ジャン・アレチボルトの冒険

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松村沙友理に関する文春記事はなぜデマを生んだのか?蘇る前田敦子泥酔スキャンダルの記憶 [20Nov14]

2014-11-20 14:00:00 | 芸能
週刊文春11月27日号に大和里菜の記事が出て、収まりかけていた騒動が再燃する兆しを見せています。

話としては、19歳の女の子が、バーで楽しく遊んだり、同年代の男の子とデートしたり、大学生やOLであれば、なぜ週刊誌が取り上げるのかさっぱり分からない内容です。

しかし、そこに「アイドル」という魔法の言葉を振りかけることで、あたかも大きな「スキャンダル」であるかのような記事に変わってしまう。


確かに、未成年の飲酒疑惑が絡んでいるので、笑ってスルー出来ない部分もあるっちゃ、あります(笑)。

ただ成人直前の19歳で飲酒が問題となるのは、酔っぱらって街中で騒ぎを起こして、警察のお世話になったなど、他人様に迷惑を掛けたケースがほとんどだと思います。

店内で普通に過ごしているのに、「スキャンダル」を虎視眈々と狙う記者が張り付いて、バシャバシャ写真を撮って、あれこれ大袈裟に暴き立てるのは、さすがに行き過ぎでしょう。


しかし、19歳の女の子のプライベートを執拗に追いかけ回すことの異常性は、「人気アイドルの取材」という便利な言葉に隠れてほとんど問題にされず、匿名投稿の掲示板を中心に、「けしからん」「反省が足りない」「処分を」とネットでお祭り騒ぎが起こって、結局、記事が読まれ、文春が売れてしまうわけです(笑)。

まあ、私も文春デジタルの退会を先延ばししたので、週刊誌側の思う壷にはまっている一人なんですが(笑)。

刺激的に見せかけた記事と、それに反応して大騒ぎするネット、両者の連動は、乃木坂文春騒動の大きな特徴の一つであると思います。


乃木坂に関する週刊文春の一連の記事は、メンバーのプライベートを記者が好き勝手に切り取ったもので、あくまで週刊誌側の見解、しかもスキャンダラスに傾きがちな主張であって、それを鵜呑みにするのは、公平を欠く姿勢です。

ところが、松村沙友理の記事が典型例ですが、本人が自ら事情を説明しているのに、なぜか文春サイドの主張を全面的に受け入れて、メンバーは「嘘」を付いていると断定する声が、ネットに溢れてしまう。

それどころか、デマ情報が飛び交い、話に尾ひれが付いて、記事にすら書かれていないことが、まことしやかに囁かれて、メンバーへの批判が強まっていく。


一つの例をお見せします。

10月16日号の週刊文春デジタルには、「デジタル特典写真」として、松村沙友理と出版社勤務男性のツーショット画像が、24枚掲載されています。

その中で、20枚目の写真には、以下のような説明が付けられている。

9月22日の夜、新宿の高級カラオケから出てきた2人。
店内ではほとんど歌も歌わず、延長を繰り返した

また、23枚目は、銀座の「高級カラオケ」店から出てきたショットですが、

艶っぽい表情を見せる松村。乱れ髪の2人に店内でなにがあったのか?

と書かれている。

カラオケ店なのに、歌をうたわず、延長を繰り返し、しかも髪の毛が乱れていて、女が艶っぽい表情を見せている。

これを読むと、店内では、一線を越えた、めくるめく男女の世界が繰り広げられたのだろうと(笑)、誰しも想像したくなりますね。


そして、ネットで尾ひれが付く。

この「高級カラオケ」店には、シャワーやベッドまであって、ラブホテルと変わらない。

店から出て来た松村は風呂上がりのような感じで、髪が濡れている。

さらに、風呂やソファーが本当に付いているらしい、麻布十番に実在するカラオケルームのサイトへのリンクを、「証拠」として、貼付けるコメントまで登場します。

かくして、「男女の仲ではない」とラジオで発言した松村沙友理は、嘘つき呼ばわりされていきます。


しかし、新宿や銀座に、本当にシャワー付きカラオケなんてあるんでしょうか?

