がらくたどうBlog

模型趣味とその他諸々

Finemold 1/72 T.I.E Interceptor【1】

2007年05月07日 | 模型

 ども!国家機密をネタにした割に、まだアブダクトされてないらしい@河童です。

 先日の予告通り、今回も自動車とは異なるジャンル。実は、UFO作ってる最中に、
塗装を乾かしたり、パテが乾くまでの間とかに、次作を少し進めてみようと思いまして、
とある車のキットに手を出してみたんですが、いきなりパーツが全く合わず頭に来たのでw、
またも車じゃない物を選んでしまいました。次こそ車に戻りますと高らかに宣言しつつ脱線第二弾。

 さて、キットはファインモールド社製のSTAR WARSシリーズから、

帝国軍主力戦闘機TIEインターセプター
を選択。ファインモールドって知ってます?自動車ジャンルでは馴染みがないと思いますが、
AFV・艦船・飛行機では、日本が誇る立派なプラモデルメーカーです。
規模はタミヤとかフジミみたいな大手に比べると遙かに小さいんですが、製品はカナリ良い物を出してくれてるんですよね。
このメーカーのHPにコラムがあるんですが、
1:ファインモールドの主張
2:ファインモールドの主張2
此処に書いてる事って、私自身非常に頷ける内容に思えます。ただ書いてるだけではなくて、
実際に此処が出す製品は、元ネタに対する敬意というか敬愛が窺える気がするのですよ。
私が買う製品は、紅の豚シリーズとSTARWARSシリーズばかりですが、どちらも製品開発の際には、
設定用資料や撮影用プロップを吟味しているらしく、金型射出成型・大量生産・ライセンシーとの兼ね合いから
全くそのままというわけではないけど、ユーザーとして納得しうるレベルの製品を確実に出してくれています。
この姿勢こそが、先の主張に於ける
「私たちファインモールドの製品開発では、出来うる限り実物やその関連の原資料を探します。旧軍の戦車や飛行機では保存物や当時の実物設計図やマニュアルなどを、映像上のメカでも撮影用模型や設定資料などをです。私たちはそうした資料や実物に接した時、生み出されるにあたって関係者が注いだ情熱を強く感じずにはいられないのです。」
という事なんでしょう。紅の豚ではジブリ&宮崎駿氏に、STARWARSシリーズではルーカスFILM&ジョージルーカスに、
お墨付きでライセンシーを発給されるようになったのは有名な話(テレビでもやってたですね)。
特に、版権に非常に厳しいSTARWARSに関しては、欧米の大手メーカーがプラモデルが発売権利を大枚叩いて獲得しているのに対して、
ファインモールドは、企業の規模はSTARWARSのライセンシーが発給して貰える訳がない程(失礼)小さいけど、
製品出来の良さと開発陣の真摯な姿に対してライセンシーが発給されてるんだそうです。
ファルコン号なんて、ファインモールドのキット化の為に、設定がなかった後部エンジンノズルのディテールが、
ルーカス側で急遽設定されたのも有名な話。どっかの自動車模型メーカーには爪の垢でも煎じて飲ませたやりたくなる話ですw
参考PDF:大好きなプラモデル作りにかけた情熱と覚語

 さて、早速組み立てです。
 本キットの場合も、多くの飛行機模型がそうであるように、先ずコクピットの組み立てから。
パーツの合いも非常に良く、モールドも繊細で手を加える要素は有りませんでした。
っつーか、基本的にヤラレメカなので、ディテールアップしようにも資料がない(笑。
映画では僅かですがコクピット映像が出てくるんですけど、それ見ても、X-WINGやミレニアムファルコンに比べて、
実に露出が少ないので判別不能。

 出来は凄く良いんじゃないでしょうか。床面や背面のモールドも非常に繊細で整ってますし、
パイロットのフィギュアの出来も非常に細かくモールドが施されています。パーツの合いも見事な物でして、
オマケにゲートはアンダーゲート処理(!)が施されてるので、組み付け精度が出しやすいのなんの。
 塗装は、インストではニュートラルグレー一色でしたが、RLMグレーバイオレットと
ジャーマングレーとを使い分けてみました。機体中央部の裏側にも、コクピットの基本色を先塗りしなければならないので、
同時に塗っておきます。
 左右壁面は、艶消し黒に塗ってから8分割されたデカールを貼り込む指定が為されてますが、
艶消し面にデカールを貼るのは厳しいので、グロスブラックで塗ってからデカールを貼り
上から半艶クリアーを吹いてコートしてます。
 フィギュアの塗装も、小さいサイズながら先述の通りモールドがシッカリしてますので、
ヘルメット部分にグロスブラック吹いた上で、キットの指定通り塗り分けてみました。
 で、出来上がるとあまり見えないのは御約束(笑)。

 コクピットが出来上がったら、前後二分割された機体本体パーツでコクピットを挟む形で接着。
接着の前に、コクピット前方の外装パネルのみ、クレオスのジャーマングレーで塗装しておきました。で、接着と。

 本キットでは、外装に発生する消すべき継ぎ目が生じるのは、この本体前後の合わせ目のみです。
しかしながらアンダーゲートの御陰も有って、パーツの合いはピッタシなので、最小限のパテのみで継ぎ目を処理できました。

