「〈はじまりの町〉にようこそ。私が町長のオトマルだ」
〈はじまりの町〉で町長を務めるオトマル・メイズリークは、唐突に世界がおかしくなっていることに気がついた。決まったセリフしか話せなくなっているし、あるはずの部屋が存在せず、街の住民も数が少なすぎる。
実は、この世界はMMORPG「アクトロギア」の世界だったのだ。オトマルたちは単なるNPC。だから粉屋には挽くための小麦がないし、鍛冶屋には武器防具以外の売り物がない。ところが、その「アクトロギア」がプレイヤーの少なさからサービス終了するという。つまりオトマルたちにとっては世界の終わり。
有能な秘書のパブリナに言わせると、この世界は〈幽霊屋敷〉の書き割りセットのようなもので、自分たちはその見世物小屋の役者のようなものなのだが、その演目そのものが出来の悪すぎるクソゲーなのだと……。
なぜかサービス終了間際に自我を獲得してしまったNPCたちが、世界の終わりを阻止するために冒険者たちの満足度向上が必須だとバランス設定もメンテナンスも放棄した運営に代わってゲームの立て直しに奔走する話。つまり、今回もある種のIT業界もの。
買ってきて机に置いておいたら留守中に妻が手に取り、読み通したあげくに「まあまあ面白かったよ」と感想。まだ読んでなかったのに!?
【はじまりの町がはじまらない】【夏海公司】【鈴木りつ】【ハヤカワ文庫JA】【AIの反乱】【BOT】【マルウェア】【実況動画】
〈はじまりの町〉で町長を務めるオトマル・メイズリークは、唐突に世界がおかしくなっていることに気がついた。決まったセリフしか話せなくなっているし、あるはずの部屋が存在せず、街の住民も数が少なすぎる。
実は、この世界はMMORPG「アクトロギア」の世界だったのだ。オトマルたちは単なるNPC。だから粉屋には挽くための小麦がないし、鍛冶屋には武器防具以外の売り物がない。ところが、その「アクトロギア」がプレイヤーの少なさからサービス終了するという。つまりオトマルたちにとっては世界の終わり。
有能な秘書のパブリナに言わせると、この世界は〈幽霊屋敷〉の書き割りセットのようなもので、自分たちはその見世物小屋の役者のようなものなのだが、その演目そのものが出来の悪すぎるクソゲーなのだと……。
なぜかサービス終了間際に自我を獲得してしまったNPCたちが、世界の終わりを阻止するために冒険者たちの満足度向上が必須だとバランス設定もメンテナンスも放棄した運営に代わってゲームの立て直しに奔走する話。つまり、今回もある種のIT業界もの。
買ってきて机に置いておいたら留守中に妻が手に取り、読み通したあげくに「まあまあ面白かったよ」と感想。まだ読んでなかったのに!?
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