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新JOOKOのふぉとエッセイ

     東海道53次探検ウォークや、四季折々の出来事
     そして仏像造顕所勢山社関連など、写真もお楽しみに♪

諭鶴羽神社の500年祭

2009-03-31 | 勢山社特派員だより
一年ぶりの淡路島は、雨と強風で大荒れ状態。
「昨日は良い天気だったのに今日は春三番ですよ」と、途中立ち寄ったサービスエリアの売店の人。なるほど、昨年と違いかなり暖かく、ほんの少しだが木々が芽吹き、山肌のところどころで桜が咲きはじめていた。

淡路島の最高峰諭鶴羽山(608m)にある諭鶴羽神社までは、狭い山道をぐんぐん登る。急坂が多くそれでなくとも冷や冷やなのに、途中から濃い霧で周囲がまったく見えなくなってしまった。

不安にかられながら、諭鶴羽神社に到着すると法螺貝の音が響き渡ってきた。鳥居や木々はもちろんのこと、100人ほどの参列者が霧に覆われぼんやりとしたシルエットだけが浮かびあがっている。

2000年前に創建されたと伝わる諭鶴羽神社では、戦国時代頃まで修験道の山として護摩法要が盛大に行われていたらしい。だが、その後2度の兵火にかかり衰退の一途をたどってしまったとのこと。

行者の山田智泉氏が発願し、渡邊勢山師によって造顕された大日如来像は、平成20年3月に諭鶴羽神社境内のお堂に遷座。念願がかない500年前の姿に戻られ、長く途絶えていた諭鶴羽修験道「採燈護摩法要」の復興(500年祭)となった。
    

宮司さんが祝詞を奉じ関係者の祈祷が済むと、一年前と同じく、あの美しい舞が奉納された。時折本殿内を吹きぬける風が舞人の衣をひるがえす。まるで神々の祝福を受けているようだ。
    
    

いよいよ護摩法要だ。いつの間にか雨は止んでいて風も少し弱くなっている。
大きな護摩壇の前で、熊野で活躍の行者の方々による、鉞・弓・剣を使った儀式の後護摩壇に火が入れられた。
煙と霧が混ざり白い空間が更に増し、赤い炎とのコントラストが幻想的だ。
    

淡路島の繁栄や世界平和などが祈願され、法螺貝が鳴り響き般若心経が唱えられる中、立ち上る炎の中に護摩木が次々投げ入れられる様は、今まで見たことのない光景だった。
私はもちろん、参列者は片時も眼が離せない様子。それぞれが願い事を念じていたのだろう。
    

降り続いていた雨が、ところどころに水溜りをつくっていたことなど頭の片隅にもなく、刻々と変る目の前の光景にいつしか夢中になり、私は様々な角度からシャッターを押した。お陰で足元は泥だらけに。

2時間をかけ法要が無事終了。
ほっとした空気が流れ、「集合写真を撮りましょう」の呼びかけに皆嬉しそうに応じた。

はちきれんばかりの笑顔を撮り終わったとたんに雨粒が。再び土砂降りになったことをどう説明したら良いのだろうか。
眼に見えない力・・・を感じた日だった。

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