新JOOKOのふぉとエッセイ

     東海道53次探検ウォークや、四季折々の出来事
     そして仏像造顕所勢山社関連など、写真もお楽しみに♪

夕焼け富士山

2008-02-20 | ノンジャンル
「富士山」がその姿を現してくれると、それだけで幸せな気分になるのは私だけではないだろう。

特に冬の富士山の美しさは格別だ。
綺麗だな~写真を撮りたいな~と思っても仕事もあるし、いつも思い通りになるわけではないけれどチャンスがあれば、がモットー!

用事を済ませての帰り道にスッキリ晴れた空を確認し、「よし、今日の富士山は大丈夫そう」と、夕食の下ごしらえを済ませ電車に飛び乗った。

滑り込みセーフで、日没の30分ほど前に鵠沼海岸に到着。
空がほんのりピンク色に染まり始め、富士山は優しげな表情だ。
          

ここのところ、朝晩が冷え込むので厚着をしてきたからそれほど寒くはないが、何より風がないのがありがたい。

海辺には散歩やジョギングをする人もいるし、カメラを構えている人ももちろんいる。
「やっぱりね~」考えることは皆同じだ。
      
太陽が雲に隠れ、いつの間にか空はオレンジ色に変化していた。
    

時が経ち箱根の山の向こうに姿を消した太陽は、山々などのシルエットを美しく浮かびあがらせている。
「フイルムカメラではもう限界・・・」3日間続けて通って来ていたという大先輩が、自転車で走り去った。

空が藍色に変り始めた。
夕闇に包まれる前のこの時間が、私はとても好きだ。
日の出から日没までって何だか人の一生のよう・・・などと少しだけ感傷的な想いにかられる。
    

動かない山々に対し、自由自在にその姿を変えることのできる雲と、様々な表情を見せてくれる海、そして太陽が一体となりドラマチックな光景を演出してくれるのだから、先ほど出合った大先輩のようにここでの撮影にはまってしまいそう。

「来て良かった!」
そう思い辺りを見回したら、一人海辺に取り残されていた。

瑞泉寺の雪景色

2008-02-09 | ノンジャンル
めったに降らない雪だから、きっとこんなに心が浮き立つのだ。
どこに行こうか散々迷い、降りしきる雪の日に世田谷の豪徳寺で撮影をしたのに、翌日まだ溶けきらない雪を見てまたウズウズしてきた。
午後なら時間がとれる・・・と思ったらもう行くしかない。

年が明けての目標は撮影のスキルアップ。そのためには「撮る」ことを目的にした一日を定期的に確保しようと思っていたので丁度良い。

場所はやはり鎌倉に決めたが何処に的をしぼろう・・・と考え、いつでも何かしら花が咲いている瑞泉寺に向かうことにした。

途中には鶴岡八幡宮や荏柄天神社、鎌倉宮などがあるが3時間ほどしか時間がとれないから、ひたすら瑞泉寺に向かう。

鎌倉宮を過ぎ二階堂川の小さな橋を渡ったあたりから、心もち雪の量が多くなったようだ。
瑞泉寺を選んだのは、天園ハイキングコースを背に山懐にいだかれているので、もしかしたら雪がたくさん残っているかなと思ったのも理由の一つ。予想どおりなのが嬉しい。

拝観受付近くの梅はまだ蕾だ。山門までの長い階段はきれいに雪かきがしてあり、滑る心配はほとんどない。当たり前のように歩いているが、こういう配慮は本当にありがたい。

山門をくぐると見慣れた景色だ。
梅の古木の堂々とした姿は、花をつけていなくともしっかりと存在を主張していたし、溶け残った雪がその様を際立たせていた。

ロウバイや椿、紅梅や水仙が咲き、そして例年だとお春のお彼岸のころに咲くミツマタの蕾がふくらんでいて、瑞泉寺の庭には春の兆しがあふれている。
      

    

鎌倉駅から歩くと40分程かかるのに訪れる人が途切れないのは、雪が降るなんて珍しいこと、と想いはきっと一緒なのだろう。
それほど広くはない庭園だが、通路を行ったり来たりして何度も巡り、位置や角度を変えて撮るから飽きることはなかった。

4月からは、講師同行で鎌倉での撮影会に参加させてもらうことになっているから、今日はその予行演習?
どんな撮影会になるのだろう。とても楽しみだ。

「雪合戦しよう!」と、元気な声が聞こえた。
帰り道は子どもたちの下校時間と重なり、校庭のすみに残った雪で遊ぶ子や、道端の雪で戯れる帰宅途中の子たちの姿に、つい笑顔がこぼれてしまう。

電車はちゃんと動くかしら?とか、翌朝凍ったら通勤や通学が大変・・・などと心配しながらも、「今日は買い物に行けない(行かない)わ」「帰りが心配だけど墨絵のような雪景色が素敵!」との雪の日の友人からのメールには、雪を楽しんでいる様子が添えられていたのもほほえましい。

交通機関などにあれこれトラブルもあったが、久し振りの雪景色を楽しませてもらった2日間だった。

一週間後の今日、夕方からまた雪になった。
明日はまた銀世界になるのだろうか?

雪の日に豪徳寺へ

2008-02-05 | ノンジャンル
2月3日、休日にしては早い時間に、「箱根は墨絵のような雪景色よ!」と親しい友人からメールが入った。

雪・・・?
寝ぼけた頭ではすぐ理解が出来ず、ワンテンポおいて飛び起き雨戸を開けたら一面銀世界!予報が当たったんだ!!
確か2年ほど前にもこういうことがあり、その時は家の近くを散歩したが、後になって鎌倉へでも行けば良かったと悔やんだことを思い出す。

今日こそはカメラを持って出かけよう!と思いたったが、午後には用事があるから限られた時間で行動しなければならない。

あれこれ考え世田谷の豪徳寺に行くことにした。
豪徳寺には一昨年完成した三重塔があるし、木々も立派で確か梅の木もある。何度か訪れているが、雪景色は初めてだから気分はワクワクだ。

まるで雪国のような景色が車窓に流れ、雪は止む様子がない。
電車にトラブルがなければ良いけど・・・と、ちょっぴり不安がよぎる。

素晴らしい雪景色!やはり思ったとおりだ。
本堂の両脇には紅梅と白梅が植えられていて、見ごろを迎えた紅梅が雪の白さに映えとても美しい。

その昔、彦根城藩主の井伊直孝を白猫が招き落雷から救った、という伝承がある豪徳寺は招き猫ゆかりのお寺さんで、三十塔の軒先にも猫さんが遊んでいる。招福猫観音堂横には、たくさんの招き猫が奉納されていて、寒がりなはずの猫さんたちも、思いがけない雪景色を楽しんでいるよう・・・私にはそう見えた。
    

ドサッ!バシッ!と、時々ものすごい音を立てて屋根から雪の塊が落ちてくる。雪は時々強く降り一向に止む様子がない。
四方八方から舞い、傘をさしていてもカメラがすぐに雪だらけになってしまうので、ほとんどがお堂の軒先からの撮影となった。

雪化粧をした境内は、いつもにも増して趣があり被写体には事欠かない。
「こういう景色はめったに見られませんよね~」と、お参りに来られたご家族連れも笑顔だ。

夢中になって一時間半ほどがあっという間に経ち、そろそろ時間切れだ。
山門からの景色をもう一度心にとどめ豪徳寺を後にした。
    

駅に向かいながら、手がひどく凍えていることに気がついた。
でも心はとても温かかった。