新JOOKOのふぉとエッセイ

     東海道53次探検ウォークや、四季折々の出来事
     そして仏像造顕所勢山社関連など、写真もお楽しみに♪

あれから10年

2021-03-17 | ノンジャンル
ゆらゆらと続いた長い揺れに、まるで船酔いのような気分の悪さに襲われてその場に立ちすくむことしかできなかった。

職場が1階だったからか、何かが倒れてきたり物が落ちたりという実害はなさそうと一安心しながら家族のことが心配に。

テレビ画面からのリアルタイムな映像を目にしても、いったい何がおきているのか理解できないまま職場での対応に追われ、気が付けばもう退社時間が過ぎていた。

家族のことが心配でも携帯がつながらない状態の中、当時職場が近かった娘が私のところに寄ってくれて無事を確認しあえたのが何よりだった。

電車が止まってしまったので歩くしかない!
家がどういう状態なのか・・・。
もしかしたら、物が散乱しているかも・・・と覚悟を決めて、まずは腹ごしらえと二人で食事を。

ようやく家にたどり着いた後、しばらくして夫も徒歩で帰宅。
娘と私は大丈夫だったけれど、夫の職場では机などが動き回りパソコンが落ちたりしたとのこと。

同じような状況でも、その時にいた場所の条件などで経験することは様々だ。
どう行動するかは予測できないこともあるが、まず自分自身を守ることが大切だと実感した。

現地の情報が入ってくるにつれて、あまりの悲惨さに同じ時間を暖かい場所で過ごしていることが申し訳なく思え、何もできないことへのジレンマに襲われた。

その後も余震が続き、物不足や計画停電・・・そして原発事故。
不自由な生活は我慢できるとして、言いようのない不安感が付きまとう日々が重苦しかったからか、いま思い返しても、あの年の春の景色はあまり記憶にない。

ようやく日常が戻り心に余裕ができた頃、ささやかなボランティア参加や復興支援ツアーなどで被災地を訪れたが、その時の衝撃は忘れない。

東日本大震災から10年。
久しぶりに雷が鳴り響いて大雨が降り、春の嵐が過ぎ去った翌日は穏やかな晴天に。
暖かい日が続き、本格的な春の訪れが近いことを感じさせてくれるこの頃だ。

ふと思いつき、大震災の後ガソリン節約のため、徒歩でスーパーへ向かう途中に立ち寄った公園へ行ってみた。

10年前の今頃は確か寒い日が多くて、フキノトウがようやく姿を現し始めていたような。
今年は河津桜が若葉に覆われ、こぶしやモクレンが満開に。
      
    

思いがけず10月桜にも出会えたりと景色は穏やかなのに、新型コロナウィルスに振り回される日々はもう一年。
自然災害なども含め、日常が脅かされることが年々増えてるような気がする。

これから先何が起きるのか・・・。
そんなことを考えるとちょっと不安になるけれど、四季折々の風景や誇らしげに咲いている草花などを目にすると元気がもらえたりも。

どんな状況でも工夫して、自分なりの日々を過ごしていきたい。