「ネクストライフ１」 相野仁

　雪山で遭難して死んだと思った高校生、山田隆司は気がついたら見知らぬ森の中にいた。そして頭上には慣れ親しんだネットゲーム「ファンタジー・アドベンチャー・オンライン」と同じく２つの太陽が。
　途方に暮れた隆司の目の前に、コボルトやオークを連れた少女が現れた……。

　ゲームで使い込んだキャラクターのデータそのままに、異世界に転生してしまった少年の冒険譚。
　ウェブで読んで、面白くて完結しているので書籍版も……と思って購入したら導入部のあらすじ以外、同じところがありませんでした。主人公以外共通するキャラも居ないし、舞台も馴染みが無いし、中盤にやっと知った魔人ルーベンスが名前だけちらりと出てきて一安心。油断ならんな。
　外伝「モンスターマスターの少女」が巻末に付録として収録。ほぼ１冊書き下ろしなので、ウェブ小説の書籍化とは言いにくいです。
　初っ端から無双ぶりを発揮していたウェブ版に対して、能力は変わらないながら言葉の取得に苦労し、雇われた領主の胡散臭さに周囲を経過しつつ手探りで進む書籍版。「ご都合主義にも程がある」ウェブ版も好きでしたが、言葉も１つずつ覚えていく、小さな苦労を積み上げていくウェブ版もキライではないので、本編と合わせて読み続けていきたいと思います。

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