今日の「掴み」は、最近あった土星と木星の最接近のお話から始まり、先生の地元で愛されてきたお豆腐屋さんが無くなったり、
近所の小学校のイチョウの大木が伐採されたりしたエピソードになり、今まで当たり前にあったことやできてきたことがそうではなくなる現状を嘆いてから、
先生はそんなことをいつか文章を書く時の部品として自分の中にしまい込んでいるということで、
日常の中で “違うものを見ることに慣れる” ことが大切だということになりました。
皆でテキスト『書く力』(池上彰・竹内政明/朝日新書)を音読し、前回から続いている “ブリッジのかけ方” について詳しく見ていきます。
かっこいいブリッジをかけるには、先ほど先生が実行しているとおっしゃったように、
いつか使おうとする部品を自分の中の引き出しにため込んでいく。
ちょっと良いなと思ったこと、ちょっと腹が立ったことなど見つける目をしっかり持って、
何気なく通り過ぎるようなことでも目配りをしてメモを取ると良い。
記録しないと流れて忘れていってしまうので、自分にやりやすい方法で残す習慣をつけましょう、とのことでした。
読んでいる本に付箋を貼ったり、直接マーキングする人も居るし、スマホに音声データで残すというやり方もありますが、
自分が後で確認しやすいような方法で行いましょう。
途中でやり方を変えたらまた頭に入ってくることもありますし、記録を繰り返すことを定着させましょう。
また、間違った表現や避けたい表現で文章の品格を下げるようなことに気を付けましょう。
例えば先生が嫌いなのは、「(それ)にもかかわらず」「(その)結果」などの省略した使い方や
話し言葉で頻繁に出てくる「いかがでしたでしょうか」「生き様」「(〜がこの話の)キモだ」
お役所がよく使う「ふれあい」「やさしさ」「きずな」などのひらがな言葉、などがあるそうです。
そう言われてみれば…と思いますが、気づかずに流していることの多さに驚きました。
やはり日常の中で “違うものを見ることに慣れる” ことが大切なのですね。
この後、前回提出した皆さんの課題(「私は〇〇です」から始まる1200字のひらがなの物語)から3篇を音読してくださいました。
何を主人公にするかが決まれば、どんなことを書きたいかを決め、どんな方法で、どこからどんな風に書くかが決まっていきます。
今回の1200字で書くという “縛り” には、これくらいのことを書くためにはこのくらいの分量が必要だと知るためのトレーニングになります。
1200字を、始まり・展開・終わりの部分に分け、それぞれ何字ずつ使って書けば良いか字数配分を考えて書くことも良いでしょう。
それから、「こすずめのぼうけん/ルース・エインズワース(著)、堀内誠一(絵)、石井桃子 (訳)」(福音館書店)
という絵本を紹介してくださいました。
この話は、こすずめが途中でいろんな鳥に会うという繰り返しの文章が綴られているのですが
これは子ども達に興味を持続させ、読み進ませるために有効な方法なのだそうです。
削れるところは極力削って、エピソードを付け加えることによって
物語の奥行きをふくらませることができ、より相手に届くようになるとのことでした。
ブリッジのかけ方について学んでいくラストは「最後をちょっと緩める」というテクニックです。
物語でもエッセイでも、メインストーリーを書き終えたところで、ほんの少しだけ蛇足を入れると
それが余韻を生んで、読者の心に滲み入る効果を生むのだそうです。
そのテクニックを身につけると、読み手をつかまえやすくなります。
今回の課題は、「冬のごちそう」です。
自分にとっての「冬のごちそう」について、思うところを自由に書いてください。
題名は好きなものを付けてよく、文字数の制限もありません。
次の1月16日、6回目の授業の時に提出してください。
課題の参考として、川本三郎の『君のいない食卓』(新潮社)より、
「燗酒と自分で作る小さな酒の肴」「居酒屋の油揚げ」を見ていきました。
これらの中にもメインテーマと、それとは直接関係がないように思われる魅力的な部品が散りばめられ
最後にフッとゆるんだ数行があって、心に滲みるような構成になっています。
こんなふうにうまく書けるように頑張ってくださいね。
なお、前回から持ち越しだった句読点の打ち方については、次回へ持ち越しになりました。
前回配布した資料と、今回配布した「かっこの中の句点はなぜあるのか」(井上ひさし『日本語相談』より)
を忘れずに持って来てください。
今年の授業はこれで最後でした。
