碓井広義ブログ

<メディア文化評論家の時評的日録> 
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目黒蓮主演「トリリオンゲーム」の見どころは躍動感

2023年07月26日 | 「日刊ゲンダイ」連載中の番組時評

 

 

目黒蓮主演「トリリオンゲーム」TBS系

見どころは躍動感だ

 

猛暑に対抗できる、ぶっ飛んだ勢いのドラマがあってもいい。「トリリオンゲーム」(TBS系)はそんな1本だ。

ハル(目黒蓮)とガク(佐野勇斗)は中学の同級生。新卒採用試験で再会し、一緒に起業することになる。だが資金も人脈も事業計画もない。あるのはハルの飛び抜けた話術とガクの優れたIT技術だけだ。

にもかかわらず、ハルは「1兆ドル(トリリオンダラー)を稼ぐ!」と宣言。徒手空拳の戦いを開始する。

目黒といえば、昨年秋の「silent」(フジテレビ系)で演じた聴覚障害の青年が鮮烈だった。

今回は全く逆のキャラクターだ。饒舌でハッタリが得意。計算高いくせに悪いことにはノーブレーキ。ただし発想力と実行力は特筆ものだ。

ガクをハッカー大会に出場させて大物投資家(吉川晃司)とつながる。

生真面目な大学生・凛々(福本莉子)を採用して社長に抜擢。

さらにAI(もどきの)機能付きオンラインショップを開き、フラワーアレンジメントで成功する。

このドラマの見どころは、対照的な個性とスキルの2人が組んだことで生まれる、物語の躍動感だ。

投資ビジネスの現実がどこまで描かれているかより、大ボラのような夢に挑む彼らがどこまで行けるのか、具体的にどうやって到達するのか、それが見たくなってくる。

原作は同名漫画で、脚本は朝ドラ「マッサン」などのベテラン、羽原大介だ。

(日刊ゲンダイ「TV見るべきものは!! 2023.07.25)

 


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