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ジャン・アレチボルトの冒険

ジャンルを問わず、思いついたことを、書いてみます。

乃木坂17枚目ショートMV再生数は「三番目の風」がトップ、欅坂4枚目は「割れたスマホ」が独走 [02May17]

2017-05-02 00:00:00 | 芸能

乃木坂46が参加する、注目の番組とイベント

(テレビ・ラジオ・イベント)

04月25日(火) [Book] 衛藤美彩の1stソロ写真集『話を聞こうか。』が、講談社より発売。シドニーなど、オーストラリアで撮影ロケ

05月01日(月) [イベント] 『ドラゴン・キングダム〜魔法の森と水晶の秘密〜』の上映&トークイベントが天王洲銀河劇場で開催され、主人公の声を担当した松村沙友理が参加。上映は15:00からの予定
05月01日(月) [TV_地デ] 21:00〜21:54 テレビ朝日系『クイズプレゼンバラエティーQさま!!』に、秋元真夏が出演
05月01日(月) [TV_地デ] 21:00〜22:54 日本テレビ系『笑神様は突然に...2時間スペシャル』に、生駒里奈が出演

05月03日(水) [ラジオ_FM] 12:15〜18:50(前半)&19:20〜22:45(後半) NHK-FM『今日は一日“秋元康ソング”三昧』に、高山一実が出演
05月03日(水) [イベント] 『マイナビ GirlsAward 2017 SPRING/SUMMER』 (開演14:30〜終演: 21:00) in 国立代々木競技場第一体育館で乃木坂がライブパフォーマンス。北野日奈子・齊藤飛鳥・白石麻衣・西野七瀬・堀未央奈・松村沙友理はモデル、また秋元真夏がMCとして出演

05月04日(木) [TV_地デ] 22:54〜23:00 フジテレビ系『My first baito』

05月06日(土) [CD特典] 17枚目第2回全国握手会 in 愛知・ポートメッセなごや
05月06日(土) [TV_地デ] 7:00〜7:30 『BORUTO-ボルト- NARUTO NEXT GENERATIONS 放送開始記念!NARUTO TO BORUTOスペシャル!』に、生駒里奈が出演
05月06日(土) [ラジオ_FM] 20:00〜20:30 広島FM『JPスタンダード』に、斉藤優里、寺田蘭世、星野みなみが出演
05月06日(土) [TV_BS] 23:45〜 NHK BSプレミアム『乃木坂46 SHOW!』。「インフルエンサー」、「風船は生きている」、「三番目の風」のスタジオライブ。コント「乃木坂ポリス」には、生駒里奈・井上小百合・衛藤美彩・新内眞衣が参加。さらに、『乃木坂46アンダーライブ全国ツアー2017』の潜入リポート


「ブックマーク」内にある次のリンクは、乃木坂のスケジュールを、過去分も含めて、まとめたものです。「ブックマーク」は、PCでは左サイドバー、モバイルでは記事の最後に置かれています。

定期日程(@Nov16)
重要日程(Jan~Mar17)
重要日程(Oct~Dec16)
重要日程(Aug~Sep16)
重要日程(Jun~Jul16)
重要日程(Apr~May16)
重要日程(Feb~Mar16)
重要日程(Nov15~Jan16)



最近、アイドルブームが終焉を迎えつつあるのではないか、という話をあちこちで耳にします。

それが本当かどうかは、随分と時間が経って、振り返ってみないと分からないけど、そう考えたくなる出来事が、今、次々と起こっているのは確かだと思う。

先週金曜日の『MUSIC STATION』は、ディズニー映画『美女と野獣』の日本語吹き替え版で主役を務める昆夏美と山崎育三郎が、役の衣装を纏い、踊りながら歌うミュージカルのスタイルで主題歌を披露。

また、矢野顕子と上原ひろみが、対面に設置されたグランドピアノで即興演奏を繰り広げながら、「ラーメン食べたい!」と熱唱(笑)。

さらに、椎名林檎とトータス松本が、ドラマ風仕立てのステージで「目抜き通り」を華麗に歌い上げ、オースティン・マホーンが抜群の歌唱力とキレのあるダンスで「Dirty Work」をパフォーマンスする。


J-POPというジャンルを遥かに越え、幅広い音楽を「人気」や「旬」という指標で集めている感があった。

オリコンによるシングルCDの売り上げを基準に、J-POP歌手を呼んでくるのとは、明らかに異なる発想で番組を作っており、その中で、従来の「女性アイドル」枠が、徐々に狭くなっている印象を受けます。

直接的には、「ラブライブ」「けものフレンズ」といったメディアミックス系作品から誕生した、「μ's」や「どうぶつビスケッツ×PPP」などの声優グループが、リアル3次元「アイドル」(笑)と競合しつつあるように見える。


それだけでなく、Billboard 型の総合ランキングを新たに取り入れたTBS『COUNT DOWN TV』のように、シングルCDの売り上げ順では、これまであまり名前の挙がらなかった外国人アーティストも、今後、さらに注目を集める可能性がある。

iTunes Store トップソング上位の常連である「Dirty Work」のオースティン・マホーンが、Mステにさっそく登場したのは、こういった流れの一つかもしれない。

そして、多種多様なアーティストが音楽番組に参加し始めると、当然、「アイドル」枠は、大きなヒットを飛ばさない限り、縮小されるのは避けられないでしょう。


もう一つ、アイドル時代の終焉を感じさせるのが、相次ぐ人気アイドルの「卒業」です。

とくに、AKB48の全盛期を象徴する小嶋陽菜の「卒業」は、随分前から分かっていたことながら(笑)、いざ、実際にグループを去ると、一つの時代が終わった感が濃厚に漂い始める。

