かしょうの絵と雑記

ときどき描いている水彩スケッチや素人仲間の「絵の会」で描いている油絵などを中心に雑記を載せます。

生協と中国餃子中毒事件ー私と周辺の論議

2008年05月12日 | スケッチ、油絵、写真
 あちこちで餃子事件と生協にかかわる論議をしているようなことを書いたため「それを教えろ」と何人かに言われたので、その一部を紹介します。
 まず、私の認識。80年代に飛躍的な発展をみせ、社会的に注目される存在になった日本の生協は90年代に相ついで「信頼の危機」と「経営の危機」に見舞われた。21世紀の生協は厳しい経済状況のなかでそれを克服して、念願の生協法改正も実現した。そんななかで今回の事態が発生した。前2回の危機に劣らない危機である。その特徴は組合員・消費者に直結する商品、生協のシンボルのコープ商品で起きた命にかかわる中毒事件であったこと、前2回の危機のような「いくつかの困った生協」の問題でなく、前回は対策本部をになった日生協で起きたこと、問題が日中間の政治問題になるような性格を持ったこと等である。一方で、ことの原因は直接的には生協にないことが明らかになっていったが、生協とコープ商品への信頼が高かったことの反動として「もう生協は信頼できない」との不信が広がった。21世紀初頭の困難な時期を乗り越え、新たな発展が見えたかと思われる時期の危機というのが歴史的に見た認識である。
 今回の事件では生協利用者で警察が取り上げた被害者は5人だったようだが、一歩間違えばもっとひどい、命を落とす被害者がいてもおかしくなかった、「もしかしたら私の家族が」という思いを組合員・消費者に与えた。問題は、その予兆とすべきことが生協では起きていた、しかし、それに気付くことはなかったーーということ。
 そこで、ここ3か月ほど、わたしの周辺の生協のOBと現役の役職員はあれこれ議論を繰り返し、私もそれに参加した。私の貴重だと思った意見。
*「これは悪いやつのおこした刑事事件、生協は被害者」といった認識についてーー海外取引をふくめ長い間大変な規模の商品事業をやっている生協が、今回の事件を「想定外の出来事」「生協も被害者」などと認識しているのが問題。
*コープ商品は消費者からみればその製造・販売者は生協(表示には中国の加工工場などの名前はなく、日本生協連のみ。)今回の事件で「コープ商品はすべて委託生産、その委託工場には管理監督する人も派遣されていない」ということが明らかになり、これまでの生協への「誤解」が解け「信頼」が崩れた。誤解させ続けた責任は重い。
*冷凍食品などのコープ商品は各事業連合の開発商品の日生協との連帯強化・統合でここ数年間で急速にふえた。日生協はそれに対応する人的能力がなかったし、管理システムも遅れた。組合員に誤解を与えたままのコープ商品政策と同様に、その安易な運営が問題だ。この際単協、連合、日生協の連帯機能のあり方も含め見直したらいい。
*商品の安全確保のためには人的態勢やシステムの強化も必要だが、消費者に直結する現場の感性、判断力が大切だ。日々の消費者の苦情処理にあたっている現場がもっとしっかりして「予兆」を捉えるべきだ。--現場は「予兆」を感じていたが、報告をうけた本部幹部の感性と判断力が問題だったのでは?

 この他、一杯飲んでの議論もあり、単協から日生協の責任問題や今後の連帯のありかたなどいろいろであるが、もうやめて「絵」のブログの準備をします。
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