自燈明

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三十七番 文屋朝康

2014年04月18日 | 百人一首
白露に 風の吹きしく 秋の野は つらぬきとめぬ 玉散りける

葉の上に光る白露に風が吹き付ける秋の野は、紐で貫きとめていない玉が散りこぼれているようだ

白露に 草の葉の上で白く光っている露のこと
風の吹きしく 風が繰り返し吹く。「しく」は「頻く」で何度も続いて起こるという意味
秋の野は 係助詞「は」は他との違いを強調するときに用いる
つらぬきとめぬ 紐を通して結んでいない。助動詞「ぬ」は「ず」の連体形で打消しを表す
玉ぞ散りける 「玉」は真珠や宝石のことで、穴を開け、紐を通して装飾具とした。風に散らばる露を紐で結んでいないためにばらばらになる玉と見る。「けり」は詠嘆の助動詞で、係助詞「ぞ」を受けて連体形で結ぶ。係り結び

ふんやのあさやす (生没年不明)
父は文屋康秀。歌合にもその名が見え、有名歌人であったようだが、詳細は不明
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