付け焼き刃の覚え書き

 本や映画についての感想とかゲームの覚え書きとかあれこれ。(無記名コメントはご遠慮ください)

「秘密組織」 アガサ・クリスティー

2008-09-19 | ミステリー・推理小説
 中学時代にエラリー・クィーンとかS・S・ヴァン=ダインとか、いわゆる本格ミステリを読みあさった反動で、本格ミステリはおなかいっぱいになってしまい、高校時代はアガサ・クリスティーへと走ります。
 別にクリスティーが本格ではないというのではなく、キャラクターが楽しいのですね。
 ほら。クィーンもファイロ・ヴァンスも、主人公は衒学趣味なディレッタントじゃないですか。そりゃあ、主人公は登場人物の誰よりも頭が良くないといけませんが、ラテン語混じりに百科辞典的な知識を披露する有閑人ばかりでは飽きますもん。
 クリスティーの探偵はもうちょっと親しみやすいですからね。
 頭は良いけれど偉ぶった外国人の小男エルキュール・ポワロとか、田舎のおしゃべりおばあちゃんにして“復讐の女神”ミス・マープルとか。そして、トミーとタッペンスのおしどり探偵トミー&タペンス……。

「(結婚とは)1つのスポーツよ!」

 第一次大戦が終結し世界に平和が取り戻されたが、世の中は不景気で職探しの人々であふれていた。
 偶然再会したトーマス・ベレスフォード少尉(トミー)と元看護婦のプリューデンス・カウリー(タッペンス)の2人の男女も職探しに奔走する日々。しかしこうして再会したのも良い機会だと「冒険青年株式会社」の名前で事業を起こそうとしたことから、2人は大きな陰謀に巻き込まれていくことになる。
 それは英国汽船ルシタニア号撃沈に端を発したスパイ事件だった……。

 こういう冒険活劇というかスパイ物が好きでねえ。適度にユーモアがあり、適度にスリルがあり。だから何度でも読み返せるんだろうと思います。でもって、2人が結婚し、老いを迎えるまでおつきあいしていくのです。

【秘密組織】【アガサ・クリスティー】【共産主義者】【ミスター・ブラウン】

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