付け焼き刃の覚え書き

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「デューン 砂の惑星2」 原作:フランク・ハーバート

2024-04-04 | ミリタリーSF・未来戦記
 砂の惑星デューンは産出されるスパイス「メランジ」の価値から、その惑星を制する者が全宇宙を制すると言われている。
 アトレイデス公爵家はデューンの統治を任されていたが、ハルコンネン家と皇帝の策略と武力侵攻により殲滅されてしまう。その生き残りで公爵の息子であるポールは、閉鎖的な砂漠の民フレメンに受け入れられ、彼らと共にハルコンネン家とゲリラ戦を繰り広げることになるのだが、彼の母親であるレディ・ジェシカへのフレメンたちの態度がおかしい。レディ・ジェシカに彼らの宗教的指導者、教母の後継者となれというのだ。
 彼女は銀河系における最大の政治勢力のひとつ、女性修道会ベネ・ゲセリットのメンバーだが、なによりポールの母親であり、ポールが予言の救世主ならば、彼の母親も教母であるはずだというのだ。さもなくば死を……。

 確定申告が終わったタイミングだったので、家族3人で初日のレイトショーで観てきました。劇場の大スクリーンで観て正解。逆光のシルエットとか、たびたび砂の中から無数の兵士が湧き出るシーンはカッコいいですね。この作品ならでは。
 個人用シールドが発達しすぎて携帯火器が使い物にならなくなり、ガンシップみたいなオーニソプターとかロケットランチャーみたいな兵器も脅威だけれど、結局最後は剣戟による白兵戦が有効なので乱戦になるという世界の物語。なんとなく剣と魔法の世界みたいですが、カムラン・ブルームの核弾頭15発よろしく、ガーニイ・ハレックの核弾頭92発とかあれこれビックリドッキリを挟みつつ、サンドワームが暴れ回るクライマックスへと突入します。ひとことでまとめると「ポウルのミラクル大作戦」。
 ストーリー的には1984年のデイヴィッド・リンチ版『デューン/砂の惑星』のラストシーンに追いつきましたね。こちらはまだまだ続けられる状況というか、さすがに『砂漠の神皇帝』まではいかなかろうとか思いつつ、さらなる修羅場(複数)が生まれたところでのエンディング。大団円ではあるんだよ。ただ、その大きな輪っかがどこに向かって転がっているか分からないだけで。
 小ネタの感想としては「おにいちゃん大好き妹が存在感ありすぎ」「砂虫からの降り方がわからない」「あっという間に煙の中に消えていった皇帝親衛隊」「鬼の形相のゼンデイヤ」といったところか。ゆっくりとした語り口に反して意外とストーリー展開が速いのも魅力です。ただ、やっていることは派手なのに印象は地味。『スターウォーズ』のような英雄譚ではなく、叙事詩的に語られているからでしょうか。

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