海の生き物達

私、かまぢが海で出会った生き物達を画像と共に思う事を書いていきます

ホンソメワケベラ

2011-09-26 22:46:16 | ベラ科
和名 ホンソメワケベラ
学名 Labroides dimidiatus

クリーナーフィッシュとして紹介される事が多いベラの仲間。
ひらひらと舞うような泳ぎが他の魚たちへのサインらしく
自分の縄張りをクリーニングエリアとして定位置でひらひらしている。

他のソメワケベラ類はほとんど熱帯域でしか見られないが
温帯から熱帯まで幅広く生息している。
この類では一番一般的に見られるためにホン-ソメワケベラと名がついたのではないだろうか?
ホンソメ-ワケベラではないので要注意。
初心者ダイバーにコンソメワケベラと聞き間違われることもたまにあり。

クリーナーフィッシュという事で他の魚に捕食される事はないとされるが
体に傷を負ったものも目にしているので
もしかしたら何かの拍子には捕食されているかも!?

慈善事業的な生態行動をするので大人しいイメージだが
同族間ではかなり過激にバトルをしあっていて
強いオスは広めのテリトリーを持ちその中に数匹の雌を囲っている。

ホンソメワケベラに擬態して悪さをするニセクロスジギンポが存在している。
それにしてもホンやらニセやら面倒くさいなあ・・・


キツネダイ

2011-06-24 21:26:37 | ベラ科
和名 キツネダイ
学名 Bodianus oxycephalus

毎度の事ながらタイとつくけどタイの仲間ではなくベラ科(タキベラ亜科)の魚。
さらにややこしいのが同じBodianus属でキツネベラがいる。
何も同じ属の中でまぎらわしい和名を付けなくてもと思うのだが・・・
もともと顔がとがってキツネみたいだから単純にキツネを付けただけと
あまりにも安易過ぎるのでは?

そこにやはり同属のタヌキベラも絡んできたら
キツネとタヌキの化かし合い?

分布の狭さではタヌキベラ→キツネダイ→キツネベラ。
観察の難易度ではキツネダイ→タヌキベラ→キツネベラ。
リクエスト度ではキツネダイ→タヌキベラ→キツネベラになるのではないかと。

キツネダイは岩礁域の深場を好み伊豆半島では伊豆海洋公園で見ているが
西伊豆の大瀬崎で見た記憶はない。
大島の秋の浜でもレギュラー種。
やはり西伊豆はベラが弱いんですね。

柏島のそばの鵜来島で潜った時には
雌2~3個体に雄1個体のぷちハーレムがあり
オスの体色がギラギラしていた。
モリシタダテハゼ狙いで潜っていた為レンズは105mmマイクロ。
30~40cmのキツネダイには厳しかった。
この魚を狙うときは標準ズームか60mmマイクロがいいでしょう。

カマスベラ

2010-12-10 21:21:34 | ベラ科
和名 カマスベラ
学名 Cheilio inermis

カマスに似た体型からそのまんま名前がついたカマスベラ。
確かにベラのイメージとはちょっと変っていて
泳ぎ方も高速で飛びまわるような感じではない。

本来は熱帯種だけれど相模湾でも毎年普通種のように浅場で見られる。
夜間などは砂に潜り込むが越冬はできないようで
成魚になる事はほとんどないと思われる。

相模湾と書いたのは伊豆海洋公園ではそこかしこで見られるのに
西伊豆の大瀬崎や獅子浜では出たらレア物だから。
伊豆の雰囲気を見ていると岩礁域を好むようだが
熱帯域ではどちらかというと砂地が広がったり
海草があるような場所に多い。

カラーバリエーションは生息場所によって多いが
基本的に体色は成魚になっても地味。
このブログではありがちだけれど被写体としてリクエストに上がる事はまずない。
伊豆で成魚にならないと言ってもそれなりのサイズになるので
100mmクラスのMicroレンズでは戦えないのも理由の1つかも。

イトベラ

2010-08-28 20:50:20 | ベラ科
和名 イトベラ
学名 Suezichthys gracilis

伊豆方面で普通に見られるベラの仲間。
あまりにも普通種過ぎて話題にも登らないし
写真の被写体となる事もほとんどない。
魚にとっては追いかけられたりする事も無いのでありがたいかも?
薄い複雑なカラーは味わい深いんですけどね~。

他の大型のベラと同じように巡回型のハーレムを作っているが
派手な雄同士のバトルを見る事はない。
自分の観察不足を露呈しますが婚姻色もこれだ!!というのを見ていないので
他のベラ達よりも目立たないのかもしれない。
個体数は少なくないんですけどねえ。

