シャンテ サラのたわ言・戯れ言・ウンチクつれづれ記

"独断と偏見" で世相・経済からコミックまで 読んで楽しい 面白い内容を目指します。 

サブプライムの現場では

2007年09月17日 | 金融危機いつまで
独仏で吹き出した サブプライムローン (SPL) の影響による金融機関の騒動が鎮静しかかったところで、英国でも騒動が噴出しています。 また SPL 騒ぎの震源地アメリカでの現場の状況は?
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「米国 住宅バブル崩壊 100万軒が差し押さえに」(9月15日 毎日新聞)_米国のサブプライム住宅ローン (信用度が低い借り手用の融資) が破綻し、世界経済を揺るがせている。 カリフォルニア州などで住宅バブルがはじけたのがきっかけ。 ローン返済が滞り、競売にかけられた住宅数は7月だけで全米で約18万軒。 今年末までに100万軒が差し押さえられるという。 一体、何が起こったのか―― (※追加1へ続く)。
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「英中銀がノーザン・ロックに金融支援、信用収縮で資金繰り悪化」(9月15日 ロイター)_イングランド銀行 (英中央銀行) が住宅金融大手ノーザン・ロックに対して金融支援を行うこととなった。 イングランド銀行による金融機関の救済は1997年に中銀の金融政策の独立性が認められて以来初めてとなる。
 
ノーザン・ロックは、米 SPL 問題に端を発したクレジット市場の危機により資金繰りが悪化し、イングランド銀行に緊急支援を要請していた (※追加2へ続く)。
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「サブプライム問題で世界金融市場やや不安定化、いくばくか日本に影響/日銀総裁」(9月14日 ロイター)_内閣府幹部によると、14日午後に開催された月例経済報告等に関する関係閣僚会議で、福井日銀総裁は、日本経済の先行きについて、緩やかだが息の長い拡大が続く可能性が高いとし、最近の市場動向について、米 SPL 問題によって世界の金融市場がやや不安定化しており、いくばくか日本の市場にも影響が出ていると述べた (※追加3へ続く)。
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5年ほど前から、REIT が好調という一方で もう頭打ちだという話しもありましたが、伸び続けてきました。 不動産投資信託 (Real Estate Investment Trust) は、オフィスビルや不動産への投資ですから、個人を対象とする SPL とは無関係だと思うのですが、信用収縮で REIT も売られているとも聞きます。

米ローン会社の幾つかが破綻するなどして、ウミだしが一段落すれば、信用不安も収まると想像するのですが、証券化された SPL はどこでいつ火を吹くか 予想がつきません。 いわば証券にタイムスイッチが付いていて、時間がくるとタイムスイッチが動いてマッチを擦るようなものです。

怪しい証券に予め水をかけておくことも出来ず、取付け騒ぎが広がらないよう、中央銀行がフンダンに資金供給するしか手がないのでしょうね。

以上

以下は興味ある人のみ お読み下さい。

※追加1_ サンフランシスコから車で東に2時間、銀行の差し押さえ率全米一のストックトン。 市中心部にある裁判所前で始まった競売はわずか5分で終了。 約30件の不動産が差し押さえとなった。 ブドウ畑に接する新興住宅地では真新しい家に「大幅値下げ」の看板がかかる。
 
サンフランシスコやサンノゼの高所得者が投資目的でセカンドハウスを購入したため、不動産価格は2000年から毎年10%超も上昇。 04年には前年度比43%、05年には63%も急騰した。 住宅ローンは「頭金2割、30年」の固定金利が基本だが、金融機関は「頭金なし、最初の1~3年間は金利のみ」、またはごく低利の金利のみを払えばいい変動金利ローンを設定し、投機ブームをあおった。
     
不動産業のクレア・キティラスさん (30) は04年初め、33.6万ドル (約3,860万円) で家を購入。 1年たらずで56万ドルに値上がりしたため、変動金利ローンに借り換え、借入金の一部を2軒目の家 (56万ドル) の購入費用に充てた。 当初は30年固定金利ローンで支払いは月1,600ドルだったが、変動金利に変えたため今年は2軒分で月5,800ドル。 価格は下がり、転売もローン借り換えも不可能になった。「どうせ30年も住まないし、価格は上昇し続けると思っていた」と唇をかむ。
 
