シャンテ サラのたわ言・戯れ言・ウンチクつれづれ記

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スパコン開発競争

2007年09月18日 | 電子産業は花形?
地球シミュレータ棟の床下は、ケーブルの波。 ケーブルがうずたかく積もり、場所によっては 45cm にまでなっている (写真中央)。 聯想の賀志強 CTO (写真右下)。

こういう競争は、ぜひやってもらいたいですね。
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「次世代スパコン開発が本始動 今後の展望は?」(9月17日 産経新聞)_5年後の2012年完成を目指して、日本が国家プロジェクトとして取り組んでいる 次世代スーパーコンピューターの開発計画が、本格的に動き出した。 目標に掲げた計算速度は1秒間に1京回 (京=けい=は10の16乗、兆の1万倍)。

現在の世界最速機 (米国・ブルージーンL) の約36倍で、「地球シミュレータ」(02年完成) 以来の世界一を目指す。 次世代スパコンは私たちの生活に何をもたらすのか。 開発の主体となる理化学研究所・次世代スーパーコンピュータ開発実施本部の渡辺卓 (ただし) プロジェクトリーダーに、開発の意義と展望を聞いた (※追加1へ続く)。
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「“スパコン” 世界一 奪回へ官民全力」(7月29日 iza)_3年前まで世界首位だったスーパーコンピューターの開発競争で、日本の劣勢が目立ってきた。 調査団体による最新性能ランキングでは、NEC の「地球シミュレータ」が20位に後退。 日本勢は10位内から姿を消した。

「新技術開発のインフラ」といわれるスパコンは、生命科学や温暖化の解析など幅広く使われており、その開発は国家プロジェクトの色合いが濃い。 劣勢を巻き返そうと、国とメーカーは次世代機の開発に乗り出したが、“日の丸スパコン” の世界一奪回は、越えるべきハードルが高い (※追加2へ続く)。
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「地球シミュレータ」のシステム概要 (NEC の HP から) _「地球シミュレータ」は、海洋科学技術センター横浜研究所 (神奈川県横浜市金沢区昭和町) 内にあるシミュレータ棟 (設置面積 ; 50m×65m) に設置され、1CPU 当たり 8ギガ FLOPS のベクトルプロセッサ8個からなる計算ノード 640台 (合計 5,120CPU) を高速のネットワークで接続し、最大性能 40テラ FLOPS (1秒間に40兆回の計算速度) を実現する、多目的用として世界最高速のスーパーコンピュータであります (※追加3へ続く)。
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「聯想:8テラフロップス『スパコン』F1 チームに納入」(7月23日 サーチナ・中国情報局)_聯想 (レノボ) の賀志強高級副総裁兼 CTO はこのほど、8テラフロップスの処理速度を持つスパコンを F1 チームの AT&T ウイリアムズに納入したことを明らかにした。 今後は08年の北京五輪大会までの100テラフロップスのマシンの完成を目指すという (※追加4へ続く)。
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「地球シミュレータ Earth Simulator」は1997年末に NEC が基本設計を受注、98年度に要素技術を設計・試作、99年度に詳細設計、2000年度に本体製作を受注、02年完成 世界最速機となるものの、04年には米 IBM が開発したブルージーン Blue Gene に首位の座を明け渡しました。

地球シミュレータの CPU は、0.15ミクロン (μm) 銅配線プロセスが使われましたが、次世代スパコンは 45nm 半導体プロセスや光インターコネクトなどの技術を採用し、理研のほか 富士通、NEC、日立といった国産ベンダー3社が参加します。

もう 45nm CPU は、1社では開発できず、3社でかからないと、無理なのでしょう。 ぜひとも成功させて欲しいものですね。 競争相手は米国だけではなく、中国もダークホースかも。

以上

以下は興味ある人のみ お読み下さい。

※追加1_ ■1,150億円_国の総合科学技術会議は昨年3月、世界最速を目指す次世代スパコンを「国家基幹技術」に指定した。

1秒間に1京回の計算能力を目指す 次世代スパコンは「10ペタフロップス機」(ペタは10の15乗) とも「京速計算機」とも呼ばれる。 建設地は、神戸市のポートアイランドに決まり、現在は計画のアウトラインである概念設計を終え、詳細設計がスタートした段階。 約1,150億円の国費を投じる巨大プロジェクトだ。

世界トップ級の国産スパコンといえば、海洋研究開発機構の「地球シミュレータ」が、まだ記憶に新しい。 36テラフロップス (1秒間に36兆回の計算能力) という性能は、02年春から2年半にわたって世界の頂点に君臨した。 だが、最新のランキングでは地球シミュレータは世界20位まで後退し、日本製では東京工業大の「TSUBAME」(48テラフロップス) の14位が最高だ。
 
地球シミュレータの開発にも携わった渡辺さんは、「地球シミュレータの計画段階では、米国側はノーマークだった。 今回は計画段階から注目されており、米国との競争は厳しいものになる」と話す。 米国もブルージーンの後継機で、京速に並びかける動きを見せている。

■半年で成果_「完成時に世界最速になれると考えているが、それが私たちの目標ではない。 最速のコンピューターを使って何ができるかで真価が問われる」と渡辺さんは強調する。 完成から半年程度で、これまでのスパコンでは実現不可能で画期的な成果を挙げるのが目標。 そのために、京速の性能を最大限に生かせるソフトウエアの開発を進めている。