水中が暗い時には動きが鈍くなり砂地のくぼ地に張り付いていたりする。
そのくせ日没時にはハナハゼやイトヒキベラより後に眠りにつく。

寝る前は頭をやや下にして潜り込めそうな場所を探してゆっくりと泳ぎ回り
ここだと思った瞬間に頭から砂の中に潜り込む。
しかしそう深くなく手の平で表面の砂を払いのけると全身が現れてしまうくらいである。
また砂地に潜らずに岩の隙間や窪みに体を寄せる横着物もたまにあり。



タヌキベラ

2009-04-16 22:00:01 | ベラ科
和名 タヌキベラ
学名 Bodianus izuensis

ベラ科というと非常に大きいグループになるが
その中のタキベラ亜科という小グループに分けられる。
タキベラ亜科で有名なベラはイラ。
ベラとしては頭が丸い系統の種類が多い感じでしょうか?

ただ同じタキベラ亜科でもキツネベラなどは口先がとんがっている。
姿の雰囲気からキツネベラとなったと考えられるが
タヌキベラはなんとな~く似ているような気がするけど
丸っこいからタヌキにしちゃえ!!とつけられちゃった気がするのですが
実際はどうなんでしょう?

和名はそんな想像をさせてしまうのですが
学名になると与えられた小種名はizuensis!!
伊豆ダイバーとしてはとても大事にしなければならないネタと言えるでしょう。
山渓の海水魚によると分布域が伊豆、沼津、和歌山県南部、愛媛県西海、台湾
となっています。
沼津は伊豆に含まれないのか?という疑問は置いといて
(多分この沼津とは大瀬崎なはずなんですけど)
この分布域の狭さ!!
かなり良いネタだと思うのですが話題になりません。
何故なのでしょう・・・

生息域は岩礁域を好む為西伊豆よりは東伊豆で多く見られるようで
IOP(伊豆海洋公園)では水深が一桁で観察できます。
大瀬崎では水深30mの魚だと認識していたので
一桁の水深で見た時にはビックリでした。
ただ最近08~09年には大瀬崎でも10m付近でも数個体見られています。
10m台なら十分婚姻色を狙えるので繁殖シーズンに期待です。



カミナリベラ

2008-07-24 00:37:24 | ベラ科
和名 カミナリベラ
学名 Stethojulis interrupta terina

ベラ科カンムリベラ亜科に属する伊豆近辺で見られる普通種。
この仲間は基本的には南方種であるが
カミナリベラだけは温帯に適応している。
南の方に行くと似たようなベラが多く覚えにくいが
とりあえず自分のホームでは一種のみという事で非常に覚えやすい。

岩礁帯だけよりも砂地があるような場所を好み生息水深は浅め。
動きがゆっくりなら減圧の友としてはいいのだけれど
ベラの仲間では遊泳速度は早い方で
雌を追う時やディスプレイ時の速度はまさに加速装置である。
行動範囲も広くカメラを構えて待ち続けても
なかなか帰ってきてくれないイケズなベラである。
この系統のベラを思うように撮れたら神の領域にたどり着けるでしょう。

雌は御多分にもれず地味である。
繁殖期になるとお腹の大きくなった雌が集まり始め
一定の範囲内を塊で動き回る。
雄はその雌の群れに突っ込んで行き急上昇から放らん、放精を行う。

鰭を閉じて泳ぎ回るその姿はまさに「ヘラ」
鰭前回の「ベラ」になったところを押さえたいものです。

ホシササノハベラ

2007-12-10 21:33:04 | ベラ科
和名 ホシササノハベラ
学名 Pseudolabrus sieboldi

ササノハベラにはアカホシササノハベラと
ホシササノハベラの2種がいるが
以前はササノハベラとして同種とされていた。
それが1997年に別種とされ学名もそれぞれにつけられました。
これによりササノハベラP.japonicusの存在は消える事となりました。

関東周辺でがキュウセンやホンベラと共に普通に見られる魚で
ホシもアカも特に住み分けをしている感じではないが
アカの方が深めを好むという説もある。

両種の区別は見た目がそのまま名前に繁栄されているので
簡単に見分ける事ができる。
婚姻色を出している時は水中で見た感じでは
ホシが全体的にペパーミントグリーンに輝き
アカが体の半分で濃い赤と黄色に分かれる。
個人的にはホシのペパーミントグリーンの婚姻色の方が好み。

