく、日本代表は見せ物ありきで存在していない。世界一を目指して戦う集団なのに、その選考にかかわるのはあくまでも協会。スポンサーの力が介在したり、協会がその力に屈したりすることは、あってはならない話。
 それはメディアが本来、注視しなければならない点であるが、多くは、スポンサーサイドの声を紹介しようとしている。今回のアギーレ問題と、ブラジル戦がそのいい例。
 確かに、知名度の高い選手がスタメンに並んだ方が、商売的には好都合だが、それを続けると代表チームは強くはならない。今の日本代表はメンバーは老朽化し、チームの新陳代謝は停滞。サッカーは、放っておいても人気者が次々に現れる芸能界とは違い、スポンサーの立ち位置も、それと違うはずで、お金は出すが、口は出さないのが理想の姿。

 商売重視。現在の日本サッカー界の姿は、商業メディアやスポンサーの顔色を伺い過ぎた末の悲劇とは言えないか。アギーレ前監督は、アジアカップの先発メンバーにお馴染みの選手の中の知名度の高い選手で固定。商業重視のメディアやスポンサーから歓迎されても結果はベスト8。今後に不安を残す負け方。協会の力は、一体どこにどう働いていたのだろうか。アギーレ前監督のアジアカップのメンバー選考には同様にノーと言うべきではなかったのか。
 「数字」を伸ばしたい「担当者」は、概して目の前の勝利に喜び、一戦必勝主義、勝利至上主義、結果至上主義は加速。その一方で、代表チームの強化のサイクルは弱体化。協会新監督の就任を、3月の親善試合に間に合わせようとして、一体誰のために慌てているのか。

⑤アウェー戦が少ない理由
 強化を図るためにはお金が必要というのは確かな事実だが、強化よりそちらの方が勝っているのではないかと思われる。最も分かりやすい例が代表戦。ホーム戦とアウェー戦の理想的な配分は50対50なのに、現実は70対30から80対20。目に余るホーム戦過多でとても強化に繋がっているとは思えない。学ぶことが多いアウェー戦をなぜ軽んじるのか。
 一方、ホーム戦の魅力は「お金」。スタジアムはほぼ満員で、協会には入場料収入とテレビの放映権料や様々な広告収入が入り、興業的な魅力に溢れる「サッカー産業の源」となっていないのか。

 日本のサッカー界は、長年にわたり強化よりも興業を重視。今まではホーム対アウェーで、50対50の理想にほど遠い比率でも何とかレベルアップをキープでき、興業と強化はクルマの両輪のような関係であったが、この形は限界が見えてきていることも確か。レベルは横ばい、あるいは右肩下がりの状況を迎えている。
 五輪代表など世代別チームの現状では更に厳しい状態。何とかしないとと思っても、実際口にしようとする人は少なく、手をこまねいているのが現実。今すぐに方向転換を図るべきだが、協会には古くて悪しき体質が染みついており、経験の無さから対処策が出せない状態。日本サッカー界は、いま大きな転換期を迎えているが、今の日本経済のようになる危険性は高いと締めくくっています。
web Sportiva該当記事:http://sportiva.shueisha.co.jp/clm/jfootball/2015/02/18/post_855/index.php

 杉山さんというコラミストのコラムでしたが、何となくぼんやり耳にしていた日本協会の批評を一気に端的に吸収した印象です。とかくこういう組織は閉塞的になりがちで、サッカー界は一番風通しがいいと思い込んでいましたが、こうして読んでみると「何だ、バスケ界よりちょっといいだけではないのか」という気持ちになりました。正直、日本協会だけに留まらず、その下の「今の」Jリーグ、そしてその傘下のJクラブの中にも・・・
 ②はいわゆる情報開示ですね。当ブログでも情報公開度が低いところは根本的に信用していません。なぜ隠すか、知られてはいけない部分があるからでしょう。一般的な話として、部下が「オープンにした方がいいのでは」と言っても、統括責任者が「隠しておけ」と指示するパターンは、組織の構造的欠陥ではないでしょうか。
 ③はブラジルW杯からアギーレ監督解任までの原専務理事などの協会幹部の名前がよく出ていましたね。Jリーグは早稲田閥と言われていましたが、日本協会は三菱閥なのですね。初めて知りました。バスケ界が他人事ではなく、今のJリーグも含めて、必要であればタスクフォースを取り入れてはいかがでしょうか。
 そして④の商業主義。公共財と個人的私物は相反するものです。本来ならば公共財であるはずのものが、チェック機能が無い私物化になってしまっては、あっという間に廃れていくでしょう。物を言う存在を拒絶する体質は致命的です。
 ⑤のアウェー戦の少なさは大昔から指摘されていた事です。国内ホーム戦で稼ぐのか、強化目的でアウェー戦を続けるのかですが、そこに商業主義が介入しては強くなれません。どこかのネット情報で見かけましたが、以前の代表戦で本田選手の出場から写真撮影の立ち位置までスポンサーが口をはさんだという情報を目にした事がありますが、本当なのでしょうか。 

コメント
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