この点に疑問を持ったので、松村さんが男性と二人で行った店がどこなのか、文春デジタルの画像を頼りに、個人的に調べてみました。

で、小一時間ほどネット検索を行なって、新宿と銀座、両方の店があっさり判明しました(笑)。


二つとも同じ名前の付いた系列店で、基本的には、カラオケというより、食べログやぐるなびにも載っているレストランです。

さまざまなタイプの個室があるレストランで、パティシエがいたり、ワインセラーがあったり、イタリアンを中心に、結構、本格的な料理が楽しめるようで、女子会や合コンとしての利用が多く、結婚式の二次会などにも使えるそうです。

値段は高そうですが、個室の内装が凝っていて、なかなか面白そうなので、個人的に一度行ってみたいと思いました(笑)。

最近では、チェーンの居酒屋でも、多くの個室を用意するようになっていますが、その超豪華版と言ったところで、全室カラオケ付きなので、「高級カラオケ」と呼ばれることが、たまにあるのかもしれません。


まあ、今日の記事はグルメスポットの紹介ではないので(笑)、店名は明かしませんが、調べればすぐ分かる情報を書いておきます。

まず新宿の店は、靖国通りをドンキホーテから区役所方向へ歩いたとき出てくる、バーガーキングの近くにあって、エレベーターで上って入店する形のようです。

ビルの一階エントランス付近をGoogleマップのストリートビューで見ることが出来て、昼夜の違いや、看板の一部取り替えはあるものの、文春デジタルの写真と同じ景色が載っています。

また、「新宿 女子会 高級 個室レストラン」でGoogle検索すると、上から数番目くらいに店名が出てくると思います。


一方、銀座の店は、新橋駅に近い銀座8丁目にあって、銀座グランドホテルの近くです。

歩道からすぐのエスカレーターで、地階に下がって入店するようで、文春デジタルの写真とそっくりの場面が、ストリートビューで見られます。

ここも、新宿店と同じく、個室レストランと言った方がいいでしょう。


ただ、個室と言っても、普通のレストランなので、シャワーはありません。

もちろんベッドもなしです(笑)。

水回り施設が付いていないか、さらに調べたところ、唯一、新宿店に「スパ」という名の7人から9人用ルームがあって、足湯が置いてあるようです。

まあ、カップルが通される部屋ではないし、お茶目なさゆりんごといえども、さすがに足湯に頭を突っ込むわけないので(笑)、彼女の髪が濡れていたなんて、真っ赤な嘘ですね。


カップルで店を利用した人が「口コミ」に、歌はうたわなかったと書いていて、とくに男女二人であれば、お酒を飲みながら、食事をして、おしゃべりすることが多いだろうから、歌わないことは不思議でもなんでもないです。

また、この店は30分ごとにルームチャージを取るようで、そうなると、牛丼屋じゃないんだから、入って30分以内に出てくる人はいない筈で、2時間いれば3回延長となって、ほとんどのお客さんは、延長を繰り返すことになります。

「高級カラオケに入って歌もうたわず延長を繰り返した」という説明は、現実に起こったことをかなり歪めて伝える危険がある表現で、松村さんら二人は、30分制ルームチャージの個室レストランで、カラオケは使わず、お酒を飲みながら、食事しておしゃべりしたのだと思います。

多分、焼き鳥屋と同じように、濃ゆい二次元トークに花が咲いたんでしょう(笑)。

そして、言うまでもないことですが、個室とはいえ、店員さんが、料理やお酒をせっせと運んでくるレストランで、めくるめく男女の世界を展開させるカップルは(笑)、絶対にいないでしょう。


記事の「高級カラオケ」という言葉によって、シャワーやベッドが付いたホテルのような空間というイメージが、広がりやすくなってしまい、案の定、ネット上にデマが拡散してしまった。

文春がなぜ「レストラン」ではなく、「カラオケ」という言葉を使い、「歌も歌わず、延長を繰り返した」と書いたのか、真実を伝えることが使命であるジャーナリストとして、不適切な語彙選択と言われても仕方ないんじゃないでしょうか。

実は、松村沙友理の入った店が、風呂やベッドの付いたホテルのような「高級カラオケ」であるというデマの背景には、二年前に前田敦子が引き起こした、ある出来事が絡んでいる可能性があります。