他の一般的なベラと同じで性格は大胆で
ダイバーのフィンの巻上げを期待して後ろを付いてきたり
石をはぐっていると真横から突撃を繰り返したりする。
その割りに写真を撮ろうと思うと撮りづらかったりする
いやらしい奴でもある。


キュウセン

2006-08-04 21:48:57 | ベラ科
和名 キュウセン
学名 Halichoeres poecilopterus

北海道から九州まで日本の広い範囲で見られるベラの仲間。
キュウセンという名前は体側のラインが9本という意味で
三浦半島で呼ばれていた名前が和名に採用されたらしい。
名前の由来はハリセンボンと同じ経緯になるんですね。

水族館などでは夜は砂の中に潜り眠るという行動を取るので
昔から生態展示が行われていましたが
砂の中に潜ってしまっている物は見れるわけも無く
子供心につまらない展示だなあと思ってしまうのでありました。
特に当時の魚の図鑑などでは
頭だけを出している写真を掲載していたので
それと同じ光景が見れると期待していた分失望感が大きかったのかも。

その後自分で海水魚を飼育し始め
キュウセンを飼育する機会もあったのだが
飛ぶように高速で泳ぎ回り60cm水槽では狭すぎたのか
何度も飛び出し、気づいた時には水槽の裏で干からびていた!!
なんて事も数多くあったり
水槽に入れたとたんに砂に潜り
そのまま生きた姿を見る事がなかったりという事もありました。

釣りに熱中していた時も餌取りの魚のイメージが強いし
釣れても「釣り魚料理」の本にも料理法がでておらず
思いっきり外道の烙印を押し付けて
あまり良い思い出は残っていない魚だったのです。
釣り仲間の鰻屋さん曰く
「ちゃんと料理すれば美味しいぞ。小骨多いけど」
の言葉の「小骨が多い」に気が引け現在も食べた事はありません。
関西ではなかなかの高級魚らしいんですけどね。
精神も図太くなったので機会があったらチャレンジしたいと思います。

海で出会うキュウセンは好奇心が強く
ダイバーが追いかけたりしない限り逃げる事はありません。
フィンキックなどで舞い上がった砂中の餌を狙う事を知っているらしく
後ろから付いてくる方が多いでしょう。

そして他のベラ類と同じように性転換をする魚で
雄は大きく体色も緑がかったちょっと派手な姿をしています。
繁殖期にはいい色合いになり楽しませてもらっているので
今ではキュウセンも立派なお気に入りの魚です。

なお写真は雌の写真です。


イラ

2006-05-22 00:13:50 | ベラ科
和名 イラ
学名 Choerodon azurio

温帯種で基本的には関東以南、南は台湾くらいまでの分布域。

でこっぱちな頭と比較的派手な色彩、歯は不気味に出っ歯
はっきりいって可愛くない顔で体長は40cmになる大型種。
んで結構頻繁にお目にかかるという事で
ダイバーの注目を浴びるベラの仲間。

小さい時にはおでこも出ていなくて
同じ魚とは思えない体型をしています。
でも色彩は成長するにしたがい徐々に派手になっていきます。
特に大型の個体は少々蛍光色っぽく発色しているように感じます。
なかなか味わい深い色ですよ。





ニシキベラ

2006-05-09 23:33:31 | ベラ科
和名 ニシキベラ
学名 Thalassoma cupido

毒々しい色彩なベラの仲間で温帯種。
沖縄や海外の珊瑚礁域には住んでおらず結構狭い地域でしか見られない。
台湾や朝鮮半島までは分布してるそうです。

ベラは派手な色彩な物が多いけれど
ニシキベラはその中で原色系で一際派手な種類ではないでしょうか?
こいつを食べると聞いた時は正直「本当に!?うげ~・・・」と思ったけど
その後南の島で生活をする事になり
「色彩と色は関係ないんだ」と気付きました。
ただ小骨が多いらしいので食べたいとは思わないんですけどね。

動きが早くちゃんと写真を撮ろうと思うとかなり苦労します。
伊豆辺りでは普通にたくさんいるので「無理して撮らなくてもいいか」
って思っちゃうせいもあるかも?
一度本気で撮ろうと思いじっと動かずに狙っていたら
好奇心がかなり強いせいか「敵ではない」と認識したのか解らないけど
どんどん近寄ってくるようになり「これは撮りやすいかも」と期待していたら
マスクやカメラハウジングのポートまでつっつき始め
逆に近寄りすぎて撮れなくなってしまいました。
こいつと遊びたかったら10分間じっとしてて下さい。
猫のようにじゃれ付いてきますよ~。