J OKAYAMA ~岡山スポーツの桃源郷へ

岡山トップスポーツファミリー(ファジアーノ等)、スポーツ文化情報リスペクトブログ(共同運営)。

カリスマの存在90 【J特】

2011-07-10 00:00:02 | カリスマの存在

 書こう書こうと思っていた記事がやっと書けました。先日、U-17代表に黄色いチームから2人出場している事を紹介しました。実はJ1柏は、屈指の育成クラブなのです。ガンバや広島など名前が挙がりますが、たぶん3本か5本の指に入ると思います。そのうち書こう、書こうと思っていた記事です。たぶん、Jのいくつかのフロントさんもご覧になっているそうですが、今回はいい参考になると思いますよ。
 J1柏の育成事例はいくつかの媒体で目にしましたが、今回は「Jリーグサッカーキング 5月号」から引用したいと思います。以下、抜粋して紹介。
    
 「アカデミーとトップチームの幸せな関係」というタイトルです。いったい何が「幸せ」なのか・・・
 柏の育成部門は'69年に、前身の日立製作所本社サッカー部が、日本サッカー協会の公認として初のサッカースクールを東京都江戸川区の江戸川スポーツセンター競技場で開催したのが発端。当初は年に5~7回の開催でしたが、80年代になると年間20回以上開催し、年間参加者は4千人を越えたとか。

 '86年に日立台(現:日立柏サッカー場)の竣工に伴い、クラブの本拠地が千葉県柏市へ移転。'88年に発足した「日立サッカースクール柏」が、育成を主眼に置いた、現在のアカデミーの前身となったそうです。
 Jリーグ参入前にスタジアムのメインスタンドとバックスタンドを入れ替えた改修工事とナイター設備工事以外は、20数年前と今を比較して大きな変化はありません。たぶん、Jリーグ全体を見渡しても、ここのように、日本リーグ時代から現在まで、使用する環境が全く変わっていないクラブは、ほとんど無いと思われる。過去から受け継がれるDNAについて、「土着」「クラブ愛」が挙げられる。柏には「土着文化」が根付いている。そういう内面的なものとは別に、環境が変わらない事も良き伝統として存在している。

 日立台は、スタジアムとトップの練習グラウンドが隣接し、その隣には人口芝のグラウンドではアカデミーの選手達が練習している環境になっている。この恵まれた環境が、日立時代から、有望な育成世代の選手をトップチームへ練習参加させる事を可能にしてきた事実がある。時には逆にトップ選手達が中高生に混ざってプレーし、指導する事も日常茶飯事だったようです。 「大人とのプレーから様々な駆け引きを学んだ」と酒井のコメント。
 '92年にJリーグ準会員になり、「柏レイソル」に改称し、'93年から日立サッカースクール柏も「柏レイソルユース」と改称。現行のアカデミーと同等の活動内容へ移行。

 アカデミーは選手の輩出以外にも育成世代で、力を発揮。'95年の全日本少年サッカー大会でU-12が優勝。これを機に門戸を叩く選手が出始めたそうです。「トップとアカデミーの間に垣根を作らない」という方針のもと、トップチームに昇格した選手が、シーズンオフにはユースやジュニアユースの練習に参加するようになり、プロの力量を後輩達に肌で伝えています。
 「プロ選手の実力を体感して衝撃を受けた」と工藤のコメント、「自分の目指すものが近くにある(ことがわかった)」と茨田のコメント。彼らの世代がオフには自主トレを兼ねてU-18やU-15の練習に参加。

 プロになったOBが後輩を激励がてらに練習参加するケースは他にもありますが、その練習に対する姿勢が違うとしています。U-18の練習では、対戦相手のFC東京の仮想ストライカーを務めたり、トップ選手と中学生とで9対9のゲームを行ったり、「子ども達とボール遊びをする」レベルではないと。
 アカデミーの指導者もトップ選手参加に応じた練習メニューを組み、トップ選手が見せる遊びとは違う本気度の高いプレーから、アカデミーの選手達が学び取る事の大きさは計り知れないでしょう。こういったサイクルがレイソルのDNAを受け継ぎ、好循環を発展させていっています。

 そして、各カテゴリの指導者のそれぞれの戦術を採用してきたが、「トップとアカデミーとの距離が近い」事に加えて、吉田強化部長(元選手)の時代から、パスによるポゼッションサッカーを打ち出していきました。トップチームはそれまでショートカウンターのリアクションサッカーが多く、アカデミーとスタイルが異なっていましたが、'09年のネルシーニョ監督の就任以降はポゼッションサッカーで上から下まで統一されたそうです。

 '00年からトップが低迷するのと対照的にアカデミーは成長していきます。吉田部長の指導のもと、ジュニアユースは'04年にナイキプレミアカップジャパンで優勝。'08年のU-18は海外の大会で好成績を収め、仙石選手(!)がMVPを獲得しています。
 アカデミー指導者には、アカデミー出身者に加えて、トップチームで中軸として活躍した選手も多く、クラブに対して強い愛着を持つ人が多いようです。吉田部長は「日本では苦しくなると、『うちは育成に力を入れている』と言う人がいるが、それは逃げているようで違和感がある」とコメント。本当に立派なクラブは自然と選手が育ってくる環境が当然のように成り立ち、育成も強化も同じように実績を挙げているとか。

 という内容でした。これを読むと「幸せな関係」がよくわかりました。たぶん、同じクラブでもカテゴリ間で差別化のような垣根を設けているところもあるかもしれません。でもこちらのクラブは、価値観のいい循環が成立している事がよくわかりました。確かに一つの場所に練習施設が集結しているという条件があるのかもしれませんが、それはトップと下部の練習場所が離れていてもできる事です。
 ちなみに上の右の写真にはレン選手が写っています。去年の黄色い下部組織の大会か何かの写真ですが、こういう記事を書いて、こういう写真を見ると、レン選手もこの流れに乗っていった方が幸せなのではないかという気持ちが湧いてきました。余談でしたが・・・

 こちらのクラブにはもう一つ、「アライアンスリーグ」という素晴らしい事例があります。以前に紹介しておりますが、通常はユースチームは、地元の他のチームから目の敵にされ、こてんぱんに狙い撃ちされるケースがあるようですが、ここ柏では、「うちの選手を向こうに入団させるのが目標」という、これまた「幸せな関係」が成立しています。こういう関係は短い期間で出来上がるものではありませんし、価値観に疑問符が付く人が携わっていれば、クラブ運営と同様に地域から後ろ指を指されるという事も起こりうるのでしょうか。ぜひ、また続編を書きたいですね。
J1柏公式HPアカデミーページ:http://www.reysol.co.jp/academy/index.php
J1柏アカデミースタッフブログ:http://blog.reysol.co.jp/youth/
J1柏アライアンスリーグ関連:http://blog.goo.ne.jp/kataru-kai/d/20110214

 某黄色いチームは、後半ロスタイムで劇的な澤(チャントは仮面舞踏会)のゴールで首位堅守。途中までマリノスと川崎にリードされ、0-0のドローで2位落ちを覚悟していました。酒井の質の高いセンタリングも利いたようです。「地球滅亡」いや「ACL出場まであと10勝か勝ち点30」で、今日も首位です。
 そして! なでしこジャパン、やりました。ドイツ撃破で4強です。まさにジャイアントキリングです。また、改めて特集したいと思います。今度の準決勝は地上波でやって欲しいなぁ・・・

 今日は仕事日でしたが、午後から半休をもらい、カンスタに行きました。その模様は明日。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする