海の生き物達

私、かまぢが海で出会った生き物達を画像と共に思う事を書いていきます

ホウボウ

2011-07-29 20:04:13 | カサゴ・オコゼ・カエルアンコウ系
和名 ホウボウ
学名 Chelidonichthys spinosus

胸鰭が翼のように広がる一方で軟条3本は指のように変化しているのが特徴。
普段は胸鰭は閉じた状態で水底を這っているが
驚いて逃げたりする場合には胸鰭を開く。
その派手な色彩は相手を驚かせたりするためのものだと思われる。
求愛の時など使われる事はないような気がする。

西伊豆の大瀬崎では探せば見られるのでは?というレベルの魚。
どちらかというとトゲカナガシラの方が個体数は多い。
パッと見は似ているがホウボウの方が大型で
胸鰭の模様が波上に連続せず斑点となる事で見分けられる。

成魚は100m程度の水深に多いらしくダイビング中も10m台で見られる事は稀。
春くらいには小指の先程の黒いチビホウボウが見られるようになるが
そのサイズではトゲカナガシラとの見分け方はほぼ不可能。

身は白身で美味しく、さすがカサゴ目の仲間という感じ。

夜間は砂の中に潜って眠る。

ヒレナガカサゴ

2008-04-15 22:48:37 | カサゴ・オコゼ・カエルアンコウ系
和名 ヒレナガカサゴ
学名 Neosebastes entaxis

春先の砂地の海底にフクロノリなどが見られ始めると
幼魚が姿を現すフサカサゴの仲間。
名前の通り背鰭の棘条が普通のカサゴよりも長く
一目で他のカサゴ類との区別が付けられる。
成魚は深めの岩礁域に生息するとの事で
伊豆の大瀬崎では幼魚は毎年
数個体出現するが成魚が出る事は稀。

一度見つかるとあまり移動をしないので
長期間にわたり観察される。
なので成長していく姿を見ることができるが
他の魚たちと同様にある日突然姿を消してしまう。
1~2ヶ月、または3ヶ月くらい同じ場所にいるのだから
そのまま成魚まで成長してくれるといいんですけどねえ。
それとも忽然と姿を消すのは何物かに捕食されてしまうのでしょうか?

成魚になっても目はクリクリと大きめだが
幼魚のうちはさらにクリクリ目玉で胸鰭も大きくなんとも可愛い。
知り合いはディズニーのキャラクター
「スティッチ」に似てると言っていたが
自分的にはパーマン2号の方が似てると思うのですがどうでしょう?

シマヒメヤマノカミ

2007-03-06 21:23:48 | カサゴ・オコゼ・カエルアンコウ系
和名 シマヒメヤマノカミ
学名 Dendrochirus brachypterus

関東近辺から太平洋の熱帯域まで広く分布する
フサカサゴの仲間。
伊豆半島では特別珍しくもないが
常にいるかというとそうでもない種類。
鰭を広げるとキレイだが
通常は海綿やヤギの間にいたり
岩の隙間で見られる事がおおい。

似ている魚にヒメヤマノカミがいるが
胸鰭や尾鰭の黒点で判別ができる。
が、ヒメヤマノカミを認識してみた事はありません。

色彩は個体によって赤っぽかったり黒っぽかったりするが
その場に応じて体色を変え保護色となっている。
ちなみに大瀬崎で見る個体は赤系が多いような気がする。
緑色系のヤギなどに付いている場合
赤い体色と相まっていい被写体になる。

この魚を初めて見たのは
パラオのガラスマオにある港であった。
それも水深1mもない非常に浅い場所。
さらに2匹。
当時シマヒメヤマノカミを知らなかった自分は
変なミノカサゴがいる!!と大騒ぎ。
通常のダイビングポイントでは見た事無かったから
当然と言えば当然か。
他の有名なガイド仲間に聞いても解りませんでしたしね。
今となっては大したネタではなかったと言う事ですが・・・

でも水深1mは伊豆近辺では考えられないです。
その浅さに通常いるとして
鰭には強い毒がある事を考えたら
海水浴シーズンなどはとても怖い生物になってしまいますね。


ベニカエルアンコウ

2007-02-19 22:31:57 | カサゴ・オコゼ・カエルアンコウ系
和名 ベニカエルアンコウ
学名 Antennarius nummifer

平成19年2月1日に
日本魚類学会において「差別的語を含む標準和名の改名」が決定となり
旧名「ベニイザリウオ」から「ベニカエルアンコウ」へとなった。
短縮して「ベニカエル」と呼んでいたら
そんなカエルがいるのか?って思っちゃう人も多いでしょうね。
なんか良い愛称ってないのでしょうか?

