欅坂「ガラスを割れ!」の発売日におけるオリコンデイリーは、売り上げ9.5万枚の1位でした。
デイリー初登場が、発売前日の「フラゲ日」で、それを「初日」と呼ぶことから、今回は「2日目」に相当します。
そして、初日と2日目の売り上げを併せた「デイリー2日目累計」は、73.4万枚に達しています。
ん〜、凄いです(笑)。
2日目の段階で、すでに前作「風に吹かれても」の初動64.3万枚を、9.1万枚も上回る数字が出ている。
最終的な初動は、フラゲ日の初日から集計が締め切られる日曜6日目までを足した「デイリー累計」以上の数字になるので、現時点で、「ガラスを割れ!」の前作越えが確実になっています。
(表1) 欅坂歴代シングルの発売週におけるデイリー売り上げ推移
[シングル番号] 初日 (曜日)その日の売り上げ[その日までのデイリー累計] {日曜までのデイリー累計から初動への「補正」} 初動 上(下)矢印 前作初動からの増減
[1] 初日19.1 (水)3.3[22.4] (木)1.1[23.5] (金)0.9[24.4] (土)0.7[25.0] (日)0.8[25.8] {+0.34} 初動26.2
[2] 初日25.1 (水)3.2[28.3] (木)1.3[29.5] (金)0.6[30.2] (土)0.7[30.8] (日)0.7[31.5] {+0.77} 初動32.3↑06.1
[3] 初日35.4 (水)3.2[38.6] (木)1.7[40.3] (金)1.0[41.3] (土)0.9[42.2] (日)0.9[43.1] {+1.18} 初動44.2↑11.9
[4] 初日45.7 (水)4.7[50.3] (木)5.7[56.0] (金)1.4[57.5] (土)1.7[59.1] (日)1.3[60.5] {+2.80} 初動63.3↑19.0
[5] 初日48.4 (水)8.1[56.4] (木)3.0[59.4] (金)2.2[61.6] (土)1.5[63.1] (日)1.1[64.2] {+0.06} 初動64.3↑01.0
[6] 初日63.9 (水)9.5[73.4] Daily累計73.4↑09.1
デイリー2日目売り上げが、9.5万枚の過去最高となると、発送がスムーズに進み、売り上げの多くがフラゲ日に繰り込まれたので、初日が大幅上昇したという見方は、妥当性が薄くなってくる。
そして、初日から初動への積み上げが、前作、前々作と同じように、16〜17万枚か、それを上回るレベルになる気配が濃厚です。
前々作の4枚目「不協和音」は、2日目4.7万枚から、3日目は5.7万枚へアップしており、1週目デイリーの初日を除くピークが発売日ではなく、その翌日という珍しいパターンです。
これこそ発送が遅れたのかもしれませんが(笑)、まあ、レアなケースなので、今作は、前作5枚目「風に吹かれても」と同じく、水曜を頂点とする通常の「裾野型」で進むと考えた方が、現時点では妥当だと思います。
歴代シングルの2日目累計から初動への積み上げは、以下のようになっています。
(表2) 欅坂歴代シングルのオリコンデイリー2日目(D)累計から初動への積み上げ
[シングル番号] 2D累計 →(2D累計と初動の差)→ 初動 上(下)矢印 前作初動からの増減 [CD発売日] タイトル
[1] 2D累計22.4 →(03.7)→ 初動26.2↓00.0 [2016/04/06] サイレントマジョリティー
[2] 2D累計28.3 →(04.0)→ 初動32.3↑06.1 [2016/08/10] 世界には愛しかない
[3] 2D累計38.6 →(05.6)→ 初動44.2↑11.9 [2016/11/30] 二人セゾン
[4] 2D累計50.3 →(12.9)→ 初動63.3↑19.0 [2017/04/05] 不協和音
[5] 2D累計56.4 →(07.8)→ 初動64.3↑01.0 [2017/10/25] 風に吹かれても
#「2D累計」は、フラゲ日と発売日、つまり初日と2日目のオリコンデイリーにおける売り上げ枚数の合計
#「初動」は、発売週のオリコンウィークリーにおける売り上げ枚数
#「前作初動からの増減」の「↑06.1」は、前作より6.1万枚アップ
6枚目「ガラスを割れ!」の2日目累計73.4万枚に、上表を参考にした積み上げを加えて、初動を予測してみました。
(表3) 「ガラスを割れ!」デイリー2日目(D)累計に基づく初動予測
