幸せ

フライを巻くためのマテリアルを買いに、ある釣具店に行った。

僕を小学生の頃から知る釣具店だ。

帰り際に店主が僕に言った「好きなことをやれるんだから幸せだ」。

釣具店といういろいろな人を見てきただろう店主がそういうのだ。
いろんな人がいたんだろう、きっともう釣り（特にフライフィッシング）なんてやっていられないような人もいるんだろう。
小規模の個人経営の釣具店というお店だから、今の時代では新たに門を叩くような人も少ないだろうし、以前からの人たちの時の重ね方というのを見てそう言うのだと思う。

僕も以前ほど釣りに熱中しなくなってからは足が遠のいていたが、それでもときどき訪れて買い物をしたり話をしたりする。
その僕が店主の目には楽しそうに映ったのかもしれない。

店主に言われて改めて思う、僕は幸せだ。

お金持ちとは言わないが、それでもなにかを楽しむことはできるだけのものは与えてもらえるし、健康的にも好きなことをするのに十分なだけのものを保っている、その他にも僕はいろいろ恵まれていると思う。
そしてなにより嫁さんを始め　家族の理解があって僕は楽しませてもらっている。

欲をいえばキリがないだろうが、今の僕はたぶん「こうなりたい」と思っていた自分に限りなく近いのかもしれない。

自分で言うのもなんだが、僕は世界一幸せなんだと思う。