海の生き物達

私、かまぢが海で出会った生き物達を画像と共に思う事を書いていきます

ウナギギンポ

2011-04-29 20:45:33 | ギンポ系ネズッポ系
和名 ウナギギンポ
学名 Xiphasia setifer

普通のギンポでも比較的体長が長いのに
さらに長いギンポなのでウナギギンポ。
名前から最初にイメージしてしまうのは
赤塚不二雄のキャラであるウナギイヌ。
ウナギしか合ってないんですけどね。

パッと見はギンポっぽくないが
顔だけアップで見るとミナミギンポに似ている。

生息域は広く東京湾以南から太平洋の熱帯域まで分布している。
少し泥っぽい砂底を好む為にダイビングでは観察する機会が少ない。

独特なそのスタイルから長い事見たかった魚だが
2009年4月初旬に大瀬崎で初めて遭遇。
大興奮で追い掛け回したのだがレンズがAPS-Cの105MICROだったので
部分的にしか撮れなかった。
この時は別個体もいたが弱りきってフクロノリの中で動けない状態だった。
その後は獅子浜で数回、柏島でも出会うことができた。
しかし三保ではそこそこ普通に見られレアというほどではないとか。

相手を威嚇?なのかフラッシングなのか
追い詰められた時など頭部の背鰭を広げる事がある。
この時の姿は西部劇に出てくるインディアンのように見える。
きっと雄同士の戦いの時など鰭立てまくりなんでしょう。
そんな姿を見てみたいもんです。


ニジギンポ

2009-09-17 23:55:06 | ギンポ系ネズッポ系
和名 ニジギンポ
学名 Petroscirtes breviceps

伊豆半島周辺で見られる超普通種。
既に紹介したフタホシニジギンポに似るが
フタホシが無い事で区別は簡単。
生息水深もニジギンポの方が浅いらしい。

クネクネと泳ぐ姿も珍しくないが
どちらかと言うと水中にあるロープ、海藻などに体を寄せ
直立姿勢でフワフワしている事が多い気がする。
雄雌のペアでフワフワ仲良さそうにしていると
軽い嫉妬心を覚えるのは悲しい性なり。

フジツボの殻や岩の穴、自分の体が入りそうな所に潜り込み
外敵から身を守ったり産卵をしたりする。
穴から顔を出している姿はオトボケ顔で愛らしい。

動きは可愛らしいがやはり地味なので被写体人気としては薄い方。
動画の方が独特な動きが伝えられるのであっているかもしれない。

フタホシニジギンポ

2008-08-11 21:50:31 | ギンポ系ネズッポ系
和名 フタホシニジギンポ
学名 Petroscirtes springeri

フタホシニジギンポはニジギンポによく似ているが
名前の通り鰓蓋と尾鰭の付け根に黒い点があるので区別は簡単。
しかしこの画像のように黒点がハッキリしない時もある。
生息地域はザ・ニジギンポが下北半島から熱帯域と広いのに対し
フタホシの方は東北方面、熱帯域にはいないらしい。
姿形や行動がそっくりなのにこの違いは何故なんでしょう?

分類的にはイソギンポの仲間になる。
イソギンポと聞くと岩の間を動き回るイメージが強いが
遊泳性の強いこのタイプも多い。
ちなみにホンソメワケベラの擬態で有名な
ニセクロスジギンポもイソギンポ科になる。

遊泳性ではあるけれど
岩穴やパイプの中から顔を出している姿もよく見かける。
こういう時はギンポっぽさを実感するのであった。
泳ぎはスルスルと滑らかな動きをしている時もあれば
ロープなどに寄り添って上下にフワフワしている時もある。
動きは愛嬌があり見ていて飽きない。

しかしやっぱり地味な普通種である事に変わりはないですね。

ヤマドリ

2008-06-20 22:38:52 | ギンポ系ネズッポ系
和名 ヤマドリ
学名 Neosynchiropus ijimai

ネズッポ科の魚であるがダイバーにはテグリの仲間と言った方がウケが良い。
テグリ自体がネズッポ科に入るがイメージ的には
ネズッポ=ヨメゴチ、トビヌメリなど=でかくて地味
テグリ=ニシキテグリ、ミヤケテグリなど=可愛らしくてきれい
となってしまうせいでしょう。
サイズ的にはテグリ系としては大型の部類になるが
可愛らしいサイズである。