このベニカエルアンコウはTHE・カエルアンコウと共に
通年を通して伊豆半島で見られる温帯種である。
他のカエルに比べ地味で汚い個体が多いので
カエルアンコウ系の中では1番人気は無い。
ある意味1番擬態上手とも言えるかもしれない。

生息環境は岩礁域の海綿類についている事が多く
コツを覚えると見つけるのもそれほど難しくない。
とガイド仲間は言うのだけれど
どうもそのコツが自分には解らない。
「ここにいるよ」と言われて行けば見つかるんですけどね~。
魚を探すのにも得て不得手があるって事です。

カエルアンコウは姿形が似ているので見分けづらいが
ベニは前述のように
とりあえず汚い。
体側(背鰭基底)に眼状斑がある。
背鰭第二棘が独立している
などで判別が可能。

普段は単独生活をしているようだけど
繁殖期になると雌の周りに雄が集まってくる。
一つの海綿の雌一匹に対して
雄が3匹付いているのを見た事がある。
とても窮屈そうだったのだが
いったい何を目標として雌の所へこれるのだろう?
フェロモンって事なのかなあ・・・


オニカサゴ

2006-09-21 21:30:04 | カサゴ・オコゼ・カエルアンコウ系
和名 オニカサゴ
学名 Scorpenopsis cirrhosa

周りにすっかり溶け込む見事な擬態をするフサカサゴ科の魚。
非常に良く似たウルマカサゴ、オオウルマカサゴという魚が
熱帯方面に生息しているが本種は南方種。
地域によっては混在しているようで見分けるのも大変そう。
見慣れてる人だと雰囲気の違いで解るようですが
きっちり調べようと思ったら背鰭の棘の長さなどを調べる必要あり。

伊豆方面では普通にその姿が見られるが
この擬態なので気付くと手元にいて八とさせられる事も度々。
ライトを当てたり写真を撮ったりすると
赤系の色がはっきりでてなかなかキレイな被写体でもある。
泳ぎまわる魚ではないので写真の練習にはもってこいの魚でもあります。

幼魚期には目の上辺りに皮弁が伸びて元某首相を思い起こさせるが
体高も低くなかなか可愛らしい。
親はたくさん見られるが幼魚はなかなか見つけにくい。

フサカサゴ系なので背鰭には毒があるらしく
刺されるとかなり痛いらしい。
まだ刺された事はないのでどれほどのものかは不明。
海水浴で人が立てるくらいの浅場にもいるので気をつけましょう。
と言っても常に下を見ているわけではないので
気をつけようもないとも言えますね。
サンダルでも履いてれば良いのでしょうが
海水浴では裸足が基本ですしね。
とりあえずオコゼほどの毒は無いと思われるので
病院に担ぎ込まれるとこまでひどくはならないのでは?

ちなみに一般には流通はしていませんが
味はなかなかの物らしいです。

カサゴ

2006-08-09 23:11:16 | カサゴ・オコゼ・カエルアンコウ系
和名 カサゴ
学名 Sebastiscus marmoratus

北海道から九州の温帯域まで分布する。
○○カサゴと名がつく魚は多く
北海の冷たい海から珊瑚礁の熱帯の海
タイドプールのような浅い海から深海まで
種ごとに適応しているが
それらの基準魚となっているカサゴ。
でもカサゴ科という科はなくフサカサゴ科。

体の半分はあるかと思われる大きな頭と大きな目。
泳ぎ回らずにいつも同じ場所に
どっかりと腰を据えている姿が象徴的。
根魚と言われるだけあり行動範囲は狭い。

体色が地味なのでこれまたダイバーの人気はイマイチ。
同じフサカサゴ科のイソカサゴが派手な分
ちょっと損をしているかもしれないです。
初心者や体験ダイバーに紹介しても反応はイマイチ。
でも煮つけが美味しいとか紹介してあげると
ダイバーからの評価はちょっと上がります。
カサゴ=赤い魚というイメージがあるらしく
こんな地味な色彩だとは思っていないので
新鮮には感じてくれるようですね。

味は大変美味しいので釣り人には人気の魚。
釣り人は姿形よりも味やサイズ、つり味の方が大事ですから。
カサゴの料理はから揚げや煮つけが有名。
民宿などの夕飯で一匹丸ごと味噌汁に入っていると
テレビや雑誌などで話題にしてくれます。
食卓に一人一匹出るというのは
ありがたく感じやすいと言う事ですね

カサゴをオコゼと混同する方が多いですが
このカサゴには毒はありません。
でも背鰭の棘は堅く尖っているので刺さると痛いです。
かなりズキズキします。
エラブタ付近にもトゲトゲがあり
動きが鈍いからと言って捕まえようとすると
痛い思いをするので気をつけましょう。


カエルアンコウ(旧イザリウオ)

2006-07-24 22:51:46 | カサゴ・オコゼ・カエルアンコウ系
和名 カエルアンコウ
学名 Antennarius striatus

関東付近の温帯域から熱帯域の砂泥域を好んで生息する
今も昔もダイバーに人気の魚。

体色のバリエーションが多く
黒ければ「黒イザリ」白ければ「白イザリ」と呼ばれる。
他のイザリウオと区別する為に「THE・イザリウオ」
なんて呼ぶダイバーもいるらしい。