さらに、モーニング娘。'17の中核メンバーである工藤遥が「卒業」を発表したことも、終わり感に拍車をかけている。

将来に向けて、現実的な選択を迫られる、17歳という時期に、7年間続けたメジャーアイドルを辞め、女優の道へ進むことを決意したわけで、今の「アイドル」が直面する切実な状況が、浮き彫りになっています。


アイドルの「卒業」ラッシュの中、折しも、これまでAKB48の楽曲人気を支えてきた「365日の紙飛行機」が、各種ランキングにおいて、圏外に去りつつある。

今や、メジャーアイドル界を牽引するヒットナンバーは、「サイレントマジョリティー」だけになりつつあり、次の一手が待たれるところです。

しかし、知名度の高さから、一番ヒットに近い筈の乃木坂は、握手会人気の序列にこだわり過ぎて、個人仕事に忙殺されるトップメンバーを、相変わらず選抜上位に配置し続け、結果、音楽チームとしての選抜が十分に機能していない。

さらに、アンダーは、3期の大フィーチャーによって、3番手に押しやられた感があり、ファンの注目度が、以前より、上がりづらくなっている。

一方、欅坂は、「サイレントマジョリティー」の成功が強烈で、同一路線を猛然と突き進むも、デビュー曲を越えるセールスが生み出せず、かと言って、まったくの別路線は、楽曲指標が大幅に低下する危険があって、簡単には踏み出せない。


現在のアイドル界で「1人勝ち」しているとも言われる坂道グループですが、実際には、大きな問題を抱え、とくに乃木坂には、息苦しい閉塞感が漂っている。

最新シングルである乃木坂「インフルエンサー」と欅坂「不協和音」のカップリング曲について、楽曲指標を調べると、直面している問題が浮き彫りになってきます。

まず、乃木坂ですが、3期への期待が、アンダーへの関心を削いでいる節がある。

(表1) 乃木坂17枚目「インフルエンサー」C/W曲の short ver. MVの再生回数積み上げ状況

凡例
集計対象期間の長さ [公開開始日時〜期間終わりの日時]
=========================
MV再生回数の期間内平均増加速度 (期間終わりの累計再生回数)

#「累計再生回数」は「万回」単位

39.8日間 [03/22(水)12:00〜05/01(月)06:00]
=========================
0.39万回/日 (15.6) Another Ghost
0.39万回/日 (15.7) 意外BREAK
0.27万回/日 (10.8) 風船は生きている
0.55万回/日 (21.9) 三番目の風


カップリング曲のショートバージョンMVは、フルと違って、CD発売日に一斉公開されるので、再生数をダイレクトに比べることが出来ます。

上表が示すように、5月1日(月)朝6時において、4つのMVともに、公開開始から39.8日経過していますが、その時点での累計再生数を調べると、3期メンバーによる「三番目の風」が 21.9万回ともっとも多く、「意外BREAK」15.7万回、「Another Ghost」15.6万回が続き、アンダー曲「風船は生きている」は10.8万回で、3期曲の半分に留まっている。

1日平均の増加速度に換算すると、「三番目の風」でも 0.55万回/日と、それほど大きな数字ではないけど、3期、選抜ユニット、アンダーで、MV人気に明確な差が付いています。


「三番目の風」ショートMVが、累計再生数でトップになったのは、公開から少し後のことです。

(表2)乃木坂17枚目カップリング曲 short ver. MVの再生回数積み上げ状況

凡例
公開後経過週数 (経過日数) : 対象週の日付期間
MV再生回数の対象週における平均増加速度 (週終わりの累計再生回数/+対象週における積み上げ再生回数)

#「公開後経過週数」は、公開開始時刻から1週間を「1w」、次の1週間を「2w」と順に数える
#「(公開後)経過日数」は、公開開始時刻から1日間を「1d」、次の1日間を「2d」と順に数える
#「03/22(水)29(水)12:00」は、03/22(水)12:00から03/29(水)12:00までの期間を表す
#「累計再生回数」「積み上げ再生回数」は「万回」単位
#「06w」は週の途中なので、日単位推移を記している
# 色付きのデータは、それぞれ以下の曲に関するもの
Another Ghost
意外BREAK
風船は生きている
三番目の風

01w (01-07d) : 03/22(水)29(水)12:00
0.87万回/日 (06.1/+6.12)
0.84万回/日 (05.9/+5.87)
0.49万回/日 (03.4/+3.44)
0.75万回/日 (05.3/+5.28)

02w (08-14d) : 03/29(水)05(水)12:00
0.44万回/日 (09.2/+3.09)
0.43万回/日 (08.9/+3.02)
0.22万回/日 (05.0/+1.56)
0.46万回/日 (08.5/+3.20)

03w (15-21d) : 04/05(水)12(水)12:00
0.31万回/日 (11.4/+2.19)
0.32万回/日 (11.2/+2.26)
0.19万回/日 (06.4/+1.36)
0.38万回/日 (11.2/+2.67)

04w (22-28d) : 04/12(水)19(水)12:00
0.23万回/日 (13.0/+1.59)
0.25万回/日 (12.9/+1.72)
0.22万回/日 (07.9/+1.54)
0.43万回/日 (14.2/+3.04)