テグリ系の種は基本的に南方種であるが
ヤマドリは通年関東近辺の海でみる事ができる。
体色は生息場所で微妙に異なるが赤系が多い。
砂地に居る時はこの色で見つけやすいが
コケや海藻が生えているような場所では見事に保護色となっている。
常に餌を求めて動いているので動かずに気をつけてみていると
それなりに個体数もいて見つけるのは難しくない。

撮影などを考えると砂地に岩があるような場所の個体を見つけると
撮りやすいしバックが砂地だと映える。
また雄の側には雌が居る事も多いので季節や時間を選べば
産卵行動を観察する事も難しくないらしい。
残念ながらまだフィールドで産卵行動は観察できていません。
水槽内でなら頻繁に行うんですけどね~。

また写真的には雄同士のバトルが鰭を全開にするのでお勧め。
鰭全開の状態を見ると「ヤマドリ」という名前も納得。
背びれを広げる時はバサバサバサって感じです。
また雄同士だけでなく雌同士の戦いをする時もある。

雄も雌の気を引こうとディスプレイを一所懸命するが
全く相手にされないと癇癪を起こして
いきなり雌に襲い掛かり噛み付き振り回す行動も見られる。
結構意地悪だったりするのも意外です。

トビヌメリ

2007-08-13 23:27:16 | ギンポ系ネズッポ系
和名 トビヌメリ
学名 Repomucenus beniteguri

日本全域(亜熱帯域は除く)から朝鮮半島まで分布する
完全温帯種のネズッポの仲間。
ネズッポと言われてもピンと来ないダイバーが多いが
ニシキテグリやヤマドリの仲間というと理解してもらえる。

しかしダイバーに人気の小型のネズッポ類とは違い
比較的大型でパッと見は地味であるため人気度は低い。
しかし各鰭には薄いながらも色々な色彩が混ざり
なんともいえない独特な美しさを持つ。
美しさでは同系統のヨメゴチに譲ってしまうが
背鰭の伸長の仕方なども個人的には妙に心を惹かれたりする。

魚のサイズ自体が大きいので
105mmのマイクロレンズでの撮影には不向きで
これがまた認知度の低さに繋がっているのではないかとも思う。
最近のコンパクトデジカメならワイド端で撮れば問題ないはず。
ただこれまた砂地にいるので外部ストロボがないと
舞い上がる砂でハレーションを起こしトホホな結果になる可能性も高い。

このトビヌメリの学名が謎な部分があり
beniteguriなのであるが
深海性のネズッポ科の魚で正式和名が「ベニテグリ」という魚が存在している。
学名beniteguriと和名ベニテグリこの2種の関係は!?
これはシノニムとは言えないのでずっとこのままなのでしょうか?
しかもトビヌメリは全然「ベニ」じゃないんですよね・・・

ヒメギンポ(雄・婚姻色)

2006-05-30 23:16:47 | ギンポ系ネズッポ系
和名 ヒメギンポ
学名 Tripterygion bapturum

温帯域の浅い岩礁帯などで普通に見られるヘビギンポの仲間。
一応日本の固有種という事になっているようです。
「日本産魚類検索全種の同定 第一版」では
比較的稀種となっていますが
伊豆のダイビングスポットでは普通に見られます。
しかし他の地域ではあまり見られないという事かもしれません。
海外在住のダイビン・グガイドさんにとっては超レア間違いなしですね。

写真は逆さまになっていますが
岩の裏側や隙間といった目に付きにくい場所にいる事が多く
どうしてもこのような写真になりがちです。
通常の体色は薄く白っぽい中にオレンジ色の斑点と
この種の中では抜群にキレイです。
婚姻色を出してる時は逆に毒々しく感じてしまいます。

魚の名前で「ヒメ」が付くと小さいという意味で使われますが
ヒメギンポの「ヒメ」はヘビギンポの仲間でも大型なので
体色のイメージからきているようです。
では雄の体色なのか雌の体色なのか婚姻色なのか
命名者はどの色を見てイメージしたのでしょう?
昔であれば標本を見てと考えられるので
婚姻色って事はないと思うんですけどね。