海の生き物達

私、かまぢが海で出会った生き物達を画像と共に思う事を書いていきます

イトベラ

2010-08-28 20:50:20 | ベラ科
和名 イトベラ
学名 Suezichthys gracilis

伊豆方面で普通に見られるベラの仲間。
あまりにも普通種過ぎて話題にも登らないし
写真の被写体となる事もほとんどない。
魚にとっては追いかけられたりする事も無いのでありがたいかも?
薄い複雑なカラーは味わい深いんですけどね~。

他の大型のベラと同じように巡回型のハーレムを作っているが
派手な雄同士のバトルを見る事はない。
自分の観察不足を露呈しますが婚姻色もこれだ!!というのを見ていないので
他のベラ達よりも目立たないのかもしれない。
個体数は少なくないんですけどねえ。

水中が暗い時には動きが鈍くなり砂地のくぼ地に張り付いていたりする。
そのくせ日没時にはハナハゼやイトヒキベラより後に眠りにつく。

寝る前は頭をやや下にして潜り込めそうな場所を探してゆっくりと泳ぎ回り
ここだと思った瞬間に頭から砂の中に潜り込む。
しかしそう深くなく手の平で表面の砂を払いのけると全身が現れてしまうくらいである。
また砂地に潜らずに岩の隙間や窪みに体を寄せる横着物もたまにあり。



ハリダシエビス

2010-08-13 21:37:57 | 少数派系
和名 ハリダシエビス
学名 Aulotrachichthys prosthemius

食材として有名なキンメダイの仲間はほとんどの種が深海性の魚であり
ダイバーがその姿を水中で見る事は奇跡である。
その仲間であるハリダシエビスは温帯域で唯一ダイバーが観察できる種となる。

近年パラオやフィリピンではヒカリキンメダイ数種が観察されるようになっているが
洞窟内で生息している為ナイトダイビングを行う必要がある。

水深30mより深い岩礁域やゴロタの連なるような場所を好み
日中は岩の隙間に隠れている。
その為個体数は少なくない割りに観察例は少ない。

とにかく地味でお世辞にも美しいとは言えないが
金属的なメタリックボディーでメカニカルなデザイン。
言われてみると深海魚っぽい雰囲気がプンプンする。
マニア向けな魚なのは間違いなし。

通常は岩の隙間に潜む為リクエストされても確実には当てるのは難しい。
しかし夜になると岩の隙間から出てきて中層に漂っている。
この時しばらくは無防備の撮り放題。
ハリダシエビスを狙いたい方はナイトをお勧めします。

日没後すぐに姿を現すが動きは日中の方が素早いので夜行性とは考えられ難い。
夜間の捕食者であるアナゴ類は中層を泳いで餌を探すのではなく
水底を這うようにして摂餌しているので
もしかしたらそれらの捕食者から逃げる為に夜間は中層に浮き上がるのかもしれない。

ハリダシエビスに限った話ではなく
テンジクダイ系の数種やマツカサウオも同じような活動をしているような気がする。
強烈なライトを当てられて目が眩んでいるという説もあるが
それなら日中にライトを当てた時も目が眩んで動きが止まると思われるが
日中はあっという間に岩陰の奥に消えて行くのであります。

タナバタウオ

2010-08-02 21:42:43 | 少数派系
和名 タナバタウオ
学名 Plesiops coeruleolineatus

伊豆周辺で見られるタナバタウオにはナカハラとザ・タナバタの2種がいて
生息環境もほぼ一緒。
浅瀬のゴロタの間や岩の下などでうろちょろしている。
年によって差はあるけれどザ・タナバタウオの方が個体数は多い気がする。

タナバタウオは腹鰭が特徴的で岩の隙間でも腹鰭の先を支点にして
仁王立ちしている。
ストロボの光が回り込まないような場所を好むので
写真はなかなか撮り難い。

初夏の水温が上がる頃に産卵期を迎えるようで
その時は堂々と表で雌にアピールしたり
雄同士の戦いが見られたりする。
異性や敵に気が集中してるのでこのシーンに当たればシャッターチャンス。
鰭を全開にしえらぶたを開き派手な体色になっている状態を狙えます。

岩の下にいる時はただの黒い妙な魚のイメージしか無いが
背鰭や臀鰭に入る青のラインは美しい。