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海の生き物達

私、かまぢが海で出会った生き物達を画像と共に思う事を書いていきます

アカオビハナダイ

2010-06-30 23:07:25 | ハタ科
和名 アカオビハナダイ
学名 Pseudanthias rubrizonatus

雄の求愛時や興奮時に浮き上がる体側の赤い帯から名前がつけられたハナダイ。
学名のrubrizonatusもルビーの帯という意味である。

ここ数年は伊豆の各ポイントでも常に見られるようになったけれど
以前は三保や大瀬崎くらいでしか見られなかった。
岩礁域である東伊豆や伊豆諸島からの報告はほとんどなく
三保、獅子浜、大瀬崎、鹿児島の錦江湾、パラオでもGP3といった内湾で見られるので
砂泥域を好むのかと思いきやタイでも大きな群れを作っているという。

観察できる水深は各地で違うようで浅くて10m、深いと40mくらいとか?
伊豆では水温が下がる時期でも元気に泳いでいるので
温帯に適応していると考えられ水温が高めの地域に行くほど生息水深が深いかもしれない。

伊豆では大きな群れをつくらず雄は巡回型ハーレムを形成する。
なので写真を撮る時は雌をマークしていればやる気になった雄が回ってくる。
ハナダイとしては比較的寄りやすく撮りやすい種。

大島やIOPを根城にするハナダイダイバーが西伊豆に来た時には外せないネタだったが
現在は定着して観察できるようになり微妙に株価が下がってしまった。
ちょっと悔しい・・・



ナガハナダイ

2010-04-27 20:54:10 | ハタ科
和名 ナガハナダイ
学名 Pseudanthias elongatus

サクラダイと並ぶ日本産ハナダイの基本種。
キンギョハナダイのように南方種由来の温帯種ではないようで
水温12度の海中でも元気に泳ぎまわっている。

ハナダイの中でも大型種で水中で見ると
標準的な雄でも手の平サイズに思える。
名前に「ナガ」とつくように体系はちょっと長めな感じ。

画像は平常時の雄の色彩だが他のハナダイと同じように
興奮時や求愛時の婚姻色は全く違う色になる。
体の前半分と後ろ半分にくっきりと色が分かれるので
遠くからでも一目でナガハナダイと判別できる。
婚姻色が出ている時は泳ぐ速度も上がり鰭は基本的に閉じたまま。
いつか色を出した状態で鰭全開そ姿を撮ってみたいです。
雄の変化の激しさに比べて他のハナダイ以上に
雌は説明がし難いくらい特徴がない。

大瀬崎の先端や伊豆海洋公園の比較的深場ではぐっちゃり群れているが
他の海域ではそれほど目立つ群れではないようなので
伊豆にきたら押さえて欲しいハナダイです。
レンズは単体で狙うなら60mmMicro(APS-Cサイズ)が良いでしょう。


イトヒキハナダイ

2010-03-21 00:18:56 | ハタ科

和名 イトヒキハナダイ
学名 Tosanoides filamentosus

深場の岩礁域で見られるハナダイマニアの憧れの1種。
ではあるが、キシマやマダラに比べると隠した扱いされてしまう。
深さが他のディープなハナダイより浅いのと
比較的個体数が多いのがその原因と思われる。
しかしハナダイマニアではなくともその美しさには惹かれるはず。
学名にもあるように鰭が糸状に伸長する事から「イトヒキハナダイ」と名付けられた。

ハナダイと名は付くがPseudanthiasではない。
深場のハナダイは属が違う物が多い。
キシマハナダイは同属になります。

それにしても何故ハナダイは全てハタ科で統一されているのだろうか?
もうちょっと細分化されても良いと思うのですけどねえ。

イトヒキハナダイを最初に見たのは大島の秋の浜。
その時は窒素酔いも手伝ってはっきりと覚えていない。
その後大瀬崎で幼魚が出現したりしたが
去年の伊豆海洋公園で10年ぶりくらいに成魚との再会を果たす。
でもあまりの個体数の多さに気持ち的には普通種の扱いに・・・。
と言いつつ撮影の時には心に余裕が無いのでありました。

せっかくだからオキノスジエビ抜きとかトサカ抜きとかできるよう
次に狙いに行く時は心して行きたいと思います。

それと人から聞いた話では深く行けば東伊豆全域で観察されるようであるが
西伊豆での観察例はほとんど聞いた事が無い。
基本構成が砂地か岩礁かの差が出てるようですね。



ヒメハナダイ

2009-01-27 23:26:42 | ハタ科
和名 ヒメハナダイ
学名 Tosana niwae

ハナダイの仲間であるが一般的なハナダイのPseudanthiasとは違う
Tosanaという属名になっている。
比較的大きくなる種で体型もやはり他のハナダイとは違うイメージ。
ハナダイとしては大型種なのになぜ「ヒメ」なのか?
雄は各ヒレが伸長するのでお姫様のイメージなのかもしれない。
山と渓谷社の「日本の海水魚」によると
生態や雌雄差は不明となっているくらい珍しい。

しかし沼津市獅子浜では群れ(コロニー)が通年数箇所で見られる。
獅子浜でも水底に手をつくと片まで埋もれてしまうような軟泥の付近を好み
アカアマダイの巣穴の側や起伏のあるような変化のある場所に多い。
驚くと中層を逃げる物もいるが泥の中に潜り込む個体も多い。
アカアマダイの巣穴は縦穴になっているが
その側面に小さな横穴がありそこから顔を出している姿も普通に見られている。
夜間も泥の中に潜り込んでいるようである。

小さなグループではあるが個体数は多いので
雄のディスプレイも見る事ができるし秋には幼魚も見られる。
ダイバーに確認されていないのは生息深度及び生息環境によると思われる。

