BSで大河「武田信玄」を放映しています。
おんな城主、の方では今川義元の死を描いてくれなかったので、「武田信玄」の方の録画を観てみました。第24回です。30年前ですね。主演は中井貴一さん。
今川義元さんは中村勘三郎さん。外見こそ貴族そのものですが、軟弱貴族ではなく、なかなか「したたかなる武将」として描かれています。
だいいち、軟弱貴族武将として描くのであれば、中村勘三郎という名俳優を起用したりしません。
桶狭間の「死に様」が素晴らしいのですが、それは後で書きます。
おんな城主直虎、義元ナレ死へのヤフコメなどみると、どうやら自分の見方がズレていたらしいと思います。
親族、家庭内の人間関係そして愛憎劇。それが「おんな城主直虎」の本質のらしいのです。それもまた「歴史」でしょう。
わたしはどうしても古い大河の感覚で観ようとしてしまいますから、ヤフコメのコメントをみて、やっとこのドラマの見方が分かりました。
さて、武田信玄。山本勘助が西田敏行さんです。重厚な演技のほうを見せています。コミカルな方ではなく。
山本勘助は最初は今川の間者、のち武田信玄の家臣ってことになっています。
こんなセリフを今川義元(中村勘三郎)は言います。なかなか「したたかな武将」の一面をみせているのです。
「わしが盃などをとらせれば、そこでと信玄言わなかったか、わしの首持ち帰れと」
「冗談じゃよ。たとえ親兄弟と言えども、5分疑い、5分は信じる。これが生き残るすべというものじゃ。人は何でもするものだ、のう、山本勘助」
また甲斐から預かっている武田信虎が失礼なことを言った時は、それまでの表情をがらりと変えて「さがれ、信虎」と威厳を持って言ったりもします。
山本勘助は、信玄の密命を受けて、「桶狭間での休息」を信長に伝えます。しかし旧主ですから今川義元にも「信長に気をつけよ」と伝えます。それを相手にしないで信長を軽くみる義元のもとから下がって、
「今川義元さま、さらばでござりまする」、このセリフは印象的で、昔見た時も心に残りました。
今川義元の死も「しっかりと」描かれます。最初は義元の視線で、稲妻の閃光の中に信長の軍勢が浮かびあがります。
カメラは俯瞰になって、
歌舞伎で鍛えた芸をもって、口から「血のり」を赤々と流しながら、変な言い方ですが「堂々と」、そして見事に今川義元は死にます。
大河の「桶狭間シーン」ではこれが一番。だと私は思います。
蛇足ですが「国盗り物語」だと、義元の最期のセリフは「し、信じられん。わ、わしが信長ずれに討たれるとは」です。
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