海の生き物達

私、かまぢが海で出会った生き物達を画像と共に思う事を書いていきます

キタマクラ

2006-08-17 23:50:13 | フグ・カワハギ系
和名 キタマクラ
学名 Canthigaster rivulata

本州沿岸で普通に見られるキンチャクフグの仲間。
キンチャクフグの仲間は基本的に熱帯種なので
この仲間の中で温帯種は珍しい。

目がクリクリして可愛いのだが
「キタマクラ」という名前とのギャップが激しい。
フグの仲間なので毒があり食べたら死ぬという事から
このありがたくない名前が付けられたらしいです。

実際には肉や卵巣には毒がなく
肝臓などの内蔵は弱毒、皮膚が強毒という事なので
誰かが食べたわけでなく
猫や犬に食べさせて毒があると判断したのでは?と
勝手に想像しています。
人ならまずは肉から食べますからね。
まあ小さいので皮ごと食べたとも考えられますが・・・。

ダイビング中はピロピロピロと泳いでいたり
ロープや障害物に寄り添っていたり姿が見られます。
雄は繁殖期になると蛍光ブルーの模様を出しかなりキレイです。
側面誇示の時には体を平たくし(まるでカワハギのよう)
体を大きく見せたりしています。

小さい頃は2頭身キャラという感じで非常に愛嬌があります。
目がグリーンに輝くのとおちょぼ口がポイント。
好奇心が強い個体も多くダイバーに近寄ってきて
マスクを突付いてくる物もいます。
コツコツと音がするので歯の強さが解ります。
小さいとはいえ噛まれたくはない!!と思います。


ウツボ

2006-08-14 23:32:28 | 長物系
和名 ウツボ
学名 Gymnothorax kidako

本州中部から珊瑚礁域を除く日本全域に生息する。
ウツボはその容姿からイメージが悪く悪者にされてしまう。
鋭い牙を持ち常に口をあけているので
どうしても獰猛で危険と思われるのでしょう。
実際には臆病で自らダイバーに襲い掛かる事はないでしょう。

岩礁域を好むが砂地でも障害物があれば身を寄せる姿も普通に見られるが
隠れる障害物がないような場所では見られません。
日本人には不人気だが外人さん達には人気がある。
外国のリゾート地ではウツボの類にを餌付けしている場所もある。
頭も比較的良いのか人に慣れ
人の手からの餌も食べるようになります。

食用にもなり和歌山ではウツボ鍋にしたり
皮煎餅などがお土産やで売っていたりします。
皮はかなり脂っこく一度にたくさんは食べれませんでした。
ウツボ鍋は残念ながら食べた経験はありませんが
なかなか美味しく評判だそうです。
パラオにいた時にドクウツボの天丼を現地人からもらいましたが
脂がいい感じで乗っていて非常に美味しかったです。
なのでウツボも美味しいだろうとは思っています。

一般ダイバーには恐れられがちですが
被写体として考えた時には非常に良い相手でもあるようです。
その証拠にフォトコンなどで
ウツボを扱った作品が入賞している事もあります。
ソフトコーラルなどに絡み付いていると絵的にいいらしいです。
体色も黄色に黒っぽい模様でなかなかシックです。

ウツボを恐れている方はもう一度見直してみてはどうですか?
よく見ると愛嬌のある顔してますよ。



カサゴ

2006-08-09 23:11:16 | カサゴ・オコゼ・カエルアンコウ系
和名 カサゴ
学名 Sebastiscus marmoratus

北海道から九州の温帯域まで分布する。
○○カサゴと名がつく魚は多く
北海の冷たい海から珊瑚礁の熱帯の海
タイドプールのような浅い海から深海まで
種ごとに適応しているが
それらの基準魚となっているカサゴ。
でもカサゴ科という科はなくフサカサゴ科。

体の半分はあるかと思われる大きな頭と大きな目。
泳ぎ回らずにいつも同じ場所に
どっかりと腰を据えている姿が象徴的。
根魚と言われるだけあり行動範囲は狭い。

体色が地味なのでこれまたダイバーの人気はイマイチ。
同じフサカサゴ科のイソカサゴが派手な分
ちょっと損をしているかもしれないです。
初心者や体験ダイバーに紹介しても反応はイマイチ。
でも煮つけが美味しいとか紹介してあげると
ダイバーからの評価はちょっと上がります。
カサゴ=赤い魚というイメージがあるらしく
こんな地味な色彩だとは思っていないので
新鮮には感じてくれるようですね。

味は大変美味しいので釣り人には人気の魚。
釣り人は姿形よりも味やサイズ、つり味の方が大事ですから。
カサゴの料理はから揚げや煮つけが有名。
民宿などの夕飯で一匹丸ごと味噌汁に入っていると
テレビや雑誌などで話題にしてくれます。
食卓に一人一匹出るというのは
ありがたく感じやすいと言う事ですね