地元の不動産ブローカーのルイス・マウーツアさん (37) は「悪質なのはサンフランシスコなどのブローカー」と前置きしたうえで、具体的な取引例を明かしてくれた。「預金も良い仕事も信用もなし、家が欲しい気持ちだけがある、という市民に貸し付けた。 完済能力があるのは2割だった」

借り手に現金がないため、ローン申請書に借り手の偽の収入証明書を添付するブローカーも。銀行側も気にしなかった。
  
住宅ローンは証券化され、結局損をしたのはヘッジファンドや海外の投資家だ。 マウーツアさんは振り返る。「欲にまみれた借り手、非倫理的な方法で貸し付けたブローカー、きちんとしたガイドラインがなかった銀行。 責任は全員にある」

サンフランシスコやニューヨークのマンハッタンは居住空間が限られているために不動産価格が下がりにくいが、ストックトンの周囲には農地が広がる。 シリコンバレーのような地場産業もない。 価格はあと2年は落ち続けるとみられる。
 
マウーツアさんは「政府は救済のために税金を投入すべきではない。 バブルはまた起きる」とみる。 調査会社のハウジング・プレディクターによれば、米国人の8割が同意見だそうだ。
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※追加2_ 英政府は14日、イングランド銀行に対し、住宅金融大手ノーザン・ロックへの金融支援を承認。 イングランド銀行および金融サービス機構 (FSA) と共同で声明を発表し、「ノーザン・ロックに対する流動性支援ファシリティーの提供は、同社の長期的な資金調達や、モーゲージ証券化市場へのアクセスが困難になっていることを反映したものだ」と指摘した。
 
イングランド銀行は、ノーザン・ロックの支払い能力に問題はなく、短期的な支援が必要なだけとした。
 
ダーリング財務相は BBC ラジオに対し、イングランド銀行に金融支援を求めてきたのはノーザン・ロックだけで、英国の経済や銀行システムは力強さを維持していると指摘。「現時点では、銀行システムには潤沢な資金がある。 ノーザン・ロックのような金融機関が必要としている資金を短期的に貸し出していないだけだ」と述べた。

ノーザン・ロックの SPL へのエクスポージャーは資産全体のわずか 0.24% だが、預金ベースが小さく、資金調達の大半を資金市場から行っていたことから、流動性のひっ迫に対して脆弱だった。
 
同社のアダム・アップルガース最高経営責任者 (CEO) は、イングランド銀行に支援を求めた緊急融資は「明らかにかなりの金額」に上り、具体的な上限はない、と述べた。
 
また、流動性のひっ迫状態がどれだけの期間続くかは予測できないが、イングランド銀行による緊急支援は「流動性ひっ迫が過ぎ去るまでの十分な期間」にわたって続くだろう、と語った。 資金調達コスト高などが今年と来年の業績に悪影響を及ぼすことも避けられず、雇用削減の可能性があると話した。
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※追加3_ 福井日銀総裁は日米欧の企業金融について、リスクに対する慎重な姿勢が資産担保証券 (ABS) にとどまらず、クレジットマーケット全体に影響を及ぼし、社債の国債に対するスプレッドは日米欧ともに少し拡大していると説明した。 ただ、このスプレッドは03年から04年にかけて大幅に縮小していたとして、行き過ぎたスプレッドの縮小が修正されたとの理解が十分可能との見方を示したという。
 
また、福井総裁は日米欧の金融市況に関連して、日本の株価の下落幅が欧米と比べてやや大きくなっていると言及。 背景として、外国人投資家が流動性確保のために日本株の売却に転じた点を挙げたほか、円高もこれに影響しているとの見解を示したという。
 
福井総裁はこれらの動きについて、リスクの再評価、プライシングを見直すためのプロセスとみなすことができるとした上で、実体経済への影響、特に海外経済への影響について、注視する必要があるとの見方を示したという。
 
また、内閣府幹部によると、渡辺金融・行政改革担当相は同会議で、米国の8月雇用統計が悪かった点や、米国の貯蓄率が伝統的な水準に戻ることになれば相当米国経済が減速する可能性などについて言及。「ボンドの世界でお金が流れにくくなることがもっと激しくなると、米国のファイナンスの問題につながる」との見解を示したという。 また、渡辺担当相は、一番厄介なことは、「ダラークライシス」が発生することで、そうなれば日本は一番困ると指摘。

「ニクソンショックと同じような状況になるかもしれないという人もいることで、十分にウォッチしてもらいたい」と指摘したという。

以上

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