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付け焼き刃の覚え書き

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「悪魔の機械」  K・W・ジーター

2009-12-10 | 日常の不思議・エブリデイ・マジック
 「スチームパンク」と呼ばれるジャンルがありまして、万能の動力源として蒸気機関が普及した世界を描くのが特徴とされています。舞台はヴィクトリア調が望ましく、飛行機でも車でもロボットでも水蒸気の力で動かす社会の物語。真空管やバネ歯車でも可……といった感じ。レトロなイメージの古い機械じかけだけで現代でもビックリの機械が動く社会の面白さが醍醐味ですね。
 その名前のもととなったのが、この『悪魔の機械』。あとがきによれば、この本の書評に対して「スチームパンクとでも呼んでくれればいいよ?」とジーターがコメントしたのがスチームパンクの最初なんだとか。

 時計職人ダウアーの父は天才発明家だった。
 ジョージ・ダウアーは不肖の息子だった。はっきり言ってドジでバカである。
 しかし、そんなダウアーのもとに、父親が作ったという得体の知れぬ機械を修理して欲しいという仕事が舞い込むのだが、依頼者もまた得体の知れぬ黒い肌の怪人だった……。

 ヴィクトリア朝イギリスを舞台に繰り広げられる怪事件の顛末は? そして人類の命運は?……という話ですけれど、一般的な定義のスチームパンクじゃないですね。マッド・ヴィクトリアン・ファンタジーではあるけれど、主人公のマヌケさ加減が良い感じで海底人たちがかわいそうです。

【悪魔の機械】【K・W・ジーター】【ハヤカワ文庫FT】【スチームパンク】【海底人】【時計職人】

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