カサゴをオコゼと混同する方が多いですが
このカサゴには毒はありません。
でも背鰭の棘は堅く尖っているので刺さると痛いです。
かなりズキズキします。
エラブタ付近にもトゲトゲがあり
動きが鈍いからと言って捕まえようとすると
痛い思いをするので気をつけましょう。


キュウセン

2006-08-04 21:48:57 | ベラ科
和名 キュウセン
学名 Halichoeres poecilopterus

北海道から九州まで日本の広い範囲で見られるベラの仲間。
キュウセンという名前は体側のラインが9本という意味で
三浦半島で呼ばれていた名前が和名に採用されたらしい。
名前の由来はハリセンボンと同じ経緯になるんですね。

水族館などでは夜は砂の中に潜り眠るという行動を取るので
昔から生態展示が行われていましたが
砂の中に潜ってしまっている物は見れるわけも無く
子供心につまらない展示だなあと思ってしまうのでありました。
特に当時の魚の図鑑などでは
頭だけを出している写真を掲載していたので
それと同じ光景が見れると期待していた分失望感が大きかったのかも。

その後自分で海水魚を飼育し始め
キュウセンを飼育する機会もあったのだが
飛ぶように高速で泳ぎ回り60cm水槽では狭すぎたのか
何度も飛び出し、気づいた時には水槽の裏で干からびていた!!
なんて事も数多くあったり
水槽に入れたとたんに砂に潜り
そのまま生きた姿を見る事がなかったりという事もありました。

釣りに熱中していた時も餌取りの魚のイメージが強いし
釣れても「釣り魚料理」の本にも料理法がでておらず
思いっきり外道の烙印を押し付けて
あまり良い思い出は残っていない魚だったのです。
釣り仲間の鰻屋さん曰く
「ちゃんと料理すれば美味しいぞ。小骨多いけど」
の言葉の「小骨が多い」に気が引け現在も食べた事はありません。
関西ではなかなかの高級魚らしいんですけどね。
精神も図太くなったので機会があったらチャレンジしたいと思います。

海で出会うキュウセンは好奇心が強く
ダイバーが追いかけたりしない限り逃げる事はありません。
フィンキックなどで舞い上がった砂中の餌を狙う事を知っているらしく
後ろから付いてくる方が多いでしょう。

そして他のベラ類と同じように性転換をする魚で
雄は大きく体色も緑がかったちょっと派手な姿をしています。
繁殖期にはいい色合いになり楽しませてもらっているので
今ではキュウセンも立派なお気に入りの魚です。

なお写真は雌の写真です。


マダイ

2006-08-02 23:19:00 | タイ科フエフキダイ科イトヨリダイ科
和名 マダイ
学名 Pagrus major

鯉、金魚と並ぶ日本の代表魚。
北海道から本州沿岸(九州含む)、朝鮮半島、東シナ海にまで分布するが
熱帯域にはいないらしい。

タイという名前が「めでたい」に通じる事から古来より
お祝い事に使われる事になり
特に「御頭付き」になるとめでたい度がかなり上がるらしい。

日本の標準魚とあってタイ=魚と思われているのか
魚の和名には○○ダイと付くものが非常に多い。
なので例えばキンギョハナダイを「あれもタイの仲間なんですね」とか
「シラコダイってタイよりチョウチョウウオみたいですよね」とか
言われちゃう事も珍しくありません。
実際にはタイ科の魚の方が圧倒的に少ないんですけどね~。

ダイビング中のマダイとの遭遇は珍しくはなく
大瀬崎の湾内などでは餌付けされていたり
元々好奇心が強かったりでダイバーが近寄っても逃げません。
しかし成長して大きくなると警戒心も強くなり寄りづらくなり
顔も厳格になりそれなりの雰囲気を醸し出します。

でもダイバー的にはあまり人気は無いようです。
今までのダイビング人生の中ではマダイの写真を撮ろうと
一眼レフのハウジングを構えている人を見た事がありません。
コンパクトデジカメで撮ってるファンダイバーの人は見ますよ。
「私はマダイが好きなんですよ。1本マダイでもいい!!」
なんてダイバーにお目にかかった事もありません。
もしそういう方がいたら認識不足ですいません。
小さい頃はピンク色にブルーの蛍光スポットと良い色合いなんですけどね。

釣り人から見るとマダイは大人気。
小型のマダイはその色から「サクラダイ」と呼ばれますが
本当のサクラダイはハナダイの仲間です。
諺でも「エビでタイを釣る」なんて言葉もあって
かなりタイは高価な魚だった事もわかります。

養殖が盛んになってからは価格もこなれ
決して高級魚ではなくなってしまいました。
おかげで自分ら庶民の口にも普通に入るようになりました。
養殖物は脂がどうのと言う方もいらっしゃいますが
庶民のわれわれには美味しいか美味しくないかが大事で
マダイは間違いなく美味しい魚です。

学名のmajorですがあのmajor leagueのmajorと同じ語源です。
意味は「大きい」とか「多数の」とか「よりすぐれた」という意味で
マダイの場合は「大きい」という意味が適用されているそうです。

ちなみに日本語でいうメジャー=有名は和製英語です。