絵話塾だより

Gallery Vieが主宰する絵話塾の授業等についてのお知らせです。在校生・卒業生・授業に興味のある方は要チェック!

2023年3月29日(水)絵本わくわくコース・はやしますみ先生の授業

2023-03-30 15:36:59 | 絵本わくわく塾

はやしますみ先生の3回目の授業は、ダミー本の発表でした。

前回の授業で発表したダミー本を練り直したものを発表していきました。

今回も一人ずつに感想を書いて、最後に作者へお渡しします。

 

感想を書くときに注意する点

・作品の良いところを見つける。

・作者も気が付かない視点をほめてみよう。

・ネガティブなことを書くときは、できるだけ具体的に+ポジティブなことも書く。

・前回からどんな風に直ったか、他の人の感想も聞いて、自分の学びにしてください。

 

では発表していきましょう。

・単調な画面ではなく、構図にメリハリがほしい。

・タイトルに大事な答えを出してしまうと、勿体無い。ワクワクは最後まで引っぱる。

・歩く・進むときは右方向へ。ページのめくる流れに逆らわない。

 アクシデント・困難なことがある場合は、右から左で良い。

・普通ならあり得ないこと、とんでもないことを受け入れるには、押し切る何かが必要。

・作者が分かっていても、読者は分からないことがあります。読者の目線で考えてください。

他にもそれぞれにアドバイスをいただきました。

皆さんからの感想を読んで、ブレないように注意して、次回の授業では完成を目指して作ってきてくださいね。

 

後半は、先生が使用している画材の紹介をしながらデモンストレーションしてくださいました。

初めに撮影された動画を見せていただき、ラフから着色までの流れを説明していただきました。

更に、はやし先生が実際に使っている画材を持って来てくださいましたので、この後は実践です。

紙はアルシュという水彩紙と和紙の画仙紙を用意してくださりました。

アルシュはA3サイズだと700円ほどするのだそうです。

 

今回は本格的に水張りをしないで簡単に出来る方法を教えていただきました。

ベニヤ板に水張りテープで四方を固定します。

 

描きたいサイズの大きさに切り取ったマットを作って、サイズの印をしておきます。

 

はやし先生は、鉛筆などで下書きをしないで、薄い色でアタリをとる作業をされます。

 

白色は色を混ぜて全体を塗るときは半透明で、ポイントで描くときは不透明のものを使っています。

絵の具はパレット上で混ぜずに、筆に絵の具を乗せて紙の上で混ぜるのだそう。そうすると偶然の混ざり方になって、思いもよらない色が出て面白いです。試してみたいですね。

色鉛筆を使って、引っかけながら描いたりもします。

はやし先生は、まず描きたいと思うモチーフから描き始め、背景はその後に描きます。

あと水彩とアクリルを混ぜて描いたり、色も見える色より彩度を上げてデフォルメして描いているそうです。

 

実際に生徒のみなさんにも画材の質感や描き心地を体感させていただけました。

また絵の具や筆のメーカーも教えていただきました。

紙の違いで色の乗り方やにじみ方が違うので、実際に試すことが出来て良かったです。

慣れない画材を使うと味が出るので、いろんな画材を試してみてください。

 

ジャンケンで勝った方に、はやし先生が描かれた作品にサインを入れてプレゼントしました。

 

次回の授業は最後の発表です。

楽しみにしています。

 

 

●ガイダンス(説明会)のお知らせです。

秋から始まる絵話塾の生徒を募集しています。

絵話塾にご興味のある方は、ぜひご参加ください。

お待ちしています。

 

4月9日(日)18:00~

4月15日(土)14:00~

4月22日(土)17:00~

4月23日(日)18:00~

4月29日(土)14:00~

4月30日(日)14:00~ 16:00~

 

詳しくはメールkaiwajuku@galleryvie.jp
またはtel.078-332-5808までご連絡ください。

よろしくお願いいたします。


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絵話塾 春のガイダンス(説明会)のお知らせ

2023-03-30 12:53:46 | 絵話塾からのお知らせ

●ガイダンス(説明会)のお知らせです。

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2023年3月18日(土)イラストレベルアップコース・朝野ペコ先生の授業内容

2023-03-29 18:42:58 | イラストレベルアップコース

今日は朝野ペコ先生の授業です。

今回の授業のテーマは、「アイデアの出し方」です。

実際にペコ先生が携わられた本のカバーイラストについて、どうやってアイデアを考えたのか、そのプロセスのおはなしです。

まず、本のサイズは、単行本(ハードカバー)ならB6(128✕182㎜)または46判(128✕188㎜)、文庫本だとA6(出版社によって長辺のサイズは少し違います)サイズを使われることが多いです。(もちろん変形サイズもあります)
文庫本のカバーイラストだと、イラストが使われるのは、本の表紙になる部分です。出版社によって、背表紙の色や裏表紙の解説の位置などが決まっています。
単行本のカバーイラストは、表紙のみならず、裏表紙や、見返しに巻き込む部分なども含めて担当することになります。また、単行本は99%帯が付きます。
本のサイズや帯の有無によって、どの部分に重要な要素を持ってくるか、ということも大切なポイントです。

