人生にロマンスとミステリを

小説を読むのも書くのも大好きな実務翻訳者です。ミステリと恋愛小説が特に好き。仕事のこと、日々のことを綴ります。

東野圭吾『疾風ロンド』

2020-11-30 10:12:43 | 読書記録(紙書籍のみ)
東野圭吾著『疾風ロンド』

おもしろかった~~~~~!!
思いっきり好みの作品でした。

研究所で勝手に強力な生物兵器を作成した男が、能力を認められず解雇された
復讐として、それを盗み出して隠し、元上司からお金をゆすり取ろうとする……。
まあ、物語の始まりとしてはままある設定ですが、なんとその犯人が速攻
事故で死んでしまいます。上司に逆らえないぺこぺこ部下が、上司命令を受けて
その生物兵器の隠し場所を探すことになるのですが、まあこの部下が
その辺にいそうなイマイチたよりないダメ親父(笑)・栗林。

栗林は思春期只中の息子の協力を得て、どうにかその生物兵器が隠されているスキー場を探し出し、
「何でも好きな物を買ってやる」という言葉を餌に、息子とスキー場へ。

一方、スキー場では元スノボ選手で現パトロール隊員の根津が働いてまして。
選手として限界を感じている千晶という女性と、いい雰囲気になりそうでならない(笑)。

スキー場にやってきたダメ親父・栗林は、スキーも数十年ぶりのダメダメで、
生物兵器の隠し場所を探してコース外に行き、右膝靱帯を損傷。
助けてくれた根津に、生物兵器ではなく、人の命を救う極秘のワクチンが盗まれて隠されたと
話し、根津と千晶が協力を買って出る。さらにパトロールの班長たちの協力を得る。
やがて、隠し場所の目印のティディベアが、スキー教室に来ている中学生の手から、名古屋から来た
女の子の手に渡ったとわかり……。

どうにかティディベアを持ち出した中学生を突き止めたけど、そこに邪魔が入る。
生物兵器を作った男に協力させられた女・真奈美が、弟を使って
それを奪おうとしていたのだ。

隠し場所に着いた根津・千晶と弟とのハラハラな展開。
で、無事取り戻せたかと思いきや、中身がすり替わっていて、その原因となった
家族の確執(?)みたいなものが解消され。

で、本来の中身を、研究所の上司に運搬を頼まれたとして、真奈美がやってきて持って行ってしまう。
真奈美は外国の誰かに生物兵器を売って大もうけするつもり。

一方で、息子はダメ親父・栗林を、真実を警察に話そうと説得する。
千晶は真奈美の弟を夢中かつ全力で追いかけたことでスランプを脱し、次の大会で優勝。

最後の真奈美の身に降りかかった展開に、胸がすっとしました!
ああ、こういう読後感、最高! こういう本、好きだな~。

コメント
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