ルリハタ

2008-09-18 22:57:11 | ハタ科
和名 ルリハタ
学名 Aulacocephalus temmincke

関東の海からインド・西太平洋まで分布するハタの仲間。
形は横から見るとハタだな。と一目瞭然であるが
通常のハタに比べるとかなり扁平である。
サイズも30cmどまりの小型種。

特徴は名前そのままの瑠璃色の体と
口の先端から尾鰭付け根まで通る蛍光イエローの帯。
かなり遠くからでもはっきり見える派手な奴。
派手な色彩とは違ってかなり臆病。
この仲間は体表から粘液毒を出すので
この派手な体色は危険というサインであるらしい。
確かに毒々しい色使いではありますね。

伊豆などでは水深30m前後から姿が見られる。
あまり大深度には生息していないようで
見ようと思えば見られる普通種である。

幼魚は体色が黄色で可愛らしい。
ぜひ一度姿を見てみたい。
珍しい魚ではないので探せば見れると思うのですが・・・
岩の隙間の奥とかダイバーが見難い場所にいるんでしょうね。


スジハナダイ

2006-12-29 20:12:00 | ハタ科
和名 スジハナダイ
学名 Pseudanthias fasciatus

伊豆半島付近から太平洋の熱帯域まで広く分布するハナダイ。
西伊豆の大瀬崎では水深30mくらいから見られるが
沖縄の伊江島やパラオでは60m以深に行かないと見られない。
ハナダイとしては大型で成熟した雄だと尾鰭も糸状に伸びるので
105mmクラスのマイクロレンズでの撮影にはイマイチ。

ハナダイの仲間なので雄の婚姻色はやはり派手。
季節はあまり関係ないようで
水温の低下する冬~春でも色を出している事がある。
ただ繁殖活動なのか
雌が雄化するのを抑制しているのかは解りません。

幼魚期は体側のラインが太いのが目立ち人気者。
そして婚姻色の出ていない雄は敬遠されがち。
そういう自分もスジハナダイを目当てで潜る事はほとんどなく
別の目的の生物をみるついでに撮っているという感じ。
でもちゃんとした雄の婚姻色はいずれ撮りたいと思ってます。




サクラダイ

2006-06-02 23:55:14 | ハタ科
和名 サクラダイ
学名 Sacura margaritacea

分布域は相模湾~長崎県と地域限定度が高く
日本を代表する魚と言ってもいいくらいのハナダイの仲間。

○○ダイと名前が付いてるけど
マダイ、クロダイとは近い種ではありません。
特にマダイの幼魚を「サクラダイ」と呼んだりしてるので
間違われる可能性は大。
でもこのサクラダイ。
ちゃんと学名もSacuraなんですよ。

サクラの名前は真っ赤な体に白点が散りばめられた
この姿からつけられたと簡単に想像できると思います。
春の桜シーズンには「海の中でも花見をしましょう」
なんてブリーフィングをちゃったりします。
単体ではなく群れを作っているので見応えありです。

生息深度がちょっと深いので
酒酔いならぬ窒素酔いにならないように要注意!?
とは冗談で25mくらいで観察する事ができます。
ただあまり長居ができる深さではないですね。

サクラダイは他のハナダイの仲間と同じように
生まれた時は雌で成長すると雄になる
雌性成熟の性転換魚です。
普段は群れているのですが繁殖期になると
雄が雌を確保する為にディスプレイという行動をとります。
この時にやはり普段よりも深い色になり
白い部分は光り輝いているように見えます。
複数の雄が光り輝いている姿はまさに桜吹雪なのです。

伊豆半島では普通に見れるサクラダイ。
分布が長崎までなので沖縄では見られません。
ある時西表島のガイドさんが大瀬に遊びに来ていて
ガイドさんにリクエストしていたのがサクラダイでした。
海から戻ってきた時はとても嬉しそうに
「サクラダイきれいっすね~」と感動していました。



キンギョハナダイ

2006-05-17 22:51:32 | ハタ科
和名 キンギョハナダイ
学名 Pseudanthias squamipinnis

和名のに日本の代表魚ともいえる
「キンギョ」と「タイ」が合わさっている温帯種の「ハナダイ」
一般の魚図鑑などの分布域では
日本から太平洋、インド洋、果ては紅海となっているが
少し前に発刊されたTMCの「Basslets.Hamlets snd relatives」では
それぞれの地域の物に違う学名が与えられ違う種となったようです。
前から亜種とした方がいいという話は出てたらしいんですけどね。

魚を知らない人や初心者ダイバーが
初めて「キンギョハナダイ」という名前を聞くと
「海に住むキンギョの仲間ですか?」とか
「タイの仲間なんですか?」という反応が圧倒的に多いです。
でも普通に考えたらそう思っちゃう名前です。
和名に「タイ」と付く名前の魚は本家の「タイ科」の魚より圧倒的に多いです。
海の魚=タイというイメージが強かったからでしょうが
ちょっとセンスが無さ過ぎたのでは?と思ってしまいます。
実際にはタイの仲間ではなくハタに近い魚とされています。

でこのキンギョハナダイ。
日本でのハナダイの標準種といっていいと思います。
ハナダイの仲間はキレイでマニアも多いのですが
難点なのは深い場所に生息する物が多い!!という事。
しかしキンギョハナダイは水深5m程度から群れているので
一番目にする機会の多いハナダイなのです。

研究者からは雄が雌を数匹囲うハーレムを作ったり
生まれた時は雌だけど成長し強い物が雄に性転換したりと
かなり興味深い魚でいろいろ研究もされてきました。
ハナダイマニアは雄が戦う時、威嚇する時、雌を誘う時に
鰭を全開にし普段の色とは全く違う色に輝かせる体色に惹かれてしまいます。
今回の写真は雄のノーマル時の体色です。