新JOOKOのふぉとエッセイ

     東海道53次探検ウォークや、四季折々の出来事
     そして仏像造顕所勢山社関連など、写真もお楽しみに♪

信貴山に戻られた弘法大師様

2021-11-30 | 勢山社特派員だより

勢山社で修理が行われていた弘法大師像が、10月末に信貴のお山に戻られました。




久しぶりに訪れた信貴山でしたが、この日はあいにくの雨!
管長様の計らいで、山内用の小さな車が駐車場までお出迎えです。
弘法大師様と一緒に私もちゃっかりと同乗し成福院様へ向かいました。(勢山さん達は傘をさして・・・歩きです)

勢山さんは信貴山にて多くの尊像修理等をされているとの事。
特に塔頭寺院で大本山成福院には、三福神堂新作の八臂弁財天像や飛天図浮き彫り、そして数々の修復像を手掛けられています。

今回お納めした〝弘法大師像〟は寄木造り差し御首(みぐし)・玉眼の構造で、外見の損傷よりも内部の損傷が激しい状態だったとのこと。

分解後〝玉眼〟や木地を補強・交換し、仕上げは漆で麻布を固め強固な下地を造り、彩色して古色が施されました。


また、弘法さんの持ち物の五鈷杵を造り替えるにあたり、1400年の歴史を知る信貴山の霊木〝大かやの木〟を用いて制作されました。(聖徳太子もこの木に願いを託したそうです)

「パワー倍増です」と勢山さん。 
生まれ変わった弘法さんに、管長さんも満足げなご様子でした。 

信貴山の愛称で親しまれている朝護孫子寺(ちょうごそんしじ)は、本邦最古と言っても良い仏教寺院です。
1400余年前〝物部守屋〟と〝聖徳太子〟との戦いはあまりにも有名で、そのとき太子軍を護ったのが、仏法守護神の四天王、毘沙門天でした。
以来、信ずるべき貴ぶべき山として多くの方々に信仰されています。

色づき始めた木々に囲まれた信貴山は凛としたたたずまい。
あいにくの雨で、山内の撮影ができなかったのが残念でなりませんでした。

ところで、以前に成福院弘法さんとツーショットの鎌倉蓮乗院弘法さんも分解されて修理が始まりました。


また、埼玉県金剛院大日如来像も仕上げの段階で誕生が近いようです。

誕生するお仏像と生まれ変わるお仏像。
どちらも長きにわたり人々を見守っていくのだと思うと、そういう場面にほんの少しでも関われることを大切に、そして感謝しなければと改めて思っています。


嬉しい秋晴れ

2021-11-15 | ノンジャンル
連日の爽やかな秋晴れに誘われて急遽遠出を。
せっかくだから紅葉歩きがしたいねと、碓氷峠アプトの道へ行くことにした。
普段はあれこれあっても、こういう時は意見が一致するから面白い。

電車での遠出はいつぶりだろう。
以前は青春18切符を使い気まま旅をするのが楽しみだったのに、昨年から我慢の日々が続いていたのでかなり久しぶりだ。

ゆったり旅を楽しもうと、ちょっと奮発してグリーン車に。
高崎から信越本線に乗り換え、車窓からの風景にウキウキしてしまう。

横川駅が起点のアプトの道は、旧信越線アプト式鉄道(歯車式鉄道)の廃線跡を利用した遊歩道だ。
見た目にはほぼ平坦だけれど、歩き出すと足に負荷がかかりゆるやかな登り坂なのがわかる。
    

上信越自動車道の高架橋をくぐり20分ほど歩くと、レンガ造りの重厚な建物が見えてきた。
旧丸山変電所は碓氷峠を行き来する電車に電気を供給していたとのこと。

真っ赤なモミジに覆われた遊歩道の先には、天然温泉峠の湯があったけれど今回はパスだ。
    

起点から1時間半ほどで5つのトンネルの先のめがね橋に到着したけれど、更に一番長い6号トンネル(546m)を抜けて熊ノ平駅へ向かうことに。

熊ノ平駅までは更に約20分の道のりだ。
時々旧18号線が見渡せたりトンネルを抜けるたびに心地良い風景が続き、10号トンネルの先が熊ノ平駅だった。
    

    

熊ノ平は碓氷峠で唯一平らな場所で、単線だった碓氷線のすれ違いと蒸気機関車への給水・給炭のための中間駅だったそう。
まず熊ノ平神社にお参りして付近を散策した。
    

アプトの道の終点から引き返し、いよいよめがね橋へ。
    

レンガ造りのめがね橋は明治25年4月に建設が始まり、同年12月に完成したそうだが工期が短くてびっくりだ。

見上げると大迫力!
長さ91m高さ31m、4蓮アーチ鉄道橋のめがね橋は、平成9年の廃線後も人々を魅了し続けている。
    

めがね橋からの帰り道は、足が自然に前に出てちょっとした小走り状態に。
途中の碓氷湖にも立ち寄り、往復12㎞歩きでアプトの道の勾配を体感した。
    

    

中山道を歩いて移動していた人々は、鉄道がひかれたことで生活が一変したことだろう。
世の中は日々変化しているのだと今更ながら思う。

電車旅はやはり楽しい!と帰りもグリーン車で♪
何だかやみつきになりそうだ。