シャンテ サラのたわ言・戯れ言・ウンチクつれづれ記

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スマホや車の減産は半導体不足だけが理由?

2021年10月21日 | 電子産業は花形?
左はトヨタ自動車九州宮田工場の生産ライン。 右は記事※2から。
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1年ほど前から始まった 半導体不足による自動車産業の減産がなかなか解消されない中、スマホや他の製品にまで減産傾向が見られるようになってきました。
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『アップルは iPhone13 生産目標下げ方向、半導体不足で』(10月13日 Bloomberg ※1) __ 米アップルは10~12月に 9000万台の新型モデル iPhone 13 生産を見込んでいたが、ブロードコムとテキサス・インスツルメンツ (TI) が十分な部品供給に苦慮しているため、2021年の生産目標を最大 1000万台引き下げる見通しだ。

『世界的半導体不足とコロナのダブルパンチ!』(10月17日 ベストカー ※2) __ 日系8メーカーのウエブサイトでは “納期遅延” が発生している4社がお詫びを掲載している。 世界的な半導体供給不足や ASEAN 地域からの部品供給不足が発生しているためだ。
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東南アジアではいまだコロナ禍が収まらず、サプライチェーンにおける部品供給の目詰まりが起きています。 新車を発注する際に あるオプションを付け足すと、部品不足で納車が伸びるという話しもあります __

「この2月 新車を購入しようとしたら、納車が5月まで遅れました。 メーカーオプションの 後方をチェックするドライブレコーダーを省いて購入しましたが、それを発注して到着を待っていたら、もっと納車が遅れたそうです」(10月15日 ダイヤモンド・オンライン『半導体不足が日本の経済回復を遅らせる衝撃度、見落としてはいけない3つの視点』 ※3)

半導体不足や、コロナ禍の影響が給湯器にも及んでいる?との報道が __

『壊れた給湯器が「交換できない!?」 コロナ禍の物資不足がここまで』(10月17日 まいどなニュース ※4) __ 管理会社から連絡があり「今コロナの影響による半導体不足で国内に給湯器の在庫がひとつも存在してないんです」と … 半導体というよりは、ベトナムから供給を受けている部品の遅延が影響し、日本での製品組み立てが滞留している。

この件は何の部品かは不明ですが、半導体ではないようです。

__ といった具合で 色々な製品のパーツが複数の国から集積される生産体制が出来上がっているのですが、コロナ禍による遅延で最終組立地にパーツが納期通りに揃わないと 計画された生産に支障をきたす例が続出しています。 代表例が自動車であり、電子機器ですが、場合によっては給湯器なども、という具合ですから、今後 どんな製品がいつなんどき “入荷未定” ともなりかねません。
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半導体に限っていうと 不足が叫ばれているのは最先端製品ではない、枯れた “古い世代” の製品群が多いと推測します。 というのも 半導体を製造するメーカーは投資を最先端製品に集中しますから、最先端分野は製造能力が増えますが 古い世代の製品分野には投資が回りませんから、その分野の製造能力はなかなか増えません。

自動車産業で必要とされる半導体の多くが、パワー系など この古い世代に属しますから、不足感が一向に解消されないのです。

記事※1中のブロードコムと TI が供給するのは、それぞれ “無線関連向け・ディスプレー向け” で、これらも枯れた製品群です。 製造しているのは、台湾の TSMC などのファウンドリ (受託製造会社) と推測します。 iPhone13 の頭脳に相当する CPU 製造も TSMC ですが、アップルは調達不足とは表明していません。
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もう1つ 中国の大手ファウンドリ SMIC 社 が古い世代の生産の一部を担っていたのですが、米中対立の構図を受け 影響を避けようと (発注元の中国以外の) 自動車メーカーの多くが、発注先を SMIC から台湾などのファウンドリに切り替えたのです。 そのファウンドリにしてみれば 急に受注が増えても、元々のキャパ (製造能力) が増えてない事から 受注をこなしきれてない、という “地政学的な事情” もあります。

こうした様々な要因が重なって 1年も半導体不足が、特に自動車産業で続いています。

それでは いつ頃 半導体不足が解消されるのかというと、新設半導体工場が稼働するのに2年掛かるといわれますから、2023年頃から徐々に供給が増え 2024年には供給が需要を上回るともいわれます。

つまり 2024年に半導体供給が需要を上回る、早くいうと “半導体不況が再来するかも” 知れません。 しかし これは過去において何度も繰り返されてきた事なのです。
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半導体産業は24年には生産能力過剰が発生するということが、半導体業界に詳しい人であれば みんな知っているにもかかわらず …『TSMC の支援で日本の半導体産業が再興すると考えるのはあまりにも浅はか』(10月19日 RecordChina ※5)

国際半導体製造装置材料協会 (SEMI) によると、半導体メーカー各社が発表した新たな生産拠点の着工計画は2022年までに世界29カ所に上る。 ただ 実際の稼働までには2年以上かかる見通し __『半導体不足、電気製品に波及』(7月4日 時事通信 ※6)

TSMC は世界的な半導体不足の解消時期はスマートフォン向けなどの先端品が22年、自動車向けなどの一般品が23年になるとの見通し __『半導体不足は年内続く』(4月16日 日経 ※7)
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半導体が余ってきたら すぐに製造を絞ればいいと考える方もいるでしょうが、半導体製造は材料を仕込んでから、出来上がるまで3ヶ月~半年位も掛かりますから、その間に柔軟な対応は元々無理なのです。

今川焼きを焼いている職人さんが、購入者の列が減ってきたら 焼くのを一時止めればいいのですが、半導体を焼いている工場からは購入者の列が見えるという事ではないのです。

今日はここまでです。

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