新JOOKOのふぉとエッセイ

     東海道53次探検ウォークや、四季折々の出来事
     そして仏像造顕所勢山社関連など、写真もお楽しみに♪

勢山社年末雑感

2018-12-28 | 勢山社特派員だより

12月になると、今年はあと○○日・・・と何だか気忙しいのは皆同じでしょうか。
そんな師走のまっただ中に、毎年恒例になっている一丈八尺千手大観音像のお身拭いのため焼津の全珠院さんに伺いました。

勢山社舞子工房から出発した勢山さんとお弟子さんたちは、午前中に岐阜の安祥院さん一丈六尺阿弥陀如来像のお身拭いを済ませ、一路焼津に向かい私とは現地合流です。

いつものように、千手さんにご挨拶をしてお身拭いが始まりました。
この日は団体参拝をお断りしての作業でしたが、お身拭い中に訪れた方々は高所での様子に驚いたのか目が離せない様子です。

千手さんのご活躍の証しを丁寧に拭い、装身具も綺麗に水洗いを。
それらの様子をずっと見守っていた方は焼津に引っ越しをしてきたそうで、持病が治るよう千手さんにお願いをしたところ症状が軽くなったとのこと。
そういう話を聞くと嬉しくなります。



そして、翌日は豪徳寺三重塔内の釈迦如来像や、池袋二丈大仏阿弥陀如来像のお身拭いをさせて頂くなど、いつもより盛りだくさんの日程でした。

池袋の大仏さんは誕生から半年ほどなのに、もうしっかりその場に和まれ親しまれている様子で、いつも開放的に扉が開かれているからかお身拭いのしがいがあったようです。

久しぶりにお身拭いをさせて頂いた豪徳寺三重塔内のお仏像は非公開ですが、塔の外観に配置された猫たちや十二支の蟇股などはだいぶ貫禄が付き、これまでの埃が払われ気持ちよさそうでした。

名残りの紅葉の中訪れる人も多く、塔を見上げ猫を探す参拝者の姿も見られ境内はほのぼのとしていて、絶好のお身拭い日和となりました。


お身拭いへの参加は毎年のことなのに、この時期いつもの年に比べてちょっと焦り気味だったのは何故でしょう?

ふと思いついて、自分の行動の記録にもなる写真撮影回数を確認したら118回でした。
365日中118日ということは、ほぼ三日に一度の割合で写真を撮りそれに伴う作業をしているので、写真のためにかなりの時間を費やしていることになります。

ストックフォト(PIXTA)への登録枚数は1700枚を超え、この一年で販売枚数も伸びていて写真撮影はライフワークとして欠かせません。

もちろん、仏師の渡邊勢山さんに声をかけられて行う勢山社関連の撮影はお身拭い以外にも色々あり、私にとって大切な時間です。

工房が琵琶湖の畔なので工程写真は中々撮れませんが、お納めなどの時は都合がつく限り参加させてもらうことにしていて、今年の出来事で一番感慨深いのは、やはり6月の池袋仙行寺さんへの大仏様お納めでした。

ご仏身と雲座それぞれの部材が大きく重いので、事故のないよう安全にと始終ハラハラドキドキです。
大仕事を終えて、関係者の方々の喜びの表情が印象的だったのはもちろんで、後日行われた法要と祝賀会も含めて私にとって貴重な経験となりました。

その後八王子観栖寺の檀家さん4人の方それぞれのお宅へご本尊のお納めや、都内へ閻魔大王像のお納めも。
そして、12月初めには鎌倉称名寺さんに修理のお仏像お納めと、勢山社関連も例年より多めでした。

それにしても、梅や桜を除いては季節の花とほとんど出会えなかったのは珍しいことでした。
6月に梅雨が明け、強い陽射しに紫陽花は似合わないし、大好きなコスモスは、たて続けに襲来した台風で被害を受け・・・と、何だか異常気象に振り回された年になってしまいました。

新しい事にはチャレンジできなかった(小さなことでは1つありましたが)かもしれません。
でも、与えられたことを地道にというのも大切な事。
ありきたりですが、来年も元気に自分の役割が果たせる年でありますように!と願っています。