many books 参考文献

好きな本とかについて、ちょこちょこっと書く場所です。蔵書整理の見通しないまま、特にきっかけもなく08年12月ブログ開始。

食い意地クン

2013-12-27 18:55:50 | 読んだ本
久住昌之 平成25年11月 新潮文庫版
もう何かすっかり「“孤独のグルメ”原作者」って肩書がついてまわるようになっちゃったような気がするけど、私にとってはダンドリくんの泉昌之なんだが、まあ、とにかく毎度おなじみの食べものネタのエッセイ集のようなもの。
単行本は2004年に出てたらしいけど、知らない。文庫だって、孤独のグルメに便乗しようとしてるからこそ、この機会にでたような気がする。出版事情なんてどうでもいいけど。
で、食べものに関してったって、高いお店とか有名なお店とか、もう著名人がウマイと絶賛するものとか、そういう話ではない、当然のことながら。
ふだん食ってるものの、これのこういうとこが好きとか、こういう食い方するのがいいんだとか、そういう言ってみれば小さいこだわりの集まり。例によって、それが共感呼んぢゃって、おもしろいんだけど。
各章に挙げられてるメニューを、ずらっと並べてみましょか。
焼肉、ラーメン、とんかつ、ナポリタン、納豆、おにぎり、カレーライス、あんぱん、おかゆ、(屋台の)焼きそば、サンドイッチ、冷やし中華、カップヌードル、弁当、大根、ねこまんま、うなぎ、塩辛、立ち食いそば、韓国のお刺身、天丼、豆腐、お茶漬け、さんま、そうめん、キャベツ。
ありきたりのものばっかだけど、おなじみのとおり、とんかつは端のピースからぢゃなく真ん中から食うとか、そういうのが面白い。
どっかで読んだことあるような話も多々あるんだけど、ついつい面白くて読んぢゃうのは、やっぱ独特の語り口の力も大きいと思う。なんていうか、まるで江戸弁の落語を聴いている心地よさがあるから。
食べるの速くて、ガツガツと食べちゃうっていう、その勢いがそのまま出てる気がするもん。
万人がそうだと思うかどうかは知らないけど。ま、たとえば、
>「ねこまんま」の脇には、たいてい半月形のタクワンが二枚ほど添えられており、これをどのタイミングでどう食べるかは、重大問題だ。バレーボールの試合で、どこでタイムとるかは、試合の流れを掴むためにとても重要。それと同じ。
ってのを聞いて、そうだ、それと同じだ、って感じるひとにしかわからんだろうとは思う。

そうそう、同じ著者の「食の軍師」の最新の3巻も出たんで、つい最近読んだ。
こっちは、そんなおもしろいと感じなかったなあ、なぜか。
私が慣れちゃったのかな。ちょっと芝居がかりすぎてて、フツーのひとの小さいこだわり感みたいなのが薄れてるからかな。
コメント
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