ダイバーに人気の理由はその姿。
鰭は鰭というよりも手のように見え
実際物を掴んでいるような動きもする。
また移動は泳ぐよりも手のような鰭を使い水底を歩く。
全く泳げないわけではなく
エラから水をジェットのように吹きだし高速移動もするらしい。
見たという人はいるけれどまだ実際にお目にかかった事はありません。
鰭を全部広げパラシュートで降下するような感じで
岩から岩へ渡っているのは見た事があります。

小さいうちは確かに可愛らしくも思えるが
成長し大きくなってくると可愛いとは言えない気がします。
性格?も貪欲で自分の体より大きい物を捕食しようとする事もあるし
同属のハナオコゼが共食いする事を考えると
イザリウオも共食いをしている可能性があります。

泳ぐのが苦手なので捕食は待ち伏せ型。
イザリウオの仲間の特徴として背鰭が変形した
「エスカ」という疑似餌を振り回し
餌となる魚を呼び寄せるそうです。
この「エスカ」はイザリウオの種類によって
形が違うので種を判別するのに役立つらしい。
しかし振り回してくれてないと観察しづらいでしょう。

伊豆では一年を通して観察されますが
春~夏には可愛らしい幼魚の姿が多く見られます。
泳ぐ姿を見たい方は産卵行動を観察すると
力強く水面に向かい懸命に泳ぐ姿が見られるでしょう。

2月1日にイザリウオの和名がカエルアンコウに変更になりました。
本文内のイザリウオという呼び名は
改名前に書いたブログなので変更はしません。



ハオコゼ

2006-06-12 22:11:33 | カサゴ・オコゼ・カエルアンコウ系
和名 ハオコゼ
学名 Hypodytes rubripinnis

関東から南日本にかけて分布している温帯性のオコゼの仲間。
体は小さいけれど背鰭の棘には毒があり刺されると痛い。
痛いけれど他のオコゼ類に比べたら毒は弱いような気がします。
小学生の頃に釣りをしていた時に刺されたのですが
子供でも耐えられる痛みでした。
他のオコゼ類は大人でも病院送りになったりする事を考えると
体のサイズに見合った毒の強さなのでしょう。

特に珍しい魚ではないのですが
ダイビングをするポイントではそれほど目立ちません。
海藻などに隠れているせいもあるのでしょうが
かなり浅くて泥っぽい場所を好むような気がします。

また冬から夏前までが一番姿を見かけるようになり
海藻が減ってしまう夏から秋(冬)の頃には
ほとんど目に付かなくなってしまうのでありました。

体の色は決して地味ではないけれど
海藻の中にいると見事に同化してしまいます。
うっかり別の生物を探して海藻に手を伸ばすと
いきなり飛び出てきてビックリさせられる事も。
ただハオコゼもバカではないと思われ
手で掴まれたり押しつぶされる前に逃げるので
刺される事はほとんどないと思われます。
ダイバーがハオコゼに刺されたというのは
あまり聞いた事がありません。
別のオコゼに刺されたというのは聞きますけどね。

毒を持つ生物に刺されるというのは
自分が小学生の頃に経験したように
釣り人や磯採集などで捕まえて
知らずに掴んで刺される事が多いのではないでしょうか?
毒がなくても背鰭に棘を持つ魚に刺されると痛いですからね~。
エラ蓋で怪我をする事もあるので
魚を掴む時は手袋(軍手)などをするのが無難でしょう。


ミノカサゴ

2006-05-11 23:39:21 | カサゴ・オコゼ・カエルアンコウ系
和名 ミノカサゴ
学名 Pterois lunulata

日本の海から熱帯の海にまで広く分布するフサカサゴ科の魚。
鰭を広げた姿は優雅で古くから水族館や熱帯魚マニアに人気。
その優雅な姿と裏腹に強い毒を鰭に持つ魚としても有名。
鰭を広げた姿のイメージから
英語圏では「ライオン・フィッシュ」と呼ばれてます。

毒を持っているためかいつも余裕の泳ぎをして好奇心も強い。
ダイバーの後をずっと犬のように付いてきたり
ハゼなどの写真を撮ろうと砂地に這いつくばっていると
いつのまにか懐付近にまできていてビックリする事も。
これは好奇心というよりも「寄らば大樹の陰」状態で
大きなダイバーに身を寄せて影からこっそり餌を狙ってるのかも!?

捕食シーンは待ち伏せ状態で一気に吸い込んだり
群れの中の小魚一匹を執拗に追いかけて10m以上追尾してたり
というのを何度か目撃しています。
ちなみに追尾してる時はターゲットに逃げられてる事が多いです。
表情は無いはずなのに食事にありつけなかった時は
物凄く悔しそうに見えるのが笑えます(笑っちゃいけないけど)。