付け焼き刃の覚え書き

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「翼あるもの~マップス・シェアードワールド」 原作:長谷川裕一 

2008-02-16 | バイオシップ・人工知能
 SFコミックの傑作にしてスペースオペラ界の至宝『マップス』。最初の雑誌掲載が確か1986年で、コミックが完結して外伝2巻が出たのが1997年。そこからでも10年かあ……。でも面白いものはいつまで経っても面白いわけで、そこでマップス世界をネタに、笹本祐一、新城カズマ、中里融司、古橋秀之、秋津透、重馬敬といったSF界で活躍している面々が短編を書いてやろうという究極の企画! そしてそれぞれの短編に長谷川裕一の扉絵が付き、カラー口絵は村枝賢一、三浦建太郎、麻宮騎亜という豪華ラインナップ。

 2万年前に秘宝「風まく光」への地図を隠したまま消えてしまった“さまよえる星人”。その最後の子孫だという高校生・十鬼島ゲンは宝を狙う女海賊リプミラと出会い、秘密結社スペースパトロールに狙われ、さらには米ソの戦闘サイボーグに襲われ、ついにリプミラやガールフレンドの星見らとともに銀河宇宙へと旅立つことになる。
 しかし銀河系は広い。およそ20億種類の知的生命体がそれと同じだけの数の国家を形成し、さらには彼らに使役されるビメイダー(合成人間)など、さまざまな命と文明に満ちあふれていた。
 だが彼らの行く手には伝承族、銀河系の文明を陰から操り、育み、そして滅ぼしてきた種族が立ちふさがる。生贄砲が狙うものはなにか。銀河障壁は何のために存在するのか。そして「10匹の魔物」とは何物だというのか……。

 ほんと、みんな愉しそうに書いてます。お馴染みのキャラが活躍する話もあれば、オリジナルの新キャラが活躍する話あり。ゲンやリプミラが活躍する艦隊戦への殴りこみもあれば、サイボーグ少女の人助けや村へやってきた女先生の話とかもあり。確かにマップス世界でありながら、それぞれの作家の世界でもあって、原作を知っていて良し、知らなくても良しの作品集です。
 新城カズマの作品なんか、本当に『サマー/タイム/トラベラー』のようないつもの調子の語り口と展開で、「こ、これで本当にマップスになるんだろうな!?」と不安になったりもしましたが、ちゃあんとマップスでしたよ。この上ないほど。

【マップス】【頭脳船】【人型端末】【伝説の勇者】【シェアワールド】【イースター】

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