ペコ先生は、依頼があると、
①依頼があった通りに描く
②依頼から派生させたものを描く
③全く別の切り口から描く
④思いついたアイデアを複数描いて、イメージに近いものを選んでもらう…など様々なパターンで対応されています。

「アイデアを出す時は、打ち合わせで出てきたキーワードを沢山メモして、それをとっかかりにしています。また、実際に本を読んでみて、面白いなと思うポイントを描くことや、周りの人にヒントを貰うこともあります」
実際に携わられた本のカバーイラストや、その時のラフも見せて頂きましたよ。

「仕事ではたくさん提案してくれるイラストレーターはありがたい、という意見を頂くことが多いです。アイデアは、いっぱいあった方が良いし、そこからまた新たなアイデアが生まれることがあるので、出し惜しみせず、どんどんアイデアを出していきましょう」

 

朝野ペコ先生のカバーイラスト

  



授業の後半では、アイデアの練習として、単行本のカバーイラストのラフを描いてみます。
テーマは『テニスの試合』
自分のイラストのタッチに合うよう、アイデア、構図などをざっくりと出してください。

発表では、「表紙がサーブする手元、裏表紙ではサーブする全身を描き、遠近感を利用し、映画的な視点にした」「表紙にボールボーイや審判など、選手ではない方を主役にした」「ベンチにもたれかかって、タオルで顔を隠して勝敗など分からないようにし、余韻を残した」など、皆さん色々な視点で『テニスの試合』を表現されていました。

最後にペコ先生が
「皆さんの発表を聞いて、実際に読んでみたいと思える本がたくさんありました。
アイデアを出すことはAIに出来ないので、面白いことをやってやろうという精神は、イラストレーターにとって大事にしなければならない部分かなと思います」とお話しして下さいました。


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2023年3月25日(土)文章たっぷりコース第4期・9回目の授業内容/高科正信先生

2023-03-29 17:05:38 | 文章たっぷりコース

この日のテーマは、「子どもと家族」についてでした。

1950年代に始まった日本のテレビ放送は、最初はアメリカのドラマや娯楽番組を流していましたが、60年代になると独自の作品が増えてきました。
向田邦子や山田太一などの脚本家が描いたホームドラマは、その時代の日本の家族観・家庭観をよく表しています。
74年に放送された向田邦子の『寺内貫太郎一家』は、頑固親父を中心に祖母・両親・孫の3世代が食卓を囲み、毎回さまざまなゴタゴタがあっても、最後には「家族って良いよね」という感じで終わるものでした。
ところが77年の山田太一の『岸辺のアルバム』では、平凡に暮らしているように見える両親と姉弟の4人家族が、実は秘密にしている病んだ部分があって、最後には多摩川が決壊して家が流されてしまい、残されたのは家族のアルバムだけ…というショッキングな内容でした。

映画作品に目を向けると、80年代には森田芳光監督が『家族ゲーム』で家族の崩壊を描き、90年代には相米慎二監督が『お引越し』で離婚した両親の間を行き来する小学生の娘を、2000年代に入ると是枝裕和監督が『誰も知らない』で親に捨てられて子供たちだけで暮らす兄弟たちの壮絶な生活を描いて海外で評価を得ました。
現在では、家族といっても血縁関係がない(養子など)ものや、LGBTQ+の親を持つ子ども、再婚の親同士の連れ子など、家族も複雑化しており、世界的にも問題になっています。

寺内貫太郎一家 https://www.tbs.co.jp/tbs-ch/item/d0087/

岸辺のアルバム https://www.tbs.co.jp/tbs-ch/item/d0038/

家族ゲーム https://www.nikkatsu.com/movie/26029.html

お引越し https://movies.yahoo.co.jp/movie/151912/

誰も知らない http://www.kore-eda.com/daremoshiranai/index.htm

子どもの文学の世界では、タブーとされているものがあります。
不幸な終わり方をせず、最後はバラ色の未来を予感させることや、セックスの話題を出さないことなどです。
しかし現実には、両親の不仲や老い、死、暴力、子どもの迫害などが存在しています。

松谷みよ子は1964年から始まった『ちいさいモモちゃん』シリーズで、痛みを果敢に描く姿勢を見せ、評価が上がりました。
この日は『モモちゃんとアカネちゃん』の「ママのところに死神が来たこと」の章を読み、やさしい言葉で父親の不在の恐怖を描いていることを知りました。

 

ちいさいモモちゃん https://bookclub.kodansha.co.jp/product?item=0000205799

モモちゃんとアカネちゃん https://bookclub.kodansha.co.jp/product?item=0000205859

神沢利子も、『いないいないばあや』(岩波書店/1978)で家族の負の側面を描きました。

いないいないばあや https://www.iwanami.co.jp/book/b254575.html

長谷川集平の『あしたは月よう日』(文研出版/1997)は、ありふれた家族の休日を描いたものですが、実は翌日震災があって平和な日常は消え去ってしまうというお話です。(震災のシーンは出てきません)