05w (29-35d) : 04/19(水)26(水)12:00
0.21万回/日 (14.4/+1.46)
0.23万回/日 (14.5/+1.62)
0.24万回/日 (09.6/+1.66)
0.63万回/日 (18.6/+4.40)

06w (36-39d) : 04/26(水)30(日)12:00
0.22万回/日(14.7)0.22万回/日(14.7)0.25万回/日(09.8)0.63万回/日(19.2) 36d
0.23万回/日(14.9)0.23万回/日(14.9)0.26万回/日(10.1)0.72万回/日(19.9) 37d
0.21万回/日(15.1)0.21万回/日(15.2)0.23万回/日(10.3)0.60万回/日(20.5) 38d
0.28万回/日(15.4)0.28万回/日(15.4)0.31万回/日(10.6)0.76万回/日(21.3) 39d

#「06w」においては、各行右端の「公開後経過日数」が指定する対象日に関して、「再生回数増加速度」と「日終わりの累計再生回数」を記している


公開1週目(01w)は、「Another Ghost」と「意外BREAK」の再生数増加速度が、「三番目の風」を上回っていました。

しかし、2週目から3週目に掛けて、増加速度で逆転し、その状況が続いたため、4週目に、累計でも、3期曲が、選抜ユニット曲を越えていきます。

さらに、5週目と6週目において、「三番目の風」は、再生数の伸びを加速させ、他の3曲を引き離していく。

3、4、5週目は、AiiA 2.5 Theater Tokyo で6日8公演行われる3期単独ライブ、さらに3rdアルバムの特典である日比谷野外音楽堂の『三期生単独公演』が発表された時期で、ファンの予想を上回るような、分厚い単独活動が、3期への関心度を高め、MVの再生数を伸ばしたのだと思います。

一方、アンダー曲「風船は生きている」は、他の曲に比べて、ショートMVの公開1週目から、再生数の伸びが鈍く、注目を集め切れていないように見えます。


ショートMVの再生数推移で、17枚目カップリング曲中、トップを走る「三番目の風」ですが、iTunes Store トップソングには、その順番はあまり反映されていません。

(表3) iTunes Store トップソングにおける、乃木坂14〜17枚目C/W曲の配信全期間に渡る順位帯分布

凡例
グループ名_シングル番号「タイトル」C/W
A-B-C-D-E / F-G-H [Z] (200位以内ランクイン日数/配信日数; 確認出来た最高順位) 曲名

# 上記 A〜H と Z は、それぞれ以下の順位帯に、ランクインした日数を表す
A(1〜10位)、B(11〜20位)、C(21〜30位)、D(31〜40位)、E(41〜50位)、F(51〜100位)、G(101〜150位)、H(151〜200位)、Z(200位圏外)
# ランクイン日数のより長いものから順に上から曲を並べ、日数が同じ場合は、確認出来た最高順位がより高いものを上にしている
# 2017年4月30日(日)までのデータ
# (c)は共通曲、(u)はアンダー曲

乃木坂_17枚目「インフルエンサー」C/W
0-0-0-1-0 / 7-2-4 [33] (14/47日; 034位) Another Ghost
0-0-0-1-0 / 6-3-2 [35] (12/47日; 036位) 意外BREAK
0-0-0-0-0 / 0-4-3 [40] (07/47日; 121位) 三番目の風
0-0-0-0-0 / 0-4-2 [41] (06/47日; 125位) 風船は生きている(u)
0-0-0-0-0 / 0-4-1 [42] (05/47日; 121位) 当たり障りのない話
0-0-0-0-0 / 0-0-1 [46] (01/47日; 164位) 人生を考えたくなる(c)

乃木坂_16枚目「サヨナラの意味」C/W
0-0-0-1-3 / 9-8-5 [154] (26/180日; 038位) ないものねだり
0-0-0-0-0 / 3-4-4 [169] (11/180日; 065位) あの教室
0-0-0-0-0 / 4-2-4 [170] (10/180日; 087位) 君に贈る花がない
0-0-0-0-0 / 1-4-4 [171] (09/180日; 099位) ブランコ(u)
0-0-0-0-0 / 0-1-3 [176] (04/180日; 144位) 2度目のキスから
0-0-0-0-0 / 1-1-1 [177] (03/180日; 086位) 孤独な青空(c)

乃木坂_15枚目「裸足でSummer」C/W
0-0-0-0-4 / 6-3-0 [272] (13/285日; 045位) オフショアガール
0-0-0-0-0 / 4-6-3 [272] (13/285日; 061位) 行くあてのない僕たち
0-0-0-0-0 / 6-3-1 [275] (10/285日; 076位) 僕だけの光(c)
0-0-0-0-0 / 2-1-3 [279] (06/285日; 076位) シークレットグラフィティー(u)
0-0-0-0-0 / 0-0-2 [283] (02/285日; 162位) 命の真実
0-0-0-0-0 / 0-0-2 [283] (02/285日; 168位) 白米様
#「命の真実」の正式曲名は『命の真実 ミュージカル「林檎売りとカメムシ」』

乃木坂_14枚目「ハルジオンが咲く頃」C/W
0-0-1-1-1 / 0-2-1 [398] (06/404日; 25位) 釣り堀
0-0-1-1-0 / 1-1-1 [399] (05/404日; 27位) 急斜面
0-0-0-1-0 / 1-1-1 [400] (04/404日; 36位) 不等号(u)
0-0-0-0-1 / 1-1-1 [400] (04/404日; 44位) 憂鬱と風船ガム
0-0-0-1-0 / 1-1-0 [401] (03/404日; 39位) 強がる蕾
0-0-0-0-0 / 1-1-0 [402] (02/404日; 96位) 遙かなるブータン(c)


「インフルエンサー」の「Special Edition」は、5月1日(月)で、配信47日目ですが、現在では、すべてのC/W曲が200位圏外に去り、1ヶ月ほど戻っていないので、上記のランクイン日数と最高順位を、確定値と見なしていいと思います。

選抜ユニット曲である「Another Ghost」と「意外BREAK」は、CD発売まで14日間、フルバージョンMVを公開したのに対して、「三番目の風」と「風船は生きている」は、半分の7日間しか披露していない。

こういった初期宣伝の違いに加え、担当メンバーの知名度が高いこともあって、「Another Ghost」が最高34位の14日ランクイン、「意外BREAK」は最高36位の12日ランクインで、3期曲とアンダー曲を引き離して、C/W曲中、1位2位の成績を残しています。


ただ、アンダー曲の最高順位が、14枚目の「不等号」36位、15枚目の「シークレットグラフィティー」76位、16枚目の「ブランコ」99位、そして17枚目の「風船は生きている」125位と、連続して下がっており、アンダーの存在感がシングルごとに薄くなっている懸念がある。

「インフルエンサー」において、3期曲が始めて収録され、さらに、3期の単独活動が大々的に打ち出されたことは、この傾向に追い打ちを掛けているかもしれない。

思うに、アンダーと3期が一緒にライブを行えば、面白い組み合わせを次々と考案出来るので、両方の人気が同時に上がって、動画や配信で、「Win-Win」の結果を出せる気がするんですが、なぜ、乃木坂運営は、「混ぜるな危険!」(笑)といった方針を堅持するのか、ちょっと分かりません。


(表3)を眺めていて、アンダー曲の順位下落以外に気になるのは、共通曲に元気がないことです。

15枚目の「僕だけの光」は、日本テレビ系『高校生クイズ』の応援ソングに採用されたため、一定の順位とランクイン回数を稼いでいますが、14枚目「遙かなるブータン」はランクインが2日、16枚目「孤独な青空」は3日、17枚目「人生を考えたくなる」に至っては、たった1日。

かつては、4枚目「制服のマネキン」の「指望遠鏡」、5枚目「君の名は希望」の「シャキイズム」、6枚目「ガールズルール」の「世界で一番 孤独なLOVER」など、乃木坂のシングルは、共通曲が表題曲に負けないほど、高い評価を得ていました。


さらに、「13日の金曜日」「生まれたままで」「あの日 僕は咄嗟に嘘をついた」「別れ際、もっと好きになる。」など、人気の高いアンダー曲が加わり、「楽曲の乃木坂」と言われるほど、充実した内容のシングルを誇っていた。

アンダー曲と共通曲の苦戦は、乃木坂のシングルが音楽的な存在感を失いつつある象徴で、後で示すように、「Special Edition」の丸ごとダウンロード数で順位を付ける「トップアルバム」の成績は、欅坂にまったく歯が立たなくなっています。

3期をフィーチャーするのは良いとしても、同時に、アンダーへの注目度も高めるような手法を取らなければ、乃木坂の音楽に対する期待感は、ますます薄れてしまう危険があります。

「インフルエンサー」C/Wで最高順位が100位を越えたのが2曲というのは、欅坂「不協和音」のカップリング曲が、すべて40位以内に入っていることを考えても、さすがに寂しい。


次に、欅坂「不協和音」のカップリング曲を見ていきます。

(表4) 欅坂4枚目「不協和音」C/W曲の short ver. MVの再生回数積み上げ状況

# 表記法は(表1)と同じ

25.8日間 [04/05(水)12:00〜05/01(月)06:00]
=========================
0.50万回/日 (12.9) チューニング
1.17万回/日 (30.2) 割れたスマホ
0.68万回/日 (17.5) 僕たちは付き合っている


欅坂も、乃木坂と同じく、ほとんどのカップリング曲MVを、CD発売日に、フルバージョンからショートに切り替えるので、ショートに関しては、ダイレクトに再生数を比較できます。

ただ、4枚目共通曲「W-KEYAKIZAKAの詩」のMVは、フルバージョンの公開が現在も続いており、上表では、ショートに代わった、残り3曲のデータを並べています。

そして、一目瞭然ですが、志田愛佳、菅井友香、守屋茜、渡辺梨加、渡邉理佐の5人ユニット「青空とMARRY」による「割れたスマホ」が、再生数トップで、次に平仮名「けやき坂」の「僕たちは付き合っている」、今泉佑唯と小林由依の「ゆいちゃんず」による「チューニング」となっている。


「割れたスマホ」「僕たちは付き合っている」「チューニング」の順番は、MV公開1週目(01w)からのもので、「青空とMARRY」の独走状態です。

(表5) 欅坂4枚目「不協和音」C/W曲の short ver. MVの再生回数積み上げ状況

# 表記法は(表2)と同じ
# 色付きのデータは、それぞれ以下の曲に関するもの
チューニング
割れたスマホ
僕たちは付き合っている

01w (01-07d) : 04/05(水)12(水)12:00
0.88万回/日 (06.2/+6.16)
1.96万回/日 (13.7/+13.74)
1.15万回/日 (08.0/+8.03)

