NHK経営委員会は、よほど“運ぶ人”が好きらしい。
小丸成洋委員長は「福山通運」の社長で、委員の中には「JR九州」の石原進会長がいる。
そして今度は、NHKの次期会長に「JR東海」の松本正之副会長(66)を選んだ。
“運ぶ人”だらけだ(笑)。
NHK内部には、まさに「内部昇格」の噂もあったが、結局、経営委員会の判断はこうでした。
19時のニュースで、小丸委員長が会見する模様が流された。
委員長の説明によれば、
松本氏が「NHKの改革を推進するために必要な、国鉄を改革し成功した実績を持っていること。改革を断行するために強いリーダーシップをもってJR東海という大組織を率いてきたこと」を評価。
「NHKという大きな組織を引っぱっていく力を持ち、公共放送としての使命と役割を発揮するには適切であると思った」そうだ。
・・・・言うまでもなく、JR東海は1987年の「国鉄分割民営化」によって誕生した。
小丸委員長の言葉の中にある「国鉄を改革し成功した実績」とは、この「分割民営化」を指すことになる。
まさかの「NHK民営化論」ですか?
NHK東日本とか、NHK東海とか、NHK九州なんていう「民間企業」になったりしないでしょうね(笑)。
確かにNHKは全国に及ぶ大きな組織だが、職員の数は約1万人。
数十万人の職員を抱えていた国鉄とは規模が違う。
それにNHKは当時の国鉄(日本国有鉄道)と違って「国営」ではない。
“国営放送”ではなく、“公共放送”だ。
「国鉄改革」の目的や方向性と、「NHK改革」のそれは決して同じではない。
目指すべき「改革」の意味さえ違うのだ。
そんなことは松本次期会長も分かっていらっしゃると思いますが、15日の記者会見では、こんなことも言っている。
「鉄道とNHKは公共性の面から基本的な価値観は同じだ」。
うーん、そうでしょうか(笑)。
ぜひ、「改革」の意味とともに、公共放送の「公共」の意味について、よく考えていただきたい。
ちなみに、松本氏が率いてきたJR東海という大組織が掲げる「経営理念」は以下の通り。
1. 健全な経営による世の中への貢献
2. 近代的で愛され親しまれ信頼されるサービスの提供
3. 明るくさわやかで活力のある社風の樹立
え? まんまNHKでも使える?
いや、そんな安易な(笑)・・・・