
その詫びとして精霊たちが集めた金銀財宝が眠るという秘境「宝石の丘」までジュエルがクレストフを案内するという契約を結んだのだが、そこまで「歩いて……三十年くらい?」、案内がなければ何百年かけてもたどり着けないという場所だった……。
旅路の資金稼ぎのため、借金して鉱山の採掘権を得て、ちゃんと領主の認可を得て「山に入るな」と通達を出してもらい、術士の協会にも届け出を済ませ、入り口には進入禁止の札まで立てて採掘しているのに、近所の村人や盗賊や冒険者が勝手に進入しては警備のモンスターに殺されていくうちに、いつしか採掘抗の洞窟は命知らずの冒険者達が挑み続けるダンジョンということになっていた……という、ということで、ひとことで言うとサブキャラの蟲毒の壺。洞窟に挑んだ者が死んで死んで死にまくり、かろうじて生き残った者同士がパーティを組んで再挑戦しては全滅し……の繰り返し。
「なあ、知ってっか? 『朝露の砂漠』の『永眠火山』によ、最近になって急にえらく深い洞窟ができたんだってよお」
「ああ、聞いた聞いた。宝石が採掘できたり、珍獣がいたりして、うまくやりゃあ一儲けできるって話題沸騰中のダンジョンだろ?」
そりゃあ、クリストフも怒って良いよ。
作り手が意図しないうちに迷宮としてのダンジョンが生まれていくという、『アラビアの夜の種族』にも似た雰囲気の物語です。ウェブ版は完結。完成度はお墨付きです。
【ノームの終わりなき洞穴】【山鳥はむ】【toi8】【エンターブレイン】【恥辱の見せしめ】【自己責任】
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