02w (08-14d) : 04/12(水)19(水)12:00
0.38万回/日 (08.8/+2.63)
0.76万回/日 (19.1/+5.35)
0.50万回/日 (11.5/+3.52)

03w (15-21d) : 04/19(水)26(水)12:00
0.37万回/日 (11.3/+2.56)
0.92万回/日 (25.5/+6.45)
0.54万回/日 (15.3/+3.76)

04w (22-25d) : 04/26(水)30(日)12:00
0.31万回/日(11.7)0.91万回/日(26.4)0.42万回/日(15.7) 22d
0.30万回/日(12.0)0.98万回/日(27.4)0.43万回/日(16.2) 23d
0.29万回/日(12.3)0.79万回/日(28.2)0.39万回/日(16.5) 24d
0.37万回/日(12.6)1.11万回/日(29.3)0.53万回/日(17.1) 25d


「割れたスマホ」MVやステージパフォーマンスは、これまでの欅坂とやや趣が異なり、どレズというか(笑)、何と言うか、少女の美しくも怪しい、セクシャルな面に踏み込んだ作品で、女性的なビジュアルの魅力を前面に押し出している。

今までなかった新機軸が受けて、ショートMVの再生数が伸びたのかもしれません。

確かに、一度は観ておかなきゃと思わせるものがある(笑)。


しかし、iTunes Store トップソングの成績は、「割れたスマホ」の独走という感じではない。

(表6) iTunes Store トップソングにおける、欅坂1〜4枚目のC/W曲の配信全期間に渡る順位帯分布

# 表記法は(表3)と同じ
# (c)は共通曲、(h)は平仮名「けやき」の曲

欅坂_4枚目「不協和音」C/W
1-1-1-1-1 / 3-7-4 [07] (19/26日; 07位) エキセントリック
2-0-1-0-1 / 4-1-2 [15] (11/26日; 05位) W-KEYAKIZAKAの詩(c)
0-1-0-1-0 / 2-2-3 [17] (09/26日; 17位) 割れたスマホ
0-1-0-1-1 / 2-1-1 [19] (07/26日; 14位) チューニング
0-0-0-1-0 / 2-1-2 [20] (06/26日; 32位) 僕たちは付き合っている(h)
0-0-0-1-0 / 1-1-1 [22] (04/26日; 36位) 微笑みが悲しい

欅坂_3枚目「二人セゾン」C/W
0-0-0-1-0 / 1-2-1 [147] (05/152日; 39位) 夕陽1/3
0-0-0-0-1 / 1-2-0 [148] (04/152日; 44位) 僕たちの戦争
0-0-0-0-0 / 1-1-2 [148] (04/152日; 66位) 大人は信じてくれない(c)
0-0-0-0-0 / 1-0-1 [150] (02/152日; 86位) 誰よりも高く跳べ!(h)
0-0-0-0-0 / 1-1-0 [150] (02/152日; 88位) 制服と太陽

欅坂_2枚目「世界には愛しかない」C/W
0-1-1-0-1 / 4-3-6 [248] (16/264日; 17位) 語るなら未来を(c)
0-0-0-0-1 / 1-1-8 [253] (11/264日; 50位) 青空が違う
0-0-0-0-0 / 1-1-6 [256] (08/264日; 58位) また会ってください
0-0-0-0-0 / 1-1-5 [257] (07/264日; 69位) ひらがなけやき(h)
0-0-0-0-0 / 1-1-5 [257] (07/264日; 75位) ボブディランは返さない
0-0-0-0-0 / 1-1-4 [258] (06/264日; 86位) 渋谷からPARCOが消えた日

欅坂_1枚目「サイレントマジョリティー」C/W
0-0-1-1-0 / 3-8-4 [373] (17/390日; 25位) 渋谷川
0-0-2-0-0 / 1-2-1 [384] (06/390日; 26位) キミガイナイ
0-0-0-1-0 / 1-1-1 [386] (04/390日; 39位) 手を繫いで帰ろうか(c)
0-0-0-0-0 / 2-0-1 [387] (03/390日; 53位) 乗り遅れたバス
0-0-0-0-0 / 2-1-0 [387] (03/390日; 55位) 山手線


4枚目C/W曲の配信成績は、過去シングルと比べて、かなり良好だと思います。

通常盤限定曲である「エキセントリック」と共通曲「W-KEYAKIZAKAの詩」は、欅坂のカップリング曲として、初めてTOP10にランクインしています。

乃木坂は、(表3)のように、少なくとも14枚目以降で、TOP10入りしたC/W曲はなく、おそらく、それ以前も、例はないと思います。


さらに、「エキセントリック」は、200位以内のランクインが19日で、これまで最長だった「渋谷川」の17日を抜き、新記録を打ち立てています。

ちなみに、乃木坂では、橋本奈々未のソロ曲である「ないものねだり」が、卒業ライブ直前にフルバージョンMVを公開したこともあり、最長26日ランクインしています。

「エキセントリック」は、欅坂主演の連続ドラマ『残酷な観客達』の主題歌ですが、採用のアナウンスがなされる前から、MVがないにも関わらず、TOP10に入るなど、非常に好調だったので、曲自体が受けたのかもしれません。


一方、「W-KEYAKIZAKAの詩」は、漢字「欅坂」と平仮名「けやき坂」の全員が参加する合同曲で、C/W曲としては例外的に、CD発売後も、フルバージョンが削除されず、公開され続けています。