[シングル番号] 2D累計 →(2D累計と初動の差)→ 初動 上(下)矢印 前作初動からの増減
[6] 2D累計73.4 →(07.0)→ 初動80.4↑16.1
[6] 2D累計73.4 →(07.8)→ 初動81.2↑16.9 {前作5枚目と同じ積み上げ}
[6] 2D累計73.4 →(09.2)→ 初動82.6↑18.3 {前作5枚目*1.18の積み上げ}
[6] 2D累計73.4 →(10.0)→ 初動83.4↑19.1
[6] 2D累計73.4 →(12.0)→ 初動85.4↑21.1
#「1.18」は、2日目売り上げの6枚目に対する5枚目の比
今作2日目の売り上げ9.5万枚は、前作8.1万枚の1.18倍。
「裾野型」で進むとすれば、2日目の高さがその後の積み上げを左右する可能性が高い。
そこで、5枚目における2日目累計と初動の差7.8万枚に、1.18を掛けると9.2万枚。
この9.2万枚を、6枚目の2日目累計に加えると、上表の通り、初動82.6万枚という予測が得られます。
現段階では、この辺が「らしい」予想値で(笑)、前作初動から18.3万枚アップという、俄かには信じがたい数字になる。
一方、2日目水曜に、6枚目が5枚目を越える売り上げを出している以上、今作3日目以降の積み上げが、前作の7.8万枚を下回るとは考えづらい。
そのため、今作の2日目累計73.4万枚に、前作と同じ積み上げ7.8万枚を加えて得られる81.2万枚は、最低ラインという空気にならざるを得ない。
つまり、「ガラスを割れ!」オリコン初動は、81.2万枚以上で、82.6万枚くらいが妥当じゃないかという読みになる。
3日目木曜以降の数字を見ないと、まだ分かりませんが、6枚目初動の80万枚越えが現実味を帯びてきました。
かりに、初動が82.6万枚であれば、最初の予想値である73万枚より9.6万枚も大きい。
このレベルの差を、店頭セールスの伸びだけで説明するのは、いくら欅坂の人気が高いとはいえ、かなり無理があるように思います。
今の欅坂と同じく、乃木坂がデビュー3年目を迎えて、「気づいたら片想い」をリリースしていた2014年当時なら話は違いますが、「#CDが売れないこんな世の中じゃ」という曲をゴールデンボンバーが出す時代ですから(笑)、初回限定盤の売り上げが威勢良く伸びるという状況は、なかなか想像しづらいものがある。
最終的に初動の売り上げ枚数が確定した段階で、予想値との違いを含め、何が起こったのか考えてみるつもりですが、今、ちょっと疑っているのは、欅坂とけやき坂1期の握手時間を、6枚目は、5枚目より短くしたんじゃないかという点です。
個別握手会セールスの伸びを予想するとき、CD1枚あたりの平均割り当て時間は、基本的に、今作と前作で同じとして計算します。
運営がそれを変えたかどうかは、実際の売り上げ枚数が出てこない限り、圧縮の程度を含めて、推測しようがないので、「変えていない」というスタンスで出発するしかない。
ただ、例えば、CD1枚あたり8秒で計算していたものを、1秒短い7秒にするだけで、漢字プラス平仮名1期の6枚目個別握手会セールスは、7万枚近く上昇する可能性があります。
応募開始と同時に、次々と全完売が続出するほど、欅坂の人気は沸騰しているので、5部制にして担当部数を増やさないのであれば、CDセールスを伸ばす一つの選択肢になるでしょう。
欅坂「ガラスを割れ!」の楽曲セールス及びCDセールスは分析することは、乃木坂20枚目「シンクロニシティ」の発売に向けて、非常に良い予行演習になります(笑)。
さらに、好調な欅坂には、乃木坂が見習うべき点が少なくない。
人は自分の見たいデータしか見ない傾向があるけど、見たくないデータにこそ、改革のヒントが潜んでいることもある。
私は乃木坂ファンですが、今まで、AKB48の人気動向を調べてきたのは、そこに乃木坂の「未来」が映っている可能性があるからで、一方、欅坂を調べているのは、乃木坂の「過去」において、別のより良い選択肢がなかったどうかを知りたいためです。
星野みなみを始めとする乃木坂メンバーが、在籍中も、「卒業」後も、長く活躍するためには、乃木坂というグループ自体が長く人気を保っていくことが、ぜひとも必要です。
周りに満ち溢れている、多くの「失敗」とほんの少しの「成功」の事例を参考に(笑)、今選択できる最善の道を選んで、坂を上り続けて欲しいと思っています。
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