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海の生き物達

私、かまぢが海で出会った生き物達を画像と共に思う事を書いていきます

オグロテンジクダイ

2010-09-11 20:56:12 | テンジクダイ科
和名 オグロテンジクダイ
学名 Apogon fuscus

分布域が相模湾からフィジーまでと広範囲に渡っているのに
生態写真がほとんどないテンジクダイ科の仲間。
獅子浜ではナイトで通年見られるが
ライトを当てるとすぐにゴロタの奥に隠れてしまう。
かなり光には敏感なようで光軸を外しても止まる事がない。

特に個体数が少ないという種ではないようで
ロケで行った五島列島の離島でも夜間にはそこらじゅうで見られた。
しかも全然逃げない個体ばかり。
夜遅い時間にならないと出てこない種かと言うとそんな事もなく
獅子浜では通常のナイトダイブ時間で観察でき
逆に真夜中になると姿は見なくなるような気がする。

コミナトテンジクダイなどの赤っぽい系テンジクダイと間違われやすいが
尾鰭の上葉だけが透明なので知ってしまえば一発で判別可能。




オオスジイシモチ

2009-07-03 22:08:34 | テンジクダイ科
和名 オオスジイシモチ
学名 Apogon doederleini

伊豆、関東周辺で見られるテンジクダイの仲間で普通種。
しかしキンセン、コスジ、クロホシ、ネンブツに比べるとちょっと少なめ。
その分大きいので見た目には威圧感?があるかも。

大きな群れは作らず単体でいる事が多く産卵期にはペアリングする。
普段の色彩は地味に見えるがナイトではライトを当てると
他のテンジク系と同じようにメタリックブルーに輝き美しくなる。
この系統の魚を見る時はぜひ夜に!!
昼のイメージがガラッと変わる事間違いなし。

某図鑑では「コスジイシモチに似るが」と記載されているが
名前の通りスジは太いし本数も違うので
似ていると言うほど似ていないと思う。

なお魚は未だかって「見たい」というリクエストは受けた事がありません。
フォトコンなどの被写体でも見ないですね~。
という事で伊豆基本テンジクの中では1番不人気種!?

クロイシモチ

2007-02-12 22:35:57 | テンジクダイ科
和名 クロイシモチ
学名 Apogon niger

伊豆で見られるテンジクダイの仲間であるが
普通種と言えば普通種。
かといってリクエストがあったら
応えれるかというと応えられない
ネタ的には微妙な位置づけの魚。

クロイシモチという名の通り黒っぽい体色で
物陰に隠れている為非常に地味。
たまに黄色の個体が出現し
その場合は結構人気のネタに昇格する。
どの魚でもそうだけど黄化個体は人気もの。

クロイシモチの場合黄化個体が出るのは
幼魚サイズが多く成魚では見た事がない。
生息環境は砂泥地を好むので
通常カラーであれば当然保護色になっている。
しかし黄化個体となると非常に目立つ。
目立てば外敵から狙われる率が高くなると思うので
当然生存率は低くなる。
そう考えると黄化個体の成魚を見た事ないのは当然なのか?
たまたま自分が見た事がないだけなのだろうか?

なお黒くても幼魚期には他のテンジクダイの仲間に比べ
丸みを帯びて可愛らしく見えるので
3頭身キャラのイメージで地味な人気もある。



ネンブツダイ

2006-07-06 23:48:40 | テンジクダイ科
和名 ネンブツダイ
学名 Apogon semilineatus

クロホシイシモチと並び日本の海をイメージさせる魚ですが
温帯種なので北日本ではあまり見られません。
比較的浅い水深の魚というイメージもあるが
よく似ているクロホシイシモチよりも生息水深は深い気がします。

テンジクダイ科の魚なのでネンブツダイも口内保育を行います。
普段は大きな群れを作っているのが
初夏を迎える頃からペアを作り始め
しばらくすると卵を口中で保護する雄の姿が見られるようになります。
群れの中で意中の雌を射止めようとする雄の行動は
個体の性格が出ていて見ていて飽きません。
安全停止中などに観察を始めると
ついつい20分、30分と経ってしまいます。

ネンブツダイというありがたくない名前は
釣り上げられた時などにブツブツと音を出すのが
念仏に聞こえるという事で付けられたらしいです。
釣っても食べてもらえる事もなく
海に戻してもらえるならともかく
外道としてその場に捨てられてしまう場合が多く
ネンブツダイとしては怨みの一言でも言いたいでしょう。
その境遇を考えると念仏ではなく恨み節?
でも「ウラミブシダイ」なんて名前はもっと嫌ですね~。

ダイバーからも特に人気があるわけでもなく
利用価値があるわけでもなく
ありがたくない名前をつけられてしまってますが
熱帯性のテンジクダイ達が観賞魚として人気なので
もう少しキレイだったらネンブツダイも重宝されたのでは?
と可愛くてきれいな幼魚の群れを見ていると思ってしまいます。
水槽内で飼育しやすく生態的には興味深いので
生態学者さん達からは人気物だったみたいですけどね。


クロホシイシモチ

2006-06-18 20:27:39 | テンジクダイ科
和名 クロホシイシモチ
学名 Apogon notatus

関東から沖縄、西武太平洋の珊瑚礁域まで広く分布。
伊豆半島では同科のネンブツダイと混同される事が多い。
ネンブツダイより高水温を好むせいか生息深度は浅め。
という事はダイバーの目にするのはネンブツダイよりも
こちらのクロホシイシモチの方が多いのではないでしょうか。
でも名前はネンブツダイの方が有名なのは呼びやすさのせい?

普段はゴロタ大きな根の周りで大きな群れを作っているけど
夏に向かい水温が上がり始める頃から
ペア形成をして繁殖活動に入ります。
この種では口内保育と言われる繁殖形態が有名で
雌は受精後の卵を雄の口の中に産み付けます。
そして孵化するまで雄の口の中で大事に育てられるのです。
今の時期(初夏)には口を大きく膨らませて
卵を保護する雄の姿が見られます。
特殊な繁殖形態なのでかなり前から研究者達からは注目されていた魚です。

生まれた稚魚は透明で大きな群れを作り透明度がいい時には
それを見ているだけで癒されます。
しかし捕食者からは絶好のターゲットで
その群れの周りには高確率で捕食のチャンスを伺っている
イカやヒラメ、カサゴなどの生物の姿が見られます。

かなり個体数も多く食用にならないのか?と聞かれた事があったのですが
今までは「食べれないんじゃないですかね~、
釣れても捨てちゃいますから」と答えていたのだけれど
瀬戸内海に行った際に「ノブト」という名前で
しっかり食用になってなっているのを知り、食べてみてからは
「食べれますよ、美味しくなかったですけど」と
答えが変わりました。

なおイシモチと名がついているけれど
釣り人のいう「イシモチ」とは種類が違います。
ちなみに釣り人のいう「イシモチ」という和名の魚はなく
ニベ科の魚の俗称になっています。