資料に関しては、最近発売されたSTARWARS SCULPTING GALAXYと数年前に京都の博物館で開催されたSW展の資料集が中心ですが、
それ見てても、遜色ない出来に脱帽です。型抜きの関係上、幾つかディテールが省略されてたり、
一部モールドにテーパーが付いたりしてはいますが、金型技術の高さを窺わせる超繊細なモールドと、
各部パーツの正確なフィッティングは素晴らしいの一言。ディテールに関しても、1/72という小スケールから考えれば、
必要な情報は総て盛り込まれてると言っても過言ではないと思います。
 で、全くの素組でも全然問題ないんですが、ここは一つ”御約束”を幾つか盛り込んでみることにしました。
 先ずは、左右のウィングの先端に装着される銃口が塞がってましたので、
0.4mm洋白線と内径0.5mmの真鍮管を組み合わせてバレルを作り交換しました。
  
簡単ですが、4本のバレルサイズをキチンと揃えておかないと、逆効果になりますんで、
イイカゲンでテケトーな性格の私には面倒だったりw

 また、コクピット下部の二発の銃口も、プロップでは二重構造になっていたので、
キットのパーツの開口部を1mmのピンバイスで浚い、外径0.9mmの真鍮パイプを埋め込みました。

キットのパーツ、こんな小さい部分もプロップ同様に、外枠一銃口当たり4本のスリットが入ってます!。

 あと、これは重箱の隅レベルの話ですが、

①球体部に繋がるモールドに重なるくさび形のプレートが削除されてる
②コックピット寄りの部分にある垂直方向の立体的なモールド入りのプレートが削除されてる
③リベットのディテールが削除されてる
④細かいモールドが省かれ単なるプレートにアームがくっついてる状態にされてる
⑤五箇所有る小さなプレートが総て削除されてる
機体球体部各所のプレート総じて:球体の型抜きの都合上テーパーが付いてる

といった点が、マニアな人なら手を入れちゃうところかも知れません。
私は、プレートやモールドを削り取って作り直すのが面倒だし、スキルの問題から考えて
寧ろ修正することで逆に小汚くなるかもと思って、②③⑤だけ簡単に修正しただけで後はスルーしてます。


 左右のウィング類は、ネット上の先人の情報を参考にすると、仮組しなくても総てのソーラーパネルが
ウィングの枠内に正確に収まるとの事だったので、変形防止用の多数のランナーを取り払っただけで、
ソーラーパネルに至っては仮組もせずランナーを持ち手にするという楽ちんな方法で済ますことにし、
早速塗装行程に入ることにしました。

 で、早くも塗装工程です。先ずは、マスキング。コクピットが先に完成して組み込まれているので、
サークルカッターでマスキングテープを切り出してマスクします。
 また、天井のパーツは透明パーツで構成されてるのですが、一部をマスキングして塗るよう指示されてます。
キットにはマスキングシートが付属してるのですが、粘着力が弱すぎてマスキング材としてはクソほどにも役に立たないので、
これをガイドにしてマトモなマスキングテープから切り出してやります。
 
 本体の接着継ぎ目の確認と、各種ディテールアップ部の状態を確認すべく、
当該箇所にのみピンポイントでクレオス1200サフを吹き付けます。一部継ぎ目が消しきれてない部分が有ったので、
そこらを再度修正し、再度修正部のみサフ確認。

 サフ確認が出来たら、フラットブラックで、各部の凹部に沿う形で影を入れていきます。


 更にそのまま本体色塗装に突入。
 インストでは、クレオスの#74エスティオリティーブルーが指示されてますが、ちょっと青みが強すぎるので、
この色に同じくクレオスの#338ライトグレーFS36495を30%程混ぜて明度を上げると同時に彩度を落とした色を使用しました。

先の影を薄ーーく残す様な感じで1パネル枚に塗っていきました。1/48サイズなら更に
ベースと同系の明色と暗色を使用して陰影を付けますが、流石にこのサイズだと諄くなるので、
吹き重ねを調整して陰影を整えました。余談ですが、TIEファイターは、SWの中では、先述の通り
無限増殖型ヤラレメカというポジションなので、汚し塗装はプロップでも殆ど施されていません(笑

と、ここで今夜は時間切れ。
っつーか、コクピットだけ先に作ってたとは言え、一晩で此処までスンナリ進んでしまう程、
兎に角出来が良すぎるキットです。単に簡単なだけではなく、作ってて楽しいのは何故だ?
資料と付き合わせてみても、アソコガ違う此処が違うと噴飯することがない為遠回りの必要がないと、
作業の進みもテンポ良く行きますね。こういうコンセプトの車キットって最近では中々無いですよね。
簡単とか精密とか、どれか一つの為に別な一要素が割を食って×になるってのなら沢山有るけど、
簡単だけど工程は基本通りパーツのブラッシュアップと接着と塗装。しかしながら作ることで
今まで知らなかった実物のディテールを知ることが出来るキットってのは、特に車分野だと少なくなりました。
こないだのUFOの組み立て簡単とは、明らかに逆ベクトルの簡単キットです。次のUP時は完成編になりますな、こりゃ。

コメント (10)
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