皆さん、課題も頑張りつつ、良い年をお迎えくださいね。
近所の小学校のイチョウの大木が伐採されたりしたエピソードになり、今まで当たり前にあったことやできてきたことがそうではなくなる現状を嘆いてから、
先生はそんなことをいつか文章を書く時の部品として自分の中にしまい込んでいるということで、
日常の中で “違うものを見ることに慣れる” ことが大切だということになりました。
皆でテキスト『書く力』(池上彰・竹内政明/朝日新書)を音読し、前回から続いている “ブリッジのかけ方” について詳しく見ていきます。
かっこいいブリッジをかけるには、先ほど先生が実行しているとおっしゃったように、
いつか使おうとする部品を自分の中の引き出しにため込んでいく。
ちょっと良いなと思ったこと、ちょっと腹が立ったことなど見つける目をしっかり持って、
何気なく通り過ぎるようなことでも目配りをしてメモを取ると良い。
記録しないと流れて忘れていってしまうので、自分にやりやすい方法で残す習慣をつけましょう、とのことでした。
読んでいる本に付箋を貼ったり、直接マーキングする人も居るし、スマホに音声データで残すというやり方もありますが、
自分が後で確認しやすいような方法で行いましょう。
途中でやり方を変えたらまた頭に入ってくることもありますし、記録を繰り返すことを定着させましょう。
また、間違った表現や避けたい表現で文章の品格を下げるようなことに気を付けましょう。
例えば先生が嫌いなのは、「(それ)にもかかわらず」「(その)結果」などの省略した使い方や
話し言葉で頻繁に出てくる「いかがでしたでしょうか」「生き様」「(〜がこの話の)キモだ」
お役所がよく使う「ふれあい」「やさしさ」「きずな」などのひらがな言葉、などがあるそうです。
そう言われてみれば…と思いますが、気づかずに流していることの多さに驚きました。
やはり日常の中で “違うものを見ることに慣れる” ことが大切なのですね。
この後、前回提出した皆さんの課題(「私は〇〇です」から始まる1200字のひらがなの物語)から3篇を音読してくださいました。
何を主人公にするかが決まれば、どんなことを書きたいかを決め、どんな方法で、どこからどんな風に書くかが決まっていきます。
今回の1200字で書くという “縛り” には、これくらいのことを書くためにはこのくらいの分量が必要だと知るためのトレーニングになります。
1200字を、始まり・展開・終わりの部分に分け、それぞれ何字ずつ使って書けば良いか字数配分を考えて書くことも良いでしょう。
それから、「こすずめのぼうけん/ルース・エインズワース(著)、堀内誠一(絵)、石井桃子 (訳)」(福音館書店)
という絵本を紹介してくださいました。
この話は、こすずめが途中でいろんな鳥に会うという繰り返しの文章が綴られているのですが
これは子ども達に興味を持続させ、読み進ませるために有効な方法なのだそうです。
削れるところは極力削って、エピソードを付け加えることによって
物語の奥行きをふくらませることができ、より相手に届くようになるとのことでした。
ブリッジのかけ方について学んでいくラストは「最後をちょっと緩める」というテクニックです。
物語でもエッセイでも、メインストーリーを書き終えたところで、ほんの少しだけ蛇足を入れると
それが余韻を生んで、読者の心に滲み入る効果を生むのだそうです。
そのテクニックを身につけると、読み手をつかまえやすくなります。
今回の課題は、「冬のごちそう」です。
自分にとっての「冬のごちそう」について、思うところを自由に書いてください。
題名は好きなものを付けてよく、文字数の制限もありません。
次の1月16日、6回目の授業の時に提出してください。
課題の参考として、川本三郎の『君のいない食卓』(新潮社)より、
「燗酒と自分で作る小さな酒の肴」「居酒屋の油揚げ」を見ていきました。
これらの中にもメインテーマと、それとは直接関係がないように思われる魅力的な部品が散りばめられ
最後にフッとゆるんだ数行があって、心に滲みるような構成になっています。
こんなふうにうまく書けるように頑張ってくださいね。
なお、前回から持ち越しだった句読点の打ち方については、次回へ持ち越しになりました。
前回配布した資料と、今回配布した「かっこの中の句点はなぜあるのか」(井上ひさし『日本語相談』より)
を忘れずに持って来てください。
今年の授業はこれで最後でした。
皆さん、課題も頑張りつつ、良い年をお迎えくださいね。