「勝ちそうだから戦うとか、負けそうだから戦わないとかじゃないんだよ。戦うべき時だからこそ戦うんだよ、ウチはな。それも毎回」
内科医の陣内万作の言葉。負け戦であったかどうかは関係ない。バカな一族はあくまで誇り高い。「家族を守るためなら、いくらでも頑張れる」という人々なのだ。
平成21年夏。ハッキングAI<ラブマシーン>によって世界10億人が公私を問わず活用している電子ネットワーク上の仮想世界が暴走した。<ラブマシーン>は手をゆるめることなく現実世界のインフラさえも浸食し、世界の破滅まで残すところ2時間と迫っていた。
だが、色気に迷ってバイトを引き受けただけのはずの平凡な高校生・健二は、それでもなお諦めてはいなかった。まだ<ラブマシーン>に負けてはいない。必要なものは、女神のキスと一杯の紅茶。タイムリミットまで2時間なんて永遠に近い時間が残っているじゃないか。まだやれることはあるはずなのだ。あとは女神のキスだけだ……。
世界の危機に挑んだ、普通の家族たちの物語。
細田守監督の映画『サマーウォーズ』を、『ムシウタ』の岩井恭平がノベライズしたものですが、単なるノベライズではありません。映画通りの筋立てではありますが、膨らます箇所は膨らまし、削るところは削り、必要とあればセリフも変えて、きちんとした1編の小説としています(あのエピソードが小説版には無いよね?)。そして、小説として読むと、夏希がどれだけ曾祖母を慕っていてなおかつ追い詰められていたかとか、健二が常に周囲の物事を計算していたり大家族の中の居場所に安らぎを得ているかというあたりまで丹念に書き込まれていますので、映画では唐突に感じられたようなあれやこれやの展開もすとんと納得がいくようになります。
けれども、これだけ続々と集まってくる大家族は、映画のように顔と声がついてこないと一度に覚えるのは無理です、思わず映画パンフレットの家系図を引きずり出しました。そして、これって平成21年の話なんですね。そりゃあ、そうしないと戦時中のエピソードとかがおかしくなるから……。
【サマーウォーズ】【岩井恭平】【細田守】【貞本義行】【ボーイ・ミーツ・ガール】【上田わっしょい】【草食男子】【女神のキスと一杯の紅茶】【家族】【花札】【大森望】
内科医の陣内万作の言葉。負け戦であったかどうかは関係ない。バカな一族はあくまで誇り高い。「家族を守るためなら、いくらでも頑張れる」という人々なのだ。
平成21年夏。ハッキングAI<ラブマシーン>によって世界10億人が公私を問わず活用している電子ネットワーク上の仮想世界が暴走した。<ラブマシーン>は手をゆるめることなく現実世界のインフラさえも浸食し、世界の破滅まで残すところ2時間と迫っていた。
だが、色気に迷ってバイトを引き受けただけのはずの平凡な高校生・健二は、それでもなお諦めてはいなかった。まだ<ラブマシーン>に負けてはいない。必要なものは、女神のキスと一杯の紅茶。タイムリミットまで2時間なんて永遠に近い時間が残っているじゃないか。まだやれることはあるはずなのだ。あとは女神のキスだけだ……。
世界の危機に挑んだ、普通の家族たちの物語。
細田守監督の映画『サマーウォーズ』を、『ムシウタ』の岩井恭平がノベライズしたものですが、単なるノベライズではありません。映画通りの筋立てではありますが、膨らます箇所は膨らまし、削るところは削り、必要とあればセリフも変えて、きちんとした1編の小説としています(あのエピソードが小説版には無いよね?)。そして、小説として読むと、夏希がどれだけ曾祖母を慕っていてなおかつ追い詰められていたかとか、健二が常に周囲の物事を計算していたり大家族の中の居場所に安らぎを得ているかというあたりまで丹念に書き込まれていますので、映画では唐突に感じられたようなあれやこれやの展開もすとんと納得がいくようになります。
けれども、これだけ続々と集まってくる大家族は、映画のように顔と声がついてこないと一度に覚えるのは無理です、思わず映画パンフレットの家系図を引きずり出しました。そして、これって平成21年の話なんですね。そりゃあ、そうしないと戦時中のエピソードとかがおかしくなるから……。
【サマーウォーズ】【岩井恭平】【細田守】【貞本義行】【ボーイ・ミーツ・ガール】【上田わっしょい】【草食男子】【女神のキスと一杯の紅茶】【家族】【花札】【大森望】
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