目玉の一つが「生命体統合シミュレーションソフト」の開発だ。 私たちの体では、分子、細胞、心臓や肝臓などの組織・器官、全身と階層的に精妙な生命現象が営まれている。 生命現象を丸ごとシミュレーションすることは、現在のスパコンでは不可能だが、10ペタフロップスが実現すれば可能になるという。 新薬や治療技術の開発など、私たちの生活に直結する成果が期待される。

■オールジャパン_スーパーコンピューターによる大規模シミュレーションは、理論、実験と並んで現代の科学技術を支える柱だ。 京速計算機は生命科学のほか、ナノテクノロジーやバイオサイエンス、自動車や航空機の設計開発、地球や宇宙の成り立ちを探る天文物理など、幅広い分野で新しい世界を拓く可能性を秘めている。

コンピューターは、膨大なデータを1つずつ処理するスカラー型と、多くのデータを並列処理するベクトル型に大別される。 米国のブルージーンはスカラー型、地球シミュレータはベクトル型だ。 それぞれに一長一短があり、日本の次世代スパコンは両者を組み合わせたハイブリッド (複合) 型になる。

あらゆる分野をカバーする 汎用コンピューターとしては、互いの短所をカバーし、長所を生かせる複合型が有利。 理研は、世界に先駆けて複合型コンピューターを開発した実績もある。 京速スパコンを中心に 最高のコンピューターネットワークを構築し、その次の世代でも世界最高水準を目指す構想も描かれている。

渡辺さんは「次世代スパコンの開発は、産官学を巻き込んだオールジャパンのプロジェクト。 得意分野を結集して、米国に負けない性能を実現する」と強い意欲をにじませた。
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※追加2_「トップはまた『ブルージーン』か…」。 国内のスパコンメーカー担当者が肩を落とした。
 
ブルージーンとは、米 IBM が開発したスパコンで、米国で人間の遺伝子研究に使われている。 調査団体が毎年2回公表する「トップ500ランキング」の6月分の発表でも、3年前に NEC から奪った首位の座を守り通した。
 
トップグループのスパコンは年率1.8倍で処理能力を高めているが、日本製は1.6倍にとどまっており、世界との格差は開く一方だ。
 
こうした現状の打開に文部科学省は1,100億円超を投じ、次世代スパコンの開発に着手。 NEC、日立製作所、富士通の企業連合らとともに、平成22年度の完成に向け準備を進める。
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※追加3_ このたびの運用開始により、コンピュータ上に地球の種々の現象を映し出す「仮想地球」を実現し、地球規模の気候変動の解析・予測や長期間にわたる地球変動現象の解明等が可能となります。

地球観測衛星やブイ等からの観測データ等を積極的に活用しながら、地球温暖化、大気や海洋の汚染、エルニーニョ現象、集中豪雨及び台風の進路予測等の複雑な現象を理解することができ、経済社会活動の発展や地球環境問題の解決への貢献ができるものと期待されております。 さらに地殻変動、地震発生等の現象の解明への貢献も期待されております。

NEC では、1997年末に基本設計を受注して以来、全社の総力を挙げて本プロジェクトに取り組んでまいりました。 1998年度の要素技術設計・試作、1999年度の詳細設計及び2000年度の本体製作を受注し、このたび本体納入を完了いたしました。

1). 最先端の半導体テクノロジの採用
2). 0.15ミクロン (μm) 銅配線プロセス、約 6,000万 トランジスタと最先端の超高速・高集積の CMOS テクノロジを採用し、超高速を実現している。
3). 超大規模な並列システムの実現

4). CPU 当たり 8ギガ FLOPS のベクトルプロセッサの8個からなる計算ノード (64ギガ FLOPS) を 640台 (合計 5,120CPU) 高速な結合ネットワークで接続し、最大性能 40テラ FLOPS の超大規模な超高速ベクトル並列計算機システムを実現。 主記憶も、計算ノード内の共有メモリで 16Gバイト、システム全体では 10テラバイトの大容量となる。

5). 大幅に強化された UNIX ベースの基本ソフトウェアと開発環境

6). NEC 製スーパーコンピュータ 「SXシリーズ」用に開発された UNIX ベースの基本ソフトウェアである「SUPER-UX」を超大規模システム向けに大幅に強化・拡張して提供。 また、プログラム開発環境として自動ベクトル化・自動並列化を行う、Fortran90、HPF、C、C++等の言語コンパイラや、メッセージパシングライブラリ MPI2、ノード内数学ライブラリ ASL/ES を提供。
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※追加4_ 聯想が納入したサーバー (HPC サーバ) は、国内で初めて商用化されたもので、価格は 1,000万元 (約1.6億円) 以上とみられる。 賀高級副総裁によると、同社は既に 100テラフロップスのマシンを製造する技術力があり、市場の状況により事業展開の進度を検討する。 目下のところ、海外市場のニーズが国内より大きいという。 

同社サーバー業務部の牛紅総経理によると、聯想はスパコン分野を重視しており、国内と海外で市場が発展しつつある現在は大きなチャンスだと考えられる。 そのため、牛総経理は同分野で国家のサポートを得たいとの希望を述べた。

以上

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