AKB48を卒業した翌月、つまり2012年9月に、大島優子らメンバー数人、さらに親交のある芸能人を集めて、彼女の卒業記念パーティが行なわれます。

そのとき、前田さんはいささか飲み過ぎたようで、当時、注目を集めていた若手俳優の佐藤健さんが、酔った彼女をお姫様抱っこして、タクシーまで親切に送ってあげた。

ただ、運悪く、その一部始終を週刊文春が取材していて、泥酔あっちゃんの写真が大々的に週刊誌に載ることになった。

実は、このパーティが行なわれたと噂されている店が、麻布十番にあるイタリア料理店二階の、「luxury karaoke」と店自らが銘打った、まさに「高級カラオケ」ルームです。

そして、この「高級カラオケ」には、プライベートパーティを意識しているのか、シャワー付きのお風呂やベッドのようなソファーが置かれているようです。


乃木坂、メンバー、スキャンダル、高級カラオケ。

文春記事に載った、これらのフレーズが、

AKB、メンバー、スキャンダル、高級カラオケ、

と似ていたため、二年前に起こった前田敦子の泥酔騒動を思い出す人が現れ、シャワー、お風呂、ベッドという言葉がネットに流れ、店から出て来た松村さんが、風呂上がりのようだった、髪が濡れていた、というデマを生み出したんじゃないでしょうか。

しかし、さゆりんが入った店は、個室はあるものの、普通のレストランです。

そして、上に挙げた麻布十番の店は、新宿や銀座に支店があったりはしません(笑)。


文春側が、今回の路上キス記事を書くにあたって、「個室レストラン」ではなく、「高級カラオケ」という言葉を使って、もし二年前に大きな反響を呼んだAKB48センターの泥酔記事を読者に連想させようとしたのだとすれば、意図的にスキャンダラスに見せようとする、偏った表現と言わざるを得ません。

一方、ネットに出てくる「付帯情報」は、どれもこれも松村さんが嘘を付いているという方向に持ち込むようなものばかりです。

彼女たちの入った店が、「レストラン」だということは、素人である私でも、その気になれば一時間ほどでゲット出来る情報なんですが、記事が出て以来、もの凄い数の記事やコメントが発信されたのに、ほとんど取り上げられませんでした。

多分、「レストラン」であれば、二人は食事をしていただけと、本当のことが分かって、つまらないからでしょう(笑)。


メンバーを「処分」しないという運営の方針に、私が賛成しているのは、騒動の発端となっている文春記事が、スキャンダルのためのスキャンダル、バッシングのためのバッシングという、かなりバイアスされた姿勢で書かれている節があって、そこにネットの「デマ情報」が加わり、メンバーにとって理不尽極まりない「嘘」が流布しているからです。

雪だるま式に膨れ上がったデマが流れる中、「処分」が行なわれるのだとすれば、乃木坂はデマに屈して、正義を失うことになります。

それはグループの未来にとって、決して好ましいことではないと思います。


大和里菜の記事に関しても、偏った姿勢で書かれている可能性があり、信憑性の検討が慎重に行なわれる必要があるし、そもそも、具体的な状況はまだほとんど分かっていません。

六本木のバーはどういう店なのか、複数の友人と一緒だったのか、どのくらいの頻度で通っているのか、なぜ記事が出た後も店に行ったのか、第一京浜沿いでツーショットを撮られた男性とはどういう関係なのか、そして本当に飲んだのか、飲んだとすればどのくらい飲んだのか。

何が起こったのか、本当のことを見極めないままに、一時の激情に流されて「処分」を決めてしまうことだけは、絶対に避けるべきじゃないでしょうか。


真実を知るというのは、そんなに簡単なことではなく、時間が掛かるし、忍耐がいることです。

同じ一枚の写真であっても、背景にある事情によっては、持つ意味が大きく異なってきます。

乃木坂ファンであるなら、文春記事の無批判な引用でネットを埋め尽くすのではなく、もっと彼女たちの方をしっかり見て、本当のところ何が起こったのか、なぜそういう行動を取ったのか、冷静に考えてあげてはどうでしょう。

デビュー以来3年間、多くのことを犠牲にしながら、アイドルの夢を追い、ファンのことを思って、懸命に活動してきた人たちです。

他ならぬその人の言葉や行いですから、もっと信じてあげていいんじゃないでしょうか。


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# 記事中の青字部分は、テレビ番組、公式サイト、書籍、歌の歌詞などに、掲載されたものを、そのまま抜粋引用したことを表しています

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