古都探索日記

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教会音楽への扉 ミサ曲ロ短調 Ⅱ

2020-07-23 13:11:38 | 音楽
 7月22日、朝日カルチャーセンターにて受講。講師は吉田文先生。画像はクレドの構成表。

 今回のテーマはカトリックミサ通常文の中核となるクレド(Credo inum Deum)。ニカイア信条とも言われ教徒が信仰を誓う文言が並ぶ。このクレドにバッハが込めた秘策の数々についての講義内容について紹介。

 ①教会音楽の歴史を込める。1曲目Credo innum Deumにはグレゴリア聖歌(中世)、パレストリーナ様式(ルネサンス)、通奏低音(バロック)の様式が使われている。

 ②構造 クレドは8の部分で成り立つがバッハの3番目のEt in unum Dominumの最終部Et incarnatus estを独立させて4番目とし、全体を9部にした。5番目のCrucifixusを中心にしたシンメトリー構造に造り変えたのである。
理由は当時シンメトリーは究極の美とされていたのとルター派では十字架が最も重要とされているからである。(カトリックでは復活)。

 ③調性 各曲に使われている調性はニ長調を主長にして地上(2、9)を表わし、天上を属調のイ長調(1、7)、神秘のロ短調(4)、最下のホ短調を中心の(5Crucifixus)に使って天と地に行き来を表現。

 ④拍子 Crusifixusには最も重い3/2拍子が使われている。

 他にはルター派の当時の礼拝に式次第について。ルター派ではカトリックの典礼を継承して、キリエとグロリアとサンクトゥスの1部分は礼拝に使われていた。

 以上、講義内容を簡単にまとめたが実際はもっと濃密で幅広く私の知識ではなかなか追いつくことができなかったが、遺作といわれるこの作品へのバッハの執念が感じられた。

 素晴らしいレクチャーありがとうございました。
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