 

あしたは月曜日 https://www.shinko-keirin.co.jp/bunken/book/9784580812123/

高度成長期には右肩上がりだった日本の社会も次第に停滞が始まり、消費は美徳と言われていた時代は終わりました。
だからこそ、子どもの文学の中でも「家族って何なの?」という話が描かれるようになってきたのです。

休憩を挟んで後半は、教科書『文章のみがき方』(辰濃和男 著/岩波新書)の「Ⅱ さあ、書こう」から、「11. 正確に書く」「12. ゆとりを持つ」のところを、交代で音読していきました。

11. 正確に書く では
言い間違いのしやすい言葉や、他の文章を引用する場合の確かさなどの留意ポイントについて書かれていましたが、国語のテスト問題に関する問題提起もありました。
「この言葉は何を表しているでしょう?」という問題がよくあります。
高科先生の文章も問題に使われることがあるそうですが、たとえ作者でも答えを一つに絞れないものが多いとか。
というのも文学や詩の作者は、敢えていろんな読み方ができるように書くことが多いだそうからです。

12. ゆとりを持つ では
文章にユーモアが入っていると、書くほうも読む方もゆとりが持てるというのです。
例文に上がっているのは小沢昭一です。小沢や永六輔が活躍した昭和の時代はそれで良かったのでしょうが、SNSが盛んになり、誰でも気軽に自分の文章を人に読んでもらえるようになった現代では、ゆとりを持つのも難しくなっています。

最後は、今回の課題です。

「子どもの頃のいちばん最初の記憶」について。じっくり考えて、どんなことを憶えているのか思い出して書いてください。自分にとって、古い古いうんと小さい頃のことを、自由な形式・長さで書きましょう。
提出は次の授業(4月15日)の時です。よろしくお願いします。

 


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2023年3月19日(日)絵本ゆっくりコース・はやしますみ先生の授業内容

2023-03-22 13:23:12 | 絵本ゆっくり塾

はやしますみ先生の3回目の授業は、ダミー本の発表でした。

前回の授業で発表したダミー本を練り直したものを発表していきました。

今回も一人ずつに感想を書いて、最後に作者へお渡しします。

 

感想を書くときに注意する点

・作品の良いところを見つける。

・作者も気づいていない良いところを、見つけられると良いですね。

・ネガティブなことは書かず、気になるところは具体的に+良いところを書いてカバーを。

・他の人の感想は、自分と違う視点に気づこう。

 

では発表していきましょう。

 

 

・テキストと絵のバランスが合うといい。

・子どもがトラウマになってしまうので、死がテーマになっていると難しい。

・子どもが想像しやすい言葉かどうかを考える。

 音読み言葉は分かりにくいです。

 例えば、頭部(とうぶ)と書くなら、頭(あたま)の方が分かりやすいです。

 「最寄駅」とかも子どもは分からないので、「近くの駅」と分かりやすく書いてあげると良いでしょう。

・お話の流れが変わる場合、文章の入らない見開きを作って、切り替えると良い。

・作者が分かっていても、読者は分からないことがあります。読者の目線で考えてください。

 

 

他にもそれぞれにアドバイスをいただきました。

 

皆さんからの感想を読んで、振り回されないように注意して、完成を目指して作ってきてくださいね。

 

 

後半は、先生が使用している画材の紹介をしながらデモンストレーションしてくださいました。

 

はやし先生が実際に使っている画材を持って来てくださいました。

紙はアルシュという水彩紙でA3サイズだと700円ほどするのだそうです。

 

今回は本格的に水張りをしないで簡単に出来る方法を教えていただきました。

ベニヤ板に水張りテープで四方を固定します。

 

描きたいサイズの大きさに切り取ったマットを作って、サイズの印をしておきます。

 

はやし先生は、鉛筆などで下書きをしないで、薄い色でアタリをとる作業をされます。

 

白色は色を混ぜて全体を塗るときは半透明で、ポイントで描くときは不透明のものを使っています。

色鉛筆を使って、引っかけながら描いたりもします。

はやし先生は、まず描きたいと思うモチーフから描き始め、背景はその後に描きます。

あと水彩とアクリルを混ぜて描いたり、色も見える色より彩度を上げてデフォルメして描いているそうです。

 

実際に生徒のみなさんにも画材の質感や描き心地を体感させていただけました。

また絵の具や筆のメーカーも教えていただきました。

紙の違いで色の乗り方やにじみ方が違うので、実際に試すことが出来て良かったです。

 

慣れない画材を使うと味が出るので、いろんな画材を試してみてください。

 

次回の授業は最後の発表です。

楽しみにしています。

 

●ガイダンス(説明会)のお知らせです。

絵話塾にご興味のある方は、ぜひご参加ください。

お待ちしています。

3月25日(土)p.m2:00~

3月26日(日)p.m2:00~ p.m6:00~

 

詳しくはメールkaiwajuku@galleryvie.jp
またはtel.078-332-5808までご連絡ください。

よろしくお願いいたします。

 


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