おはようございます昌栄薬品の宮原 規美雄です
薬学博士渡辺武著『漢方が救う人体危機』
現代医療の誤りを正す
第2章 漢方はどう診断するか
体の中の熱と冷えで処方は異なる
p90糖尿病・日射病など、口が渇く病状に効く「白虎湯」
病院に行きますと、医者が診断をしてくれますが、この〝診断〟という言葉の意味は、病人を診察して病名を決定することです。
漢方の世界ではこれに類する行為を「証をとる」といっていますが、証と診断ではまったく言葉の意味が違います。
証は病名を決めるのではありません。その人の体の偏向(へんこう)を見て、それを調整する薬を選ぶこと、あくまでも薬を選ぶ立場で、どれがいちばんいいかということを決めることです。
だから、証の決定ということは、その人の条件つきの薬の処方を決めることなのです。
いまの医学では、病名までは診断できますが、さて、薬剤投与ということになると、はたと困っているのが現状です。
大病院ではコンピューターが導入されて、キーボードを押せば薬剤が決められるシステムになっていますが、その人に最適な薬を決めるファクター、プログラムは細分化されていません。
しかも薬のほうは、新薬は病名薬で分類されているのですから、なんでもかんでも病名薬ということにされてしまうのです。
これではいかなる名医の診断でも、いちばん肝心な投薬というネジが抜けているのも同然です。
その点、漢方は体の歪(ひず)みを調整、中和する医学で、その歪みの分類によって薬が決められるシステムになっているのです。
病人といっても百人百様です。肥(こ)えている人、痩(や)せている人、汗をかく人、貧血症の人、多血症の人、冷えている人、熱のある人、便秘症か下痢症か、脈は浮いているか、沈んでいるかなど、その病態によって薬も違ってきます。
体の温熱ということを考えてみますと、人間は平均体温を持っています。
体温以上に上がると発熱、下がれば冷えている、この二つに分類されるわけです。
漢方の古い医書に「寒なる者はこれを熱し、熱なる者はこれを寒する」(『素問・そもん』)という名言がありますが、熱が出たら氷枕で冷やし、冷えていたら腰湯を使って温める、これは常識です。
それを逆にする人はいません。
出血しているのにお湯に入ったりすれば、ますます出血するのは当然です。
この寒熱の場合、熱のある人には冷たい薬で、冷えている人には温める薬で中和するという、二つの基本的条件で分類されているのです。
寒剤を代表する薬に「白虎湯・びゃっことう」という薬があります。
白虎は石膏(せっこう)のことで、化学名でいうなら硫酸カルシウムです。漢方薬では辛寒、辛くて皮膚や粘膜の薬であり炎症があるとき冷やして熱をとります。
のどが渇(かわ)く、皮膚がひりひり痛む、皮膚や鼻や口から蒸気を発散するとき、熱がこもるといった状態を中和するための薬です。糖尿病や日射病など口が渇く症状に効くのです。
白虎というのは中国流にいえば、東西南北の西の守り神のことです。
西は西陽(にしび)が当たり、熱のこもる暑い方向なので、口が渇く、のどが渇くといった、熱や暑さの症状から白虎が守るという意味があるのです。
漢時代は家を建てるとき、都をつくるとき、城をつくるときに東西南北を守りましたが、この思想が漢方にも入っているのです。
「白虎湯」というのは、日射病のような高熱の病に効く薬として、明治までは漢方の常識でした。
明治になって東京市にはじめて水道ができたとき、新聞は「東京市民は天然の白虎湯を飲む」と書いたそうです。
その意味は、はじめて水道の水を飲んで、のどの渇きを癒(いや)した感激で、水道を〝天然の白虎湯〟といったわけです。
白虎湯は漢方の世界では常識的な薬で、それほど効きめをもっているのです。
白虎加人参湯は白虎湯に人参を加えた処方です。
人参一味が加わることで熱を取り去る作用が強まります。
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