小学生の頃、オーダーの洋服を着ていた。
「あら、お嬢様ねー」と言われそうですが全然違います。
かわいい子供服を扱うお店なんて町にない時代でしたから、
昭和人(しょうわびと)のわたし、おさがりも頂いて着てました。
オーダーというと大げさですが、近所に洋裁の上手なお姉さんがいて格安で縫ってもらっていたようです。
少し離れた商店街の生地やさんで母が買ってきた小花柄のプリントや
チェックのウールなど、時には「赤札」なんて下げ札が付いたものを、
母は、お姉さんに手渡していました。
私の好みなんて聞かれたことはありません。
きっと娘にはこんなものを着せたい、そんな思いがあったのでしょう。
一枚の布が立体になり、ブラウスが、ワンピースが仕上がってくる!
その感動、嬉しかったこと、今でも胸がときめきます。
丁寧に仕上げられたブラウスの袖などは優しく、ふっくらとしていて
「私は、大切に扱われている」という気がしました。
実はこの数日、ブックカバーの改良に取り組んでいました。
ブックカバーの縁にぐるりと押さえのステッチを入れようか悩んでいました。
結局、やめにしました。頭をよぎったのは、あるお客様の一言です。
「今村さんのブックカバー、このやらかさが手にも本にも優しくて好き」
そんな一言でした。
ありがとうございます、貴重なご意見、しっかり頂きました。