昭和歌謡のことを書いたブログを読んでくれた友人から苦言が。
「あなたのセレクトはあまりにも古い」と言われた。しょうがないでしょう、すりこまれているから・・・、とかなんとか云っている内、蘇った感覚が。
「恋のしずく」「おしゃべりな真珠」「何も言わないで」「歌おしえて」等々、大好きな曲の作詞者、安井かずみの顔が、美しいその姿が生き生きと思い出されたのだ。
ファッションはもちろん、そのライフスタイルにもあこがれ、わたしの20代30代には女神のような存在でした。惜しくも50代で亡くなられてしまいました。あの頃、恋する若い女性の心の機微を、まるで代弁者のように差し出してくれた、届けてくれた唄の数々。
昭和歌謡というより、キラキラした昭和ポップスの素敵なたくさんの歌に巡り合えたしあわせな時間、宝物です。(なんと4000曲を作詞している)
そう言えば「安井かずみがいた時代」というタイトルの本がありました。生い立ちから、詩作の苦労、結婚生活のあれこれ、こだわりのファッションの話、伝説のイタリアン、六本木の「キャンティ」のメニューまで、丸ごと安井かずみの1冊です。実家の書架にあると思います。
キャンティにも何度か足を運んだ。表通りに面した小さなブティックには、ヨーロッパ直輸入の見たこともない美しいオーガンジーのブラウスや、バッグがチョコット並んでいて、ガラスにおでこを付けていつも覗いていた。覗いていただけ・・・。
六本木から飯倉、霞町、青山、思い出が沢山こぼれています。でも、それらの思い出の中の私は、いつも手の届かない物を追い、少し僻んでいる可愛げのない女の子です。
美しさと才能を抱いて、神様から選ばれたような「安井かずみ」の名前をふと口にしたとたん、東京タワーの望む飯倉の街の夜景が一舜でよみがえった。
あの頃の唄におぼれたい。