付け焼き刃の覚え書き

 本や映画についての感想とかゲームの覚え書きとかあれこれ。(無記名コメントはご遠慮ください)

「ミャンマーの柳生一族」 高野秀行

2007-10-11 | 冒険小説・旅行記・秘境探検
 信仰厚い仏教国のくせして僧侶を蹴散らしている映像が世界中に流れているミャンマーですが、この本は著者が作家・船戸与一に同行したミャンマー取材の顛末です。「ミャンマーは日本の江戸時代に似ている!」とミャンマー情勢を徳川家・柳生一族・諸大名の関係に見立て、いきなりアウン・サン家康とかミャンマー柳生とか言い出してますが……これ、どこのブシドーMMOですか……。
 まあ、実際、感覚としてよく理解できるのですが、理解できすぎて何か誤解してないか怖いです。
 ミャンマー情勢を付け焼き刃で頭に入れるには最適な1冊。2003年の取材のようですが、後日談で柳生一族の崩壊まで入っているので完璧。そうかー、千姫かー。だから軟禁されつつも、大事にされてんのね。そして逆に、明治維新で開国した日本がなぜあれだけ早く国際社会に融け込み発展していったかについて、ミャンマーから新たなアプローチを1つ追加。

 でも、合法的にミャンマーに入国するのはン年ぶりだという著者とか、思いつきで麻薬王に合わせろとか言い出す船戸与一とか、一筋縄でいかないメンバーの旅行記としても面白いと思います。

【柳生】【軍事政権】【麻薬】【国際人】【多民族国家】【高野秀行】

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