海の生き物達

私、かまぢが海で出会った生き物達を画像と共に思う事を書いていきます

タカノハダイ

2008-11-20 00:41:11 | 少数派系
和名 タカノハダイ
学名 Goniistius zonatus

不味い魚=タカノハダイと認知されるくらい各図鑑に書かれまくっている
本州以南で普通に見られる超普通種。
普通種ゆえに不味い、不味いと言われてしまうのかもしれない。
自分も東伊豆の居酒屋さんで「試してみて」と出された物を食べましたが
その不味さはどれくらいかと言うととにかく肉の臭さが独特でした。
この時の料理は泥臭さをなるべく消す為に味噌煮にして
更に香り付けの香草などを使っていました。

でもあの珍味と言われるホヤを「美味しい!!」と絶賛する方もいるので
もしかするとタカノハダイを「美味しい」と言ってくれる人も
それなりにいるのではないでしょうか?
実際一緒にその料理を食べた人は「美味しいと思うけど」と言ってました。

この魚の臭いは食性が「ドロクイ」と地方名が付くように
砂や泥の中の物を食べているせいかとも思われますが
食卓に上る魚の中には似たような食性の物もいるはずで
やはり元々生まれ持った臭さなのかもしれません。
もしかしたら他の魚からも捕食対象とされない為の防衛策だったりして。

初心者ダイバーからはこの縞模様と適度な大きさ、逃げ回らない度胸の良さで
「あの魚はなんですか?」と聞かれる事が多い。
もちろん名前と共に「不味いんだって」と付け加えられるのは間違いし。
結局は不味い魚という肩書きからは逃げられない・・・

成魚は超普通種だがその数に対して幼魚の姿は非常に珍しい。
幼魚期はまだこの独特な三角形の体型ではなく
普通の魚っぽい感じで色も銀色が強くなる。
姿があればガイドネタとして通用するくらいの珍しさである。

なおタカノハダイを通っぽく「タカッパ」と呼ぶダイバーも多い。

イッテンアカタチ

2008-11-08 00:48:58 | 少数派系
和名 イッテンアカタチ
学名 Acanthocepola limbata

泥地に巣穴を作って住むのアカタチ科の一種。
形がなんとなく太刀魚に(タチウオ)に似ていて
体色が赤いのでひねりも何もなくそのまんまの名前がついた。
更にイッテンアカタチは背鰭に黒い斑があるので頭に一点がつく。
ザ・アカタチにも同じよう場場所に黒斑があるのだが
水揚げされ死んでしまうと無くなってしまうらしい。
死んだ標本を元に論文記載がされているのでこのような事になるのです。

ちなみに外国では生時の体色を元に名前をつける事が多い。
ただし外国名は標準和名と違い学者が勝手に呼んでしまうだけで
かな~りいい加減です。

10年以上前は「アカタチの仲間が見れる」という事で
一気にダイビングスポットとして三保が有名になりました。
今まではあのような泥地を潜る事はなかったので
ダイバーによる記録が少なかったのでしょう。
三保で観察されるようになってからはあちこちでその姿が確認されるようになり
今ではセブやインドネシアといった熱帯のリゾート地でも
常ネタになってるようです。
でも未だに三保ほど同時に数種のアカタチ類が見られるポイントはないようです。

ザ・アカタチよりイッテンアカタチの方がダイビングエリアでは多いようで
大瀬崎の湾内や獅子浜で出るのはこちら。
自分が他で見てないだけって話もあるんですけどね。

泥地の穴の中に潜んでいるので夜行性っぽく思われますが
立派な昼行性のようでナイトダイビングで目に付いた事はありません。
タチウオが夜行性なのでタチウオと付くこの種も
夜行性って勝手に思い込んじゃってるんでしょう。

臆病だけどサイズはでかく(長く)泥地の透明度が悪いところにいるので
距離を取ると砂や泥でハレーションを起こしたりくっきり映らない。
逆に人馴れしすぎると巣穴から泳ぎだし中層を泳ぎ回るし
微妙に撮影は難儀なやつです。
今回の画像の個体は比較的人馴れしてるのですが全身を撮るのは今後の宿題です。