おそらく、「乃木坂の詩」と同じく、グループの結束を示すコンセプト曲なのでしょう。

そして、欅坂にとって特別な曲ということで、多くのファンが注目し、最高順位が5位まで上昇したのだと思います。


フルバージョンMVの公開期間は、「チューニング」7日間、「割れたスマホ」5日間、「僕たちは付き合っている」4日間と、かなり忙しないですが(笑)、ショートへの切り替え直前の再生数は、それぞれ62万回、74万回、41万回でした。

つまり、フルMVの段階で、「割れたスマホ」が一番人気で、「僕たちは付き合っている」が2番、「チューニング」3番という順番だった。

そして、ショートMVの再生数も、フルの勢いをそのまま保持して、進んだことになる。

やはり、せくしーな新機軸は強いということでしょうか(笑)。


しかし、トップソングでは、「割れたスマホ」が最高17位のランクイン9日、「チューニング」は最高14位の7日、「僕たちは付き合っている」は最高32位の6日で、ゆいちゃんずがMV以上の人気を見せています。

まあ、MVで映像と一緒に鑑賞したい、じっくり聴いてみたいなど、人によって、曲によって、色々とアプローチの仕方が分かれるので、再生数の動きが、配信成績と必ずしも一致しないのは、不思議ではない。

ただ、「サイレントマジョリティー」のように、再生数の増加速度が20万回/日を越えるレベルに達すると、トップソングの順位推移が奮わないなんてことは、ほとんどなく、動画と配信の人気が連動する確率は高くなると思います。


ここまでは、カップリング曲の話をしてきましたが、ついでに、表題曲の配信成績を見ておきましょう。

(表7) iTunes Store トップソングにおける、乃木坂14〜17枚目と欅坂1〜4枚目の表題曲の配信全期間に渡る順位帯分布

# 表記法は(表3)と同じ
# 新しいシングル表題曲から順に並べている

乃木坂
09-06-11-08-02 / 09-02-00 [000] (047/047日; 4位) インフルエンサー
07-09-14-18-22 / 53-39-09 [009] (171/180日; 3位) サヨナラの意味
05-09-05-04-03 / 13-16-12 [218] (067/285日; 8位) 裸足でSummer
02-03-04-06-04 / 12-11-09 [353] (051/404日; 5位) ハルジオンが咲く頃

欅坂
14-04-02-01-05 / 00-00-00 [000] (026/026日; 1位) 不協和音
12-16-22-19-09 / 62-11-01 [000] (152/152日; 2位) 二人セゾン
06-02-04-01-01 / 29-67-33 [121] (143/264日; 3位) 世界には愛しかない
47-40-42-50-69 / 127-15-00 [000] (390/390日; 1位) サイレントマジョリティー


乃木坂と欅坂が同時期に発売した表題曲について、トップソングの成績を比べると、「サイレントマジョリティー」は「ハルジオンが咲く頃」に、順位、ランクイン日数ともに圧勝、「世界には愛しかない」は「ハルジオンが咲く頃」に、50位以内の滞在日数では劣勢であるものの、200位圏内ランクイン日数は2倍以上と大幅に上回っています。

また、「二人セゾン」と「サヨナラの意味」、「不協和音」と「インフルエンサー」は、欅坂の方が、乃木坂より上位への食い込みが強い一方、ランクイン日数は、現時点で、ほぼ互角という感じです。


二つのグループそれぞれについて、最新曲と過去曲を比較すると、乃木坂「インフルエンサー」と欅坂「不協和音」は、スタートに勢いがあったけど、時間が経つにつれ、失速感が出始めていて、少し気になってます。

(表8) iTunes Store トップソングにおける、乃木坂14〜17枚目表題曲の配信後8週目までの週単位順位帯推移

凡例
配信後経過週数
A-B-C-D-E / F-G-H [Z] : 対象週の日付期間

#「配信後経過週数」は、配信開始日を含む、月曜から日曜で定義された週を「1W」として、次の月〜日を「2W」、次の次を「3W」として順に数えたもの
# 上記 A〜H と Z は、対象週いおいて、それぞれ以下の順位帯にランクインした日数した日数を表す
A(1〜10位)、B(11〜20位)、C(21〜30位)、D(31〜40位)、E(41〜50位)、F(51〜100位)、G(101〜150位)、H(151〜200位)、Z(200位圏外)
# 色付きのデータは、それぞれ以下の曲に関するもの
インフルエンサー
サヨナラの意味
裸足でSummer
ハルジオンが咲く頃

01W
5-0-0-0-0 / 0-0-0 [0] : 03/15(水)19(日)
5-0-0-0-0 / 0-0-0 [0] : 11/02(水)06(日)
4-1-0-0-0 / 0-0-0 [0] : 07/20(水)24(日)
2-3-0-0-0 / 0-0-0 [0] : 03/23(水)27(日)

02W
4-3-0-0-0 / 0-0-0 [0] : 03/20(月)26(日)
2-5-0-0-0 / 0-0-0 [0] : 11/07(月)13(日)
1-6-0-0-0 / 0-0-0 [0] : 07/25(月)31(日)
0-0-3-4-0 / 0-0-0 [0] : 03/28(月)03(日)

03W
0-3-4-0-0 / 0-0-0 [0] : 03/27(月)02(日)
0-2-5-0-0 / 0-0-0 [0] : 11/14(月)20(日)
0-2-5-0-0 / 0-0-0 [0] : 08/01(月)07(日)
0-0-1-2-4 / 0-0-0 [0] : 04/04(月)10(日)

04W
0-0-6-1-0 / 0-0-0 [0] : 04/03(月)09(日)
0-0-0-1-2 / 4-0-0 [0] : 11/21(月)27(日)
0-0-0-4-3 / 0-0-0 [0] : 08/08(月)14(日)
0-0-0-0-0 / 7-0-0 [0] : 04/11(月)17(日)

05W
0-0-1-6-0 / 0-0-0 [0] : 04/10(月)16(日)
0-0-0-2-5 / 0-0-0 [0] : 11/28(月)04(日)
0-0-0-0-0 / 7-0-0 [0] : 08/15(月)21(日)
0-0-0-0-0 / 5-2-0 [0] : 04/18(月)24(日)

06W
0-0-0-1-2 / 4-0-0 [0] : 04/17(月)23(日)
0-0-0-0-6 / 1-0-0 [0] : 12/05(月)11(日)
0-0-0-0-0 / 2-5-0 [0] : 08/22(月)28(日)
0-0-0-0-0 / 0-2-5 [0] : 04/25(月)01(日)

07W
0-0-0-0-0 / 5-2-0 [0] : 04/24(月)30(日)
0-0-0-0-0 / 7-0-0 [0] : 12/12(月)18(日)
0-0-0-0-0 / 3-4-0 [0] : 08/29(月)04(日)
0-0-0-0-0 / 0-6-1 [0] : 05/02(月)08(日)

08W
0-0-0-0-0 / 0-0-0 [0] : 05/01(月)07(日)
0-0-0-3-0 / 4-0-0 [0] : 12/19(月)25(日) Mステ SUPER LIVE
0-0-0-0-0 / 1-5-1 [0] : 09/05(月)11(日)
0-0-0-0-0 / 0-1-3 [3] : 05/09(月)15(日)


配信5週目(05W)まで、「インフルエンサー」は上位に力強く滞在を続け、高い人気を感じさせる動きでした。

ところが、6週目あたりから、順位のキープに底堅さがなくなり、7週目には、「裸足でSummer」の同時期とさほど変わらない順位帯分布を示しています。

「サヨナラの意味」は、大型音楽祭が目白押しだった時期なので、「インフルエンサー」をその順位と比べるのは酷かもしれませんが、紅白の連続出場後、初めてリリースしたシングルなので、表題曲が大きな追い風を受けて、前作を上回ってこそ意味があるという見方もある。

8週目以降、どこかで反転上昇しなければ、「サヨナラの意味」をかなり下回る配信成績となる懸念があって、今こそ、17th選抜がプロモーションして欲しいのだけど、どうも、メンバーを集めるのが大変なようで(笑)。


実は、欅坂「不協和音」も、似たような状況に直面しつつある。

(表9) iTunes Store トップソングにおける、欅坂1〜4枚目表題曲の配信後5週目までの週単位順位帯推移

# 表記法は(表8)と同じ
# 色付きのデータは、それぞれ以下の曲に関するもの
不協和音
二人セゾン
世界には愛しかない
サイレントマジョリティー

01W
5-0-0-0-0 / 0-0-0 [0] : 04/05(水)09(日)
5-0-0-0-0 / 0-0-0 [0] : 11/30(水)04(日)
5-0-0-0-0 / 0-0-0 [0] : 08/10(水)14(日)
5-0-0-0-0 / 0-0-0 [0] : 04/06(水)10(日)

02W
7-0-0-0-0 / 0-0-0 [0] : 04/10(月)16(日)
7-0-0-0-0 / 0-0-0 [0] : 12/05(月)11(日)
1-2-4-0-0 / 0-0-0 [0] : 08/15(月)21(日)
7-0-0-0-0 / 0-0-0 [0] : 04/11(月)17(日)

03W
2-4-1-0-0 / 0-0-0 [0] : 04/17(月)23(日)
0-7-0-0-0 / 0-0-0 [0] : 12/12(月)18(日)
0-0-0-1-1 / 5-0-0 [0] : 08/22(月)28(日)
7-0-0-0-0 / 0-0-0 [0] : 04/18(月)24(日)

04W
0-0-1-1-5 / 0-0-0 [0] : 04/24(月)30(日)
0-2-5-0-0 / 0-0-0 [0] : 12/19(月)25(日) Mステ SUPER LIVE
0-0-0-0-0 / 7-0-0 [0] : 08/29(月)04(日)
6-1-0-0-0 / 0-0-0 [0] : 04/25(月)01(日)

05W
0-0-0-0-0 / 0-0-0 [0] : 05/01(月)07(日)
0-4-3-0-0 / 0-0-0 [0] : 12/26(月)01(日) 紅白歌合戦
0-0-0-0-0 / 3-4-0 [0] : 09/05(月)11(日)
4-3-0-0-0 / 0-0-0 [0] : 05/02(月)08(日)


「不協和音」は、4週目(04W)の順位落ち込みが激しい。

当初、「サイレントマジョリティー」を越えるんじゃないかと思うほど、力強く上位へのランクインを続けていたのに、先週あたりから、順位キープに脆弱さが見え始めています。

欅坂も、紅白初出場を追い風にして、前作「二人セゾン」はもちろん、デビュー曲「サイレントマジョリティー」を凌駕する、ヒットを目指していると思いますが、今のところ、失速感が少し漂っていて、5週目以降、どう挽回するかがポイントになっています。


「三番目の風」のショートMVが注目を集めるのは、乃木坂3期という未知のグループが、今まで観たことのない、新しい何かを見せてくれるかもしれないという、期待が膨らんでいるからだと思います。

また、「割れたスマホ」MVの好調さも、これまで手を出さなかった方向性が、ファンに期待を抱かせている面がある。

さらに、「インフルエンサー」と「不協和音」は、「超高速」「高難易度」といった謳い文句が並ぶダンスナンバーで、「サイレントマジョリティー」の登場以来、アイドルらしからぬアイドルソングに、ワクワクするような新しい魅力を探し求める、多くの人々に期待を持たせている。


ただ、具体的な音楽とパフォーマンスが明らかになると、最初の期待は徐々に消え、本当に新しいのか、本当にワクワクするのか、本当に魅力的なのかを、吟味する「査定」が始まっていく。

乃木坂3期をアンダーと混ぜないのは、従来の乃木坂と異なる、新しいグループというイメージによって、ファンの期待を高め、それを原動力に様々なセールスを伸ばそうという意図が背後に潜んでいる気がします。

アイドルブームの終焉が囁かれる中、新しいグループを立ち上げる構想が幾つも出てくるのは、そういった、一種の「期待商法」なのかもしれない。


しかし、「期待」に沿ったかどうか、必ず、吟味される時がやって来る。

しかも、事前の期待が大きければ大きいほど、「査定」を乗り越え、プラスの評価を勝ち取るのは難しい。

2次元ではない、「リアル」アイドルのファンは依然として多く、掛ける期待は相変わらず大きけど、メディアミックスの架空世界と違い、それに応える実現可能なアイデアやコンセプトがなかなか見つからず、見切り発車を繰り返しながら、あてどなく彷徨っている。

「サイレントマジョリティー」がヒットした理由を分析して、かりに何かが分かったとしても、次のヒットを生み出す役には立たず、結局、ゼロから始めなければならない(笑)、そんな切ない現実が、今のアイドル界に重くのしかかっているように感じます。


最後に、乃木坂と欅坂のシングル収録曲パッケージである「Special Edition」に関して、iTunes Store トップアルバムの成績を載せておきます。

(表10) iTunes Store トップアルバムにおける、乃木坂14〜17枚目と欅坂1〜4枚目の「Special Edition」の配信全期間に渡る順位帯分布

凡例
グループ名
A-B-C-D-E / F-G-H [Z] (200位以内ランクイン日数/配信日数; 確認出来た最高順位) タイトル

# 上記 A〜H と Z は、それぞれ以下の順位帯に、ランクインした日数した日数を表す
A(1〜10位)、B(11〜20位)、C(21〜30位)、D(31〜40位)、E(41〜50位)、F(51〜100位)、G(101〜150位)、H(151〜200位)、Z(200位圏外)
# 新しいシングルから順に並べている
# 2017年4月30日(日)までのデータ
# すべて「Special Edition」

乃木坂
10-03-01-03-03 / 07-09-04 [007] (40/047日; 1位) インフルエンサー
11-02-01-02-03 / 13-07-16 [125] (55/180日; 2位) サヨナラの意味
13-01-00-04-00 / 10-11-05 [241] (44/285日; 2位) 裸足でSummer
07-02-02-02-03 / 07-04-02 [375] (29/404日; 1位) ハルジオンが咲く頃

欅坂
09-03-01-02-03 / 08-00-00 [000] (026/026日; 1位) 不協和音
04-03-05-03-09 / 52-38-25 [013] (139/152日; 1位) 二人セゾン
06-04-03-00-04 / 28-45-41 [133] (131/264日; 2位) 世界には愛しかない
09-05-06-02-13 / 65-68-71 [151] (239/390日; 1位) サイレントマジョリティー


乃木坂のシングル「Special Edition」は、200位以内のランクイン日数が、2ヶ月を越えたことがありません。

「インフルエンサー」には、長期ランクインして欲しいのだけど、最近、圏外に去ることが多く、厳しい状況です。

一方、欅坂は、「世界には愛しかない」と「二人セゾン」は、200位以内に、4ヶ月以上滞在し、さらに「サイレントマジョリティー」は、半年を越えるランクインを記録しています。

(表3)と(表6)が示すように、乃木坂のシングルは、共通曲とアンダー曲の人気が低下しているのに対し、欅坂のシングルは、共通曲を筆頭に、カップリング曲全体の最高順位が高く、上位に食い込んでいる。


表題曲のトップソング成績を比べると、(表7)のように、乃木坂「サヨナラの意味」「インフルエンサー」と、欅坂「二人セゾン」「不協和音」の間に大きな差があるわけじゃないけど、C/W曲に目を向けると、歴然とした違いが存在していて、トップアルバムでの「完敗」につながっていると思います。

今の乃木坂は、特定メンバーと特定楽曲にプロモーションを集中させ過ぎて、グループに向けられている関心を、幅広く掬い上げることが出来ていない。

その結果、シングルの中に、注目度の低い曲を、幾つも作ってしまい、音楽グループとしての存在感を、自ら薄めてしまっている面がある。

選抜制度の下、1シングルに6、7曲を収録する以上、表題曲、アンダー曲、そして共通曲は、その大きな音楽コンテンツを支える柱で、いずれもしっかり時間を掛けて制作し、分厚くプロモーションするのが当然です。

今のところ、そのどこかに不十分な面があるから、観客動員数などで優っている筈の欅坂に、各種の楽曲指標が届かなくなっているわけで、音楽アイドルとして、やるべきことを、きちんとこなしているか、いま一度、チェックした方が良いと思います。


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