最近、高科先生のお住まいの近くで、ウグイスが鳴き始めたそうです。
ウグイスの実験で、1羽ずつ鳥かごに入れて2羽を近づけると、鳴くのは片方だけなのだとか。
ウグイスには縄張りがあり、その中で鳴けるのはただ一羽だけ。鳴いているウグイスの近くには、鳴けないウグイスがたくさんいるとのです。
先生がお好きな児童文学作家・皿海達哉の本『坂をのぼれば』(PHP研究所)のあとがきには、このエピソードが書かれており
皿海さんも高科先生も、鳴かないウグイス〜ごく普通の目立たない子どもたちのこと〜を書くことを信条としているのだそうです。
実際に高科先生の著書『ふたご前線』『ツバメ日和』『ぼくらの事情』(いずれもフレーベル館)の3部作は
普通の子どもたちのお話ですが、先生は『ふたご前線』のあとがきに
「ひとは誰でも、自分の<物語>を生きています。そしてその<物語>の主人公でもあります」と書いておられます。
ということで、この日のテキスト『日本語の<書き>方』(森山卓郎 著・岩波ジュニア新書)は、前回の続きで
「第4章 段落』をまとめる」から、112〜120pまでいつものように順番に音読していきます。
4. 推敲
・推すか?敲くか?
・用語や用字の統一性
・文の調整と指示語
・単調化を防ぐ
・段落の調整
☞段落を書くということ
また、以前のテキストで使った辰濃和男の『文章のみがき方』(岩波新書)から、推敲にまつわる「書き直す」の箇所を見ていきました。
ここには、新聞社で論説委員をされていた辰濃さんご自身が、文章を書くときに気をつけていたといういくつかの項目が書かれています。
その中で、高科先生も気をつけておられることは、一度書いたものを時間を置いて読み直し、手を加えるということです。
そうすれば書かれていることを客観的に見ることができ、読者としての目線で文章の善し悪しを判断できるからです。
実例として、高科先生が物語を書くとき最初に書くメモのようなものと、手を入れて原稿用紙に書き直したものを見せてもらいました。
次は詩人の紹介です。いつものように、茨城のり子の『詩のこころを読む』(岩波ジュニア文庫)から
1975年、中学1年生の夏に投身自殺した岡真史の「みちでバッタリ」を見ていきました。
彼は幼い頃から読書が好きで、詩もたくさん書いていたそうです。
遺書がなかったため自殺の原因は分かりませんが、没後にご両親が出版された『ぼくは12歳』(ちくま文庫)を読むと
幼い心に大人びた思考を持った少年の言葉に、胸を打たれます。
最後は、前回提出した課題「コラムを書く」についての解説です。
コラムは寸評(短い評論)のことで、各新聞が掲載している「新聞の顔」(社説は「新聞の幹」)です。
この日は朝日新聞の天声人語を4篇見ていきましたが、すべて違うジャンルのことが書かれていました。
コラムニストは常にネタのストックをしていて、タイムリーにそれをコラムにまとめるのだとか。
他に、しりあがり寿の『地球防衛家もヒトビト』という4コマ漫画も2篇見ました。
ロシアのウクライナ侵攻の時事ネタを、登場人物の子どもたちを動かして
クスッと笑える中に、ピリッとした反戦メッセージにしてなっていて、感心しました。
最後に、今回の課題は「映画について書く」です。
映画にまつわる話なら、何でもOKです。どんな映画でも、いつの作品でも構いません。
その映画を見ていない人が読んでも、どんな作品か分かるように、あらすじとデータ(制作年、製作国、監督・脚本・撮影・美術・音楽・特殊技術者・出演者など)
がある方が良いかもしれません。
好きな映画や印象に残っている映画などについて、文章のスタイルも自由に書いてください。枚数制限はありません。
提出は次の授業、4月9日(土)です。よろしくお願いいたします。
文章たっぷりコースでは、さまざまなジャンルの文章を書く課題が出ます。
テーマによっては、苦手なものもあるでしょう。
ただ、これから何かを表現する人にとって大切なことは、自分にないものを取り入れるセンスを身につけることです。
先生も、ご自分では詩は書きませんが、詩人のセンスを身につけたいと思っておられるそうです。
皆さんも今までしてこなかったことに挑戦して、新しいことを取り入れるセンスを獲得しましょう。
そのように思えば、苦手なジャンルも楽しくなりそうですね。よろしくお願いいたします。
ウグイスの実験で、1羽ずつ鳥かごに入れて2羽を近づけると、鳴くのは片方だけなのだとか。
ウグイスには縄張りがあり、その中で鳴けるのはただ一羽だけ。鳴いているウグイスの近くには、鳴けないウグイスがたくさんいるとのです。
先生がお好きな児童文学作家・皿海達哉の本『坂をのぼれば』(PHP研究所)のあとがきには、このエピソードが書かれており
皿海さんも高科先生も、鳴かないウグイス〜ごく普通の目立たない子どもたちのこと〜を書くことを信条としているのだそうです。
実際に高科先生の著書『ふたご前線』『ツバメ日和』『ぼくらの事情』(いずれもフレーベル館)の3部作は
普通の子どもたちのお話ですが、先生は『ふたご前線』のあとがきに
「ひとは誰でも、自分の<物語>を生きています。そしてその<物語>の主人公でもあります」と書いておられます。
ということで、この日のテキスト『日本語の<書き>方』(森山卓郎 著・岩波ジュニア新書)は、前回の続きで
「第4章 段落』をまとめる」から、112〜120pまでいつものように順番に音読していきます。
4. 推敲
・推すか?敲くか?
・用語や用字の統一性
・文の調整と指示語
・単調化を防ぐ
・段落の調整
☞段落を書くということ
また、以前のテキストで使った辰濃和男の『文章のみがき方』(岩波新書)から、推敲にまつわる「書き直す」の箇所を見ていきました。
ここには、新聞社で論説委員をされていた辰濃さんご自身が、文章を書くときに気をつけていたといういくつかの項目が書かれています。
その中で、高科先生も気をつけておられることは、一度書いたものを時間を置いて読み直し、手を加えるということです。
そうすれば書かれていることを客観的に見ることができ、読者としての目線で文章の善し悪しを判断できるからです。
実例として、高科先生が物語を書くとき最初に書くメモのようなものと、手を入れて原稿用紙に書き直したものを見せてもらいました。
次は詩人の紹介です。いつものように、茨城のり子の『詩のこころを読む』(岩波ジュニア文庫)から
1975年、中学1年生の夏に投身自殺した岡真史の「みちでバッタリ」を見ていきました。
彼は幼い頃から読書が好きで、詩もたくさん書いていたそうです。
遺書がなかったため自殺の原因は分かりませんが、没後にご両親が出版された『ぼくは12歳』(ちくま文庫)を読むと
幼い心に大人びた思考を持った少年の言葉に、胸を打たれます。
最後は、前回提出した課題「コラムを書く」についての解説です。
コラムは寸評(短い評論)のことで、各新聞が掲載している「新聞の顔」(社説は「新聞の幹」)です。
この日は朝日新聞の天声人語を4篇見ていきましたが、すべて違うジャンルのことが書かれていました。
コラムニストは常にネタのストックをしていて、タイムリーにそれをコラムにまとめるのだとか。
他に、しりあがり寿の『地球防衛家もヒトビト』という4コマ漫画も2篇見ました。
ロシアのウクライナ侵攻の時事ネタを、登場人物の子どもたちを動かして
クスッと笑える中に、ピリッとした反戦メッセージにしてなっていて、感心しました。
最後に、今回の課題は「映画について書く」です。
映画にまつわる話なら、何でもOKです。どんな映画でも、いつの作品でも構いません。
その映画を見ていない人が読んでも、どんな作品か分かるように、あらすじとデータ(制作年、製作国、監督・脚本・撮影・美術・音楽・特殊技術者・出演者など)
がある方が良いかもしれません。
好きな映画や印象に残っている映画などについて、文章のスタイルも自由に書いてください。枚数制限はありません。
提出は次の授業、4月9日(土)です。よろしくお願いいたします。
文章たっぷりコースでは、さまざまなジャンルの文章を書く課題が出ます。
テーマによっては、苦手なものもあるでしょう。
ただ、これから何かを表現する人にとって大切なことは、自分にないものを取り入れるセンスを身につけることです。
先生も、ご自分では詩は書きませんが、詩人のセンスを身につけたいと思っておられるそうです。
皆さんも今までしてこなかったことに挑戦して、新しいことを取り入れるセンスを獲得しましょう。
そのように思えば、苦手なジャンルも楽しくなりそうですね